エンタメ
ドラマ
2024/12/14 10:30

中島健人「まずは英語でのセリフを間違えないで言うことが全てだと思いました」海外ドラマ「コンコルディア/Concordia」出演

中島健人さんが初めて出演した海外ドラマ「コンコルディア/Concordia」が現在Huluで独占配信中。全編英語のセリフ、海外での長期撮影など、初めて経験することも多かったよう。記念すべき初海外ドラマの裏側を教えてもらった。

 

※こちらは「GetNavi」2025年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

中島健人●なかじま・けんと…1994年3月13日生まれ。「Sexy Zone」の元メンバー。最近の主演作に、ドラマ「リビングの松永さん」「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」、映画「おまえの罪を自白しろ」がある。また、アニメ「【推しの子】」の第2期主題歌をキタニタツヤとのユニット・GEMNで担当。GEMNとしてROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024に出演した。2025年2月には主演映画「知らないカノジョ」の公開を控えている。Instagram

 

自分の緊張感を生かしたら意外と役にハマりました

「いつか海外ドラマに絶対に出たい」という夢を叶えた中島さん。Huluで日本独占配信となる今作の舞台は、カメラとAIが網羅された街・コンコルディア。中島さんはコンコルディアの心臓部であるAIを作ったA・J・オオバを演じる。機械学習分野における若き天才という設定もあり、専門用語による説明ゼリフも必要となる役だ。

 

中島「まずは英語のセリフを間違えないで言うことが全てだと思いました。日本のドラマでもよくあるけど、セリフを7割覚えて現場にいくと3割余白ができて、その余白が偶発的に芝居に良い効果をもたらすこともあります。逆に『セリフなんだっけ?』ということに固執してしまうと、意外と芝居に集中できず、良い表情にならなかったりもする。でも『コンコルディア』では、そういうことを考えずに、10割セリフを頭に入れていきました」

 

WOWOWの映画情報番組のMCを務め、海外のスターや監督に英語でインタビューしてきた実績もある。それでも全編英語のセリフを覚える作業は、通常の倍の時間を要したという。

 

中島「セリフを覚える流れとしては、最初に英語の脚本を全部読みました。読んでいく中で難しいところが出てきたら、ネットなどで調べて、意味を咀嚼するようにして。さらに日本語訳の台本ももらえたので、自分なりに英語で読んだものとの答え合わせをしました。そしてもう一度、英語の台本を読んで、自分で解釈したものを英語のセリフに落とし込んでいきました」

 

コンピューター・サイエンスの中でも機械学習分野における天才。しかも自信家。中島さんはそんな情報量が多いキャラクターを、物怖じせず理路整然と話す姿や、腹の底がわからない不敵な表情で表現してみせた。

 

中島「A・Jは完全にオリジナルでいこうと思っていたので、ビジュアル、衣装、話し方、お芝居と、全部周りの方々と設計しながら作っていきました。セリフを全部覚えた後で、共演者が過去に出演した作品を見るようにしたんです。脚本を読んで、シアという主人公の女性は、高い声のイメージだったんですね。でも実際に演じたルース・ブラッドリーさんは声が低い。A・Jのライバル的な役のノアは、繊細なブリティッシュボーイみたいなイメージだったのに、たくましいドイツ人のスティーブ・ソワーさんで(笑)。でも過去作を観ていたので、皆さんのビジュアルやお芝居をしっかりチェックした上で、自分の役を演じることができました」

 

今回ケンティーらしいキラキラした笑顔は完全封印。ともすると怖いとさえ思わせる表情の裏には、意外なエピソードが。

 

中島「海外のドラマって、台本が製本されていないんですよ。撮影当日にペラ紙で来るの。それを見るとセリフが変わっていたりして。『準備稿から変わってる!』みたいな緊張感が毎日あったんですね。その緊張感のままA・Jを演じたら意外とハマるかもと思って、実際にやってみたら良かったんですよ(笑)」

 

会議中の場面で軽く頬杖を突いたり、指先を小刻みに動かしたり。A・Jの細かいしぐさにも「コンピューター関連の仕事をしてる人ってこんな感じかも」と思わせる繊細な理系男子さがある。

 

中島「最初の撮影地であるイタリアに入ってすぐにホテルのロビーでミーティングがあり、カジュアルな話し合いなのかなと思ったら、本格的な脚本読みが始まりました。そこでバーバラ・イーダー監督に『どれぐらいペン回しできる?』って聞かれて(笑)。『A・Jがペン回しをしても面白いかもね』と言うので、やってみたらうまくできて、『いいじゃん!』ってなったんです。でも本番では1回も使われなかった(笑)。A・Jは静と動でいうなら静。クールなキャラクターなので、バーバラ監督は『この動きはいらないな』ってなったんでしょうね」

 

コミュニケーション能力に自信を持って臨んだ、初めての海外ドラマの現場。持ち前のコミュ力の高さで、共演者たちとも良い関係を築いていたようだ。

 

中島「海外は本当に役者一人ひとりにトレーラーが用意されるんです。メイクはまた別のトレーラーでするから、キャストはそこに集まるんですよ。僕の隣で上司のジュリアナを演じたクリスティアーネ・パウルさんがメイクをしていて、『健人、なんか音楽流して』と言われて。Sexy Zoneの音楽を流しました。現場でSexy Zoneの曲をよく紹介したんですよ。一番人気は『RIGHT NEXT TO YOU』。絶対に踊らないだろうなって感じのクリスティアーネが、指でリズムを取っているのを見て、アイドルで良かったなって思いました」

 

 

Hulu オリジナル
「コンコルディア/Concordia」

全6話 独占配信中

(STAFF&CAST)
ショーランナー 兼 製作総指揮:フランク・ドルジャー
監督:バーバラ・イーダー
脚本:ニコラス・ラーシュ、マイク・ウェルデン、アイラ・ヴァン・トリヒト
出演:ルース・ブラッドリー、ナンナ・ブロンデル、クリスティアーネ・パウル、シュテヴェン・ゾヴァー、中島健人 ほか

(STORY)
カメラとAIに網羅された町コンコルディアは、他の町への拡張計画を間近に控えていた。そんななか、初の殺人事件とAIシステムのハッキングという二重の災厄に見舞われる。

(C)Hulu Japan

 

撮影/映美 取材・文/佐久間裕子 ヘアメイク/石津千恵 スタイリスト/川原真由