あえて言おう。「言わなくてもわかる」直観力をみがけと――『アンモナイトの森で 少女チヨとヒグマの物語』

ink_pen 2018/4/20
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あえて言おう。「言わなくてもわかる」直観力をみがけと――『アンモナイトの森で 少女チヨとヒグマの物語』
内藤みか
ないとうみか
内藤みか

作家/脚本家/イケメン評論家。『夢をかなえるtwitter』など著書80冊以上。ケータイ小説時代から電子書籍を愛好し、電子での自著も多数。Kindle4台持ち。ラジオドラマ脚本「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)で文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。 内藤みかのブログ Twitter : @micanaitoh

私の知人に「彼が好きと言ってくれない」と悶々と悩んでいる女性がいる。彼の部屋に泊まったり、一緒に彼の行きつけの店に出かけたりしていて、人から見ればどう見ても交際中の仲なのだけれど、彼女は「彼が付き合ってと言ってくれないからまだ恋人ではない」とこだわっている。いちいち言葉にしなくて安心できる方法はないだろうか。

 

 

シャイな日本男性

海外の男性はそれこそ毎日のように、女性に愛情を表現する人も多いそうだ。結婚後も「今日も綺麗だね」「愛してるよ」などという声かけを欠かさない男性もいるらしい。けれど日本人男性はシャイだからなのか、なかなか面と向かって肝心な言葉を口にできない場合がある。なので、女性のほうも「私は彼女なの?それとも遊び?」などと不安になってしまうのだ。

 

けれど日本人がシャイなのは昔からだ。昭和のころなど「言わなくてもわかるだろう」という暗黙のニュアンスで、男は語らず、という雰囲気だったはずだ。それなのに昭和の女性は「私は彼女?」と悩む人ばかりではなかった。それは日本人特有の「以心伝心」や「阿吽の呼吸」があったからだ。

 

 

認定ねだり

しかし平成の女性は「彼が好きと言わない」と大騒ぎをする。彼と男女の仲になり、半同棲状態になってもなお「私は彼女?」と悩んでいる。そしてフられたら怖いから自分からはとても聞けない、というのだ。どんなに燃え上がっている恋人同士であってもいつかは終わる時が来るのだし、いちいち関係に枠をつけなくてもいいのではないだろうか。

 

彼の態度を見て、好かれているかどうかわかるでしょうと言っても「私と会うと嬉しそうだけど、その場だけかもしれないし」などとくよくよしている。どうしても「告白された認定」がないと安心できないのだ。これは彼の問題ではなく、彼女の心の弱さに問題があると私は思った。

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