【今日の1冊】「強敵」と書いて「とも」と読む。人生にはライバルが必要だ――『最強ライバルビジュアル大百科』

ink_pen 2018/5/31
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【今日の1冊】「強敵」と書いて「とも」と読む。人生にはライバルが必要だ――『最強ライバルビジュアル大百科』
三浦 暁子
みうらあきこ
三浦 暁子

1956年生まれ。大学在学中に結婚、専業主婦を10年ほどした後、突如、文筆活動を開始。現在は神戸市在住。エッセイストとして活動しています。著書には『ボルネオの白きラジャ』(NTT出版)、『梶本隆夫物語』(燃焼社)、共著に『家族はわかり合えないから面白い』(三笠書房)などがあります。

「お友達と仲よくするのよ」

 

多くの子供達は、そう言われて育つものだろう。 人間というのは一人では生きていくにはあまりに弱い。私自身、辛いとき、悲しいとき、家族や友達に助けてもらいながらなんとか毎日を乗り越えてきた。たった一人で荒野に立ち尽くしているような気持ちでいるとき、そっと背中に手を当ててくれる味方ほど有り難いものはない。

 

 

ライバルも大切な人間関係だ!

しかし、味方だけが貴重な存在というわけではない。人間同士は激しくぶつかり合う必要もある。たとえ望んではいなくても、敵と味方に分かれて戦わざるをえない状況に陥ってしまうときも多い。

 

歴史をひもといてみても、ライバル関係にある人々が古今東西を問わずに激突していることがよくわかる。『最強ライバルビジュアル大百科』(入澤宣幸、田代脩・著/学研プラス・刊)は、そんなライバル関係を考察した本だ。

 

埼玉大学名誉教授である田代修の監修を得て作成されたものだが、扱う時代も卑弥呼の時代から水木しげるまでと、まさに古代から現在までと長きにわたり、ライバルが数珠つながりで歩いているようだ。

 

 

ずらりと続くライバルたち

取り上げられているライバルがあまりに膨大なので最初は圧倒されてしまうかもしれない。それでも『最強ライバルビジュアル大百科』は活躍した時代ごとにライバル関係がくっきりと分けてあるから、順を追って読んでいけば挫折することはないだろう。章ごとにごく簡単に説明すると、以下のようになる。

 

第1部 古代
卑弥弓呼VS卑弥呼から始まり、聖徳太子VS蘇我馬子、最澄VS空海などを経て、平清盛VS後白河上皇まで。

第2部 中世 
源義経VS平教経から始まり、北条時宗VSフビライ、一休VS蓮如、織田信長VS足利義昭などを経て、北政所VS淀殿VS初VS江まで。

第3部 近世
真田昌幸VS徳川家康から始まり、徳川家光VS天草四郎、篤姫VS和宮を経て、坂本龍馬VS新撰組まで

第4部 近代・現代
西郷隆盛VS徳川慶喜から始まり、伊藤博文VS板垣退助、山本五十六VS東条英機を経て、水木しげるVS手塚治虫まで

 

多くのライバルたちが、歴史という巻物の上で対峙しているようで、ページを繰る手が早くなることだろう。

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