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2018/1/22 18:00

女装することの意味とは? 男の娘・大島 薫が語る男性の深層心理

女性と見まごうほどかわいらしい外見の大島 薫さん。工事もホルモンも一切なしの、れっきとした男性、いわゆる男の娘です。その大島さんは現在、同じ男の娘であるミシェルさんと恋愛中です。「2人が出会ったのは運命」と言い切る大島さんに、人と付き合うことの意味や、男性の深層心理についてお話ししてもらいました。

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大島薫さん(以下、大島):ミシェルはボクがずっと追い求めていた理想の男の娘なんですよ。だからミシェルと一緒に家でバカ話をしていると、子どものときに戻ったような感覚になるんですよね。ミシェルはミシェルで、男性性を押しつけられた幼少期と、両親の離婚による不信感を取り戻しているところなんです。ミシェルもボクといると子どものころに戻ったような感覚になるみたいです。

 

——先日、別の人から「無邪気に笑える恋はいい恋だ」って聞きました。まさにそれですね。

 

大島:誰でもみんな、子どものときに欲しかったけれど得られなかったものがたくさんあると思うんです。それらを捨てて諦めながら大人になっていくんですよね。でもほんとうに好きな人と一緒に生きていくって、欲しかったものを取り戻していくことだと思うんです。

人はみんな、いびつな欠けた形をしているんですよ。感情的だったりネガティブ思考の人って、欠けている部分が多いんだと思うんですが、それをいろんな出会いや経験をすることで、ちょっとずつ補って本来あるべきだった形に戻っていこうとしているんだと思うんです。

 

——シェル・シルヴァスタインの「ぼくを探しに」ですね。

 

大島:問題は、みんながみんな欠けているから、自分の欠けたところを補ってくれる人と出会えるかがわからないことですよね。同じところが欠けている人には自分の穴は埋めてもらえないし。だからそういう意味では、ボクがミシェルと出会えたことは運命だなと思えます。ボクもいろんなところが欠けていたけど、ミシェルと出会う前の恋愛で、彼らからちょっと補ってもらえたのかもしれないし、だからいまミシェルに補ってあげられてるのかもしれない。これが一番最初の恋愛だったらうまくいってないかもしれないですよね。

 

——恋愛の経験を積むって大事なことだと思います。

 

大島:かといってテキトーな人と付き合っても補ってはもらえないですけどね(笑)

 

——!……難しいですね。自分をさらけ出せる人とどれだけ深い付き合いができるかってことでしょうか。

 

大島:家にいるときはニャンニャン口調で甘えてくるみたいな男性はいますよね。それは信頼の置ける相手にだからできることです。でも多くの女性は「いやいや、出会ったころはそんなんじゃなかったよね。思ったより女々しいんだね」ってガックリすると思うんですよ。だから結局恋愛って、どっちが我慢するかになっちゃうんですよね。こっちの願望を押しつけるか、向こうの願望を叶えてあげるか。

 

——そう、いつも相手の都合のいいような付き合いになっているなという気持ちになるんですよね。

 

大島:でもそれを満たしてあげると、相手が回りまわって自分を満たしてくれる可能性もありますしね。好きなことをやらせておいて、飽きて満たされたときに戻ってきたら、今度は自分を満たしてくれようとするのかなと思ったりもするんですよ。

 

——満たされない思いというと、女装することもその表れでしょうか。

 

大島:そうですね。女の子みたいに甘えたい願望をもっている人が、男の見た目のままでは甘えられないから女装したりするわけですよね。「甘えたい」とか「可愛く見られたい」っていう願望がダイレクトに表れているのが女装なんですよね。女装癖まで行かなくても、ニャンニャン口調になるのもその表れと考えられます。

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——女装というのは、深層心理の表れなんですね。

 

大島:外見と中身は違うといっても、やっぱりかっこいい服を着ると振る舞いもかっこよくなるし、可愛い服を着ると振る舞いも可愛くなる。だから形も大事なんです。赤ちゃんプレイだって、赤ちゃん口調になればいいだけなのに、ガワも入るでしょ? 自分の気持ちを盛り上げるためにも必要なんです。

 

——男性たることに実はプレッシャーを感じている男性たちに、女装をすすめてみるのはどうでしょう? 

 

大島:いや、ボクが言うのもなんなんですけど、男でいるんだったら男であることを頑張ってほしいんですよね。そのほうがかっこいいし、そうできる人のほうが実は少ないから。

 

——確かに、いまは昔のような男気にあふれた人って少なそうです。年上お姉さん好きとかけっこういるし。

 

大島:最近、男でいようと努力している男性ってあまりいないと思うんですよ。それこそ「ワリカンでいいじゃん」みたいな。女の子を呼んでセックスして、終わったらピロートークもせず「帰っていいよ」みたいな。それは全然男らしくはないじゃないですか。

 

——クズ男らしい感じではありますね(笑)。

 

大島:「女の子はそこで帰してほしいと思ってないよ」って察しろよ男だったら!って思うんですよ。どんなに眠たくて面倒でも、腕枕の1つしとけばいいじゃんって。そういうのができてない人が多いけれど、それこそドア開けるだの椅子を引くだの、階段を先に行かせるだの、なんでもいいからそこから頑張れよって思うんですよね。

 

——そんな人がいたら絶対かっこいいと思うけど、大島さんはそこを目指さなかったんですか?

 

大島:いやいや、見た目がこうなだけでやってますよ。

 

——そこはもう「ガワから入る」問題じゃなくなっちゃったということですか?

 

大島:いまこの見た目だからそう思うってのもあります。「あー、今月厳しそうなのに頑張ってこの店払うんだ」なんて、可愛いなって思っちゃいますね。ちょっと自分を見てるようでもあって。ボクが男性に対して可愛いなって思う瞬間は、男であることにとらわれるところが垣間見えたときなんです。女性のほうはどうでしょう?

 

――自分のために頑張ってくれている男性を見るのは可愛いですね。純粋に嬉しいなって思います。確かに、男性として見栄を張らないのに、自分を大きく捉えてほしいという男性には魅力を感じないかもしれませんね。

 

見た目は女性だけど、中身は最上級に男らしかった大島さん。男とか女とか、そういう性別を乗り越えて、とにかくかっこかわいい人です。

 

そんな大島さんを作ってきた成り立ちと、ミシェルさんとの関係を描いた作品「男の娘どうし、恋愛中。」(宝島社)、大好評発売中です。

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