深夜ラジオの代名詞として全国のリスナーを惹きつけ続ける、ニッポン放送の『オールナイトニッポン』(ANN)。55周年イヤーに突入する今年4月から、各時間帯&各曜日のパーソナリティーがリニューアル。そんななか、今年1月22日放送『ANN 0』の週替りパーソナリティに抜擢され話題となった緑黄色社会・長屋晴子が、4月から『オールナイトニッポンX(クロス)』(ANN X)の火曜パーソナリティに就任することが発表された。単独では初となるレギュラーラジオ番組への思いと共に、「すごく内向的」「根暗」だという自身のキャラクターについても迫る。
(構成・撮影:丸山剛史/執筆:有山千春)
ANN 0は楽しかった
ーーANN Xパーソナリティのオファーが来たときの心境を教えてください。
長屋晴子(以下、長屋)1月22日にオールナイトニッポン0(以下ANN 0)で単発パーソナリティをやらせていただきましたが、そのとき、本当に不安だったんですよ。ひとりで2時間もラジオをやるのは初めてだし、そんなに喋れるのかという不安があったんです。
でもいざやってみると、時間が過ぎるのがあっという間で、放送が終わったあとも興奮して寝られないくらい、とにかく楽しかったんです。
それで今回のオファーをいただいたので、「この楽しい時間がこれからもまだ続くんだ!」という気持ちが、不安よりも勝っている状態です。
ーーANN 0は、手応えや反響はいかがでしたか?
長屋 手応えは……正直わからないです。うまくできたかどうかもわからないし。ただ、楽しかったと思えたことが大きな収穫でした。
放送後は、たくさんの人から「聴いたよ」という言葉をもらいました。「この人も聴いてくれたんだ!」という、意外なところからもそういう話をいただいて。オールナイトニッポンってそれだけリスナーがいる番組なんだなと実感しましたね。
それに、私のファンの方はもちろん、オールナイトニッポンの番組ファンの方もその回を聴いてくださって、それで私を知ってくれたというパターンもとても多くて。オールナイトニッポンならではだなと思いました。
ーーANN 0では淀みなく喋っていらっしゃったので、経験者かなと思いました。
長屋 メンバー全員でやったことはあるんですけど、ひとりは本当に経験ないです。そもそもリスナーのみなさんが、近い距離で来てくださるんですよ。それで私も心が開けたのが大きいですね。
ーー喋る内容は、事前に用意されていたんでしょうか?
長屋 台本がまったくなくて、ざっくりとした進行とコーナーがあることだけが伝えられていた状態で、ある程度は用意していたんですけど。それよりも、リスナーさんからのメッセージ内容で話がどんどん転がっていくパターンのほうが多かったです。
ーー普段はよく喋るタイプですか?
長屋 聞き上手ではまったくなくて、話すことはすごく好きです。話がすごく飛んでしまうんですよね。自分の頭の中では繋がっているんですけど、それが相手には伝わらないので、「なんでその話からその話になったの?」ということはよくあります。
ーー頭の中に言葉がいっぱいあるんですね。
長屋 湧いちゃうんです。
電話が苦手な内向さをストロングポイントに
ーー今回ANN Xでレギュラー放送になりますが、プレッシャーはありますか?
長屋 ANN 0は単発だからよかったものの、長い期間続くとなると、「私、話すこと、ちゃんとあるのかな……」みたいには思っています。
ーー日常から拾ってきたり?
長屋 そうですよね。日々、面白いことや感動すること、悔しいことや泣いたりすることってたくさんあると思うんですが、どうしても過ぎ去ってしまうことが多いじゃないですか。だからインタビューで「そういうことがありましたか?」と聞かれたとき、思い出せないんですよ。
なので、なるべくメモを取る癖をつけたいなと思っています。本当はたくさんあるはずなのに、言えないことが多いので。
ーー緑黄色社会の歌詞は長屋さんが書かれているものも多いですが、歌詞はどうやって書いていますか?
長屋 歌詞は降りてきた瞬間にメモして残しています。でも、歌詞って自分の中だけで理解していればいいものだったりするんですけど、ラジオで話すネタとなると、私だけが理解したり面白いと思っているだけではよくないかもしれない、と。もうちょっと幅広い視点で考えられたらな、と思います。
ーー長屋さんのラジオのストロポングポイントは、どんなところでしょう?
長屋 私自身すごく内向的なので、逆にそれを強みに頑張っていけたらなと思います。たぶん、同じような方がたくさんいらっしゃると思うので。そのうえで、逆にそうではないリスナーの方からはアドバイスをもらいつつ、人間として成長できるようになりたいです。
ーーANN 0でも、ご自身で「根暗だ」とおっしゃっていましたね。どんなところがそう思いますか?
長屋 そもそも家から出ないのと、あと最近すごく思うのが、病院や飲食店の予約がすっごく苦手だなあって。特に電話が苦手です。メンバーやスタッフから電話がかかってきても、すぐに出られないんですよ。少し時間を置いて、自分の心の準備をしてから、掛け直すことが多いです。いつも心の準備が必要ですね。
ーー今後、リスナーに電話をするコーナーもやるかと思いますが(笑)。
長屋 うわーーー……はい……。
ーーどうしますか(笑)。
長屋 電話……緊張しちゃいますね……。
ーーそんな緊張感のある長屋さんの姿も感じられるラジオ、ということですね。
長屋 そうですね(笑)。
“リョクシャカの長屋晴子”として、”リョクシャカ”を知ってもらいたい
ーーやりたいことはありますか?
長屋 生放送というのがポイントだと思うので、リスナーの方となるべくリアルタイムで繋がりたいと思っているんですよね。コーナーを用意するのも楽しい一方で、その場で起きる化学反応を楽しみたいと思っています。私の発言にどんどん突っ込んでほしいし、転がっていきたいです。
ーー呼んでみたいゲストはいらっしゃいますか?
長屋 まずこういう業界にお友達が少ないのでだいぶ限られちゃうんですけど……思い当たるところのお友達は全員呼びたいのと、ガチなお友達も呼んでいいんですかね?
ANNスタッフ お友達がよければ。
ーー長屋さんのプライベートがダダ漏れになっちゃいますね。
長屋 そういうのもいいんじゃないですかね(笑)。
ーー長屋さんご自身は、学生時代にラジオを聴いていた思い出はありますか?
長屋 2013年、高校生のときに『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)主催の閃光ライオットという10代限定の音楽フェスティバルに出させていただいて、準グランプリをいただいてからの”今”があるので、ラジオはすっごい聴いていました。
ーーラジオは原点とも言えますね。
長屋 そうですね。だからこそ、ミュージシャン的な一面も出していけたらと思っています。
ーーそれでは最後に、ANN 0での今後の目標を教えてください。
長屋 ”リョクシャカの長屋晴子”として出させてもらうので、オールナイトニッポンというすてきな番組を通して私たちのバンドを知っていただきたいです。そして、ひとりでやらせてもらうことに理由があると思うので、ラジオでたくさんのことを吸収して、リョクシャカに持ち帰りたいですね。バンドに還元できるものは還元したいので、なるべくいろいろなことを挑戦したいと思っています。
ーームチャなことを振られても……?
長屋 ANN 0で「即興でトークする」こと自体がすでにムチャな挑戦だったと思うので(笑)。これからもいろいろやっていきたいです。