5月17日(火)より、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』がIHIステージアラウンド東京で上演される。今作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されていた、大ヒット漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』(和月伸宏原作)の舞台化作品。もともとは、2020年に公演を予定していたのだが、コロナ禍の影響で中止に。幻のミュージカルとなってしまっていた。それが今回、ファンの熱い声もあり、改めて上演が決定。待望の再スタートを切った。主人公・緋村剣心を演じるのは、今年俳優デビュー20周年を迎えた小池徹平。普段は穏やかな性格ながら「人斬り抜刀斎」としての過去を持つ剣客・剣心をどのように演じるのか。小池さんに、キャラクターへの思いや本作の見どころを聞いた!
【小池徹平さんの撮りおろし写真】
改めてこうして剣心ができるというお話を頂けたので、本当に感謝しています
──ミュージカル『るろうに剣心 京都編』の主演・緋村剣心役を務められるということで、オファーが来た時はどう思われましたか?
小池 『るろうに剣心』は小学生の頃、「週刊少年ジャンプ」で読んでいて、まさにドンピシャ世代です。大好きな作品で演じることができると聞いて、とても嬉しく思いました。
──ただ、コロナ禍で一度公演自体が中止になってしまったんですよね。
小池 最初にお話を頂いたのが、新型コロナが流行する前でした。楽しみにしていた矢先に中止になってしまったので、自分の中で、どこにぶつけていいか分からない悔しさが込み上げてきましたね。もちろん誰のせいでもないことですが、このまま終わりたくないなという思いがずっと心の中で引っかかっていたんです。それが、改めてこうして剣心ができるというお話を頂けたので、本当に感謝しています。
──いよいよ公演を迎えるということで、意気込みはいかがですか?
小池 演じられるありがたみは、中止前よりも感じている部分はあります。まだまだ時勢的にも油断ができない状況ではあるので、気を抜かずに臨みたいですね。ちなみに、前回お話を頂いた時、僕は34歳だったんですが、コロナ禍を挟んで30代後半になったので、走り回れるかな? と少し心配に思ってしまいました(笑)。もちろん他の舞台もやっていたので、体力的にはそこまで衰えていないとは思うのですが……。
──最初にお話を頂いてからは2年弱が経過しました。ご自身の中で、いろいろと変化があったのではないでしょうか。
小池 たまたまですが、この1年半の間に、殺陣をやる機会があったり、時代劇に触れたりと『るろうに剣心』の世界に近しい時代のものに巡り合う機会が多かったんです。その点では、自然に自分がこの世界観に入っていけるんじゃないかなと思っています。ここ1年半で積んだ経験が活かされて、今の自分が演じる剣心は、以前よりさらに面白くなるだろうと、逆にプラスに捉えています。
──主人公の緋村剣心といえば、普段は心優しい温厚な性格ですが、刀を振るえば屈強な剣客「抜刀斎」としての顔も持つキャラクターです。何か役作りについて考えていることはありますか?
小池 今回のミュージカルでも、もちろん緋村剣心と抜刀斎それぞれのシーンがあります。しかし、自分の印象では抜刀斎よりも、剣心としての生き様で魅せるシーンが多いように感じました。熾烈な戦いの合間で、出会う剣客によっては、昔の抜刀斎に戻らないといけないこともありますが、その度に剣心の中で葛藤が生まれるんです。こういった部分は、かなり原作に忠実なストーリーになっていると思いますね。皆さんの思うようなイメージの剣心になるかは分からないですが、舞台ならではの見せ方が僕なりにできればと考えています。
今回は楽曲中にラップがあり、ラップバトルするシーンもあるんですよ
──また今回の会場が、客席自体が回転する劇場『IHIステージアラウンド東京』という特別な舞台でもありますよね。
小池 僕は、ステージアラウンドのこけら落とし公演『髑髏城の七人』(劇団☆新感線)をはじめ、観る側としてずっと足を運んでいたので、ようやくあの場に立てるんだと思うと、とてもワクワクしています。ただ、通常の舞台とは全く違った動きや演出になりますし、斎藤一役の山口馬木也さんも「大変やで~!」と仰っていたので、現場の感覚は未知ですよね(笑)。そういった面も含めて、楽しみにしています。
──通常の舞台とは一味違った作品になりそうです。
小池 音楽から映像、ダンス、アクションまでフルに使っている作品なので、かなり濃密な空間になると思います。特に楽曲は、原作にも映画にもないミュージカルならではの面白みが出る部分だと思うので、期待してほしいです。セリフに近い歌詞が多かったりもするので、そこにどう感情を乗せて歌って、作品になじんでいくのかっていうところも見どころじゃないかなと思います。あと、今回は楽曲中にラップがあり、ラップバトルするシーンもあるんですよ。
──ラップですか! それは新しいですね。
小池 今までにない『るろうに剣心』に仕上がっていると思いますよ。もちろん、そんな中で、心に来るようなセリフもあり、しっかりとお芝居もやっています。剣心は、剣を交えて相手の本質を見抜いて、新たな生きる道を与えるような言葉を投げかけるので、そういったシーンのセリフ1つひとつにも注目していただければと思っています。
──最後に、これから舞台を観る方にメッセージをお願いします。
小池 「京都編」の面白さが詰まった、壮大な舞台になると思います。原作、映画、ミュージカル、いろんなファンの方に観ていただければと思います。楽しみにしていてください。
──ありがとうございました!
ミュージカル『るろうに剣心 京都編』
公演期間:2022年5月17日(火)~6月24日(金)
会場:IHIステージアラウンド東京
(STAFF&CAST)
原作:「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」和月伸宏(集英社 ジャンプ コミックス刊)
脚本/演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
音楽:太田健(宝塚歌劇団)、和田俊輔
出演:小池徹平、黒羽麻璃央、松下優也、加藤清史郎、岐洲匠、奥野壮、
井頭愛海、鈴木梨央、伶美うらら、山口馬木也、加藤和樹ほか
(STORY)
幕末の世に最強の刺客“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(小池徹平)。明治維新後は不殺の誓いを立て、流浪人となり刀の峰を刃とした「逆刃刀」を手に静かな暮らしを送っていた。そんな剣心の元に、志々雄真実(黒羽麻璃央)が国家転覆を計っているという報せが届く。剣心の跡を継ぎ人斬りとなった志々雄は明治政府の裏切りに遭い全身を焼かれ暗殺されかけたことを恨みに、京都の暗黒街で復讐を企てていた。剣心は神谷薫(井頭愛海)や相楽左之助(岐洲匠)ら止める仲間を後に京都へ向かった——。かつての仇敵・斎藤一(山口馬木也)、四乃森蒼紫(松下優也)もそれぞれの思いを胸に剣心を追う。剣心は途中で出会ったくノ一・巻町操(鈴木梨央)と共に志々雄一派・瀬田宗次郎(加藤清史郎)、本条鎌足(奥野壮)、駒形由美(伶美うらら)と対峙するも、逆刃刀を折られてしまう。志々雄を倒すべく、より強くなるために剣心は師匠・比古清十郎(加藤和樹)の元を訪れる……。
公式サイト https://www.ruroken-musical.com
公式twitter https://twitter.com/rurokenmusical
(c)和月伸宏/集英社
撮影/岡村昌宏(CrossOver) 取材・文/Kitsune ヘアメイク/加藤ゆい(fringe) スタイリスト/松下洋介