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2022/10/7 6:30

HKT48・矢吹奈子&運上弘菜「辛いときもできるだけ笑顔でいようといった気持ちは変わらない」

直木賞作家・奥田英朗さんの同名小説を、高橋克実さんを映画初主演に迎えて映画化した『向田理髪店』が、10月14日(金)より全国公開(10月7日(金)より福岡+熊本先行公開)。過疎化が進む町で理髪店を営む親子を軸に、さまざまな問題に直面しながらも懸命に生きる人々の姿をユーモラスに描いた本作で、映画撮影のために町を訪れる国民的アイドル・零を演じた矢吹奈子さんと中国から嫁いできた香蘭を演じた運上弘菜さんが、HKT48としての活動とは異なる初体験について語ってくれました。

 

【矢吹奈子さん、運上弘菜さん撮り下ろし写真】

ファンの方が本宮さんとのラブシーンをどう観るのかは気になりますね(笑)

──今回はどのような経緯から、零と香蘭という役柄を演じることになったんですか?

 

矢吹 実はHKT48メンバー内でオーディションがあったんです。そのとき、いただいた台本が、零が出演している劇中劇『赤い海』の1シーンだったので、「どういう映画なんだろう?」という期待感がありました。私が零役に選んでいただいたときは、とにかく嬉しかったですし、その後『向田理髪店』全体の台本を読んだときは心が癒される作品だなぁと思ったので、撮影がとっても楽しみでした。

 

運上 私もその零役のオーディションを受けていました。それで零役を奈子さんが演じることが決まった後に、中国から町に嫁いでくる香蘭役をいただきました。その話をマネージャーさんから聞いたときは、香蘭役に驚きましたし、「中国語のセリフがあったら大丈夫かな?」と、ちょっと不安にもなりました。

 

──矢吹さんは、先の劇中劇『赤い海』では、本宮泰風さんと一緒に『レオン』のオマージュともいえる役柄を演じていますね。

 

矢吹 本宮さんの役名が宮本風秦って、苗字と名前が逆になっていて、面白いなぁと思いつつ、緊張もあって何度か間違いそうになってしまいました(笑)。あと、初めて銃を持ったり、あまりしたことがないアクションシーンがあることが不安だったのですが、ベテランの本宮さんから丁寧にいろいろ教えていただきました。銃の持ち方とか、とても勉強になりました。あと、ファンの方が本宮さんとのラブシーンをどう観るのかは気になりますね(笑)。

矢吹奈子●やぶき・なこ…2001年6月18日生まれ。東京都出身。HKT48・チームHのメンバー。日韓合同グローバルガールズグループ・IZ*ONEの元メンバー。愛称は“なこ”。 TwitterInstagram公式HP

 

私もファンの方が、結婚式のシーンをどう観てくださるのか気になっています

──また、矢吹さん自身が国民的アイドルを演じることについては?

 

矢吹 自分の中で理想のアイドル像を作って、それを崩さないように演じることを意識しました。細かい表情とか。零は裏の顔を持っているキャラクターですが、そこに関しては、普段の私とは全然違います(笑)。そのときの言葉遣いもたくさん練習したぐらいですし!(笑)

 

──初めての映画出演だった運上さんはいかがでしたか?

 

運上 現場の雰囲気に緊張しちゃって、ずっと固まっていたんです。そしたら、いつも私がドラマや映画で観ている共演者の方々が声をかけてくださったんです。朝にメイクしているときに高橋克実さんが「おはよう」と話しかけてくださったり、寒かったシーンを撮っているときには富田靖子さんがカイロを渡してくださったり。皆さんに助けられたことによって、無事に終えることができました。

──ちなみに、中国人役と演じるという体験はいかがでしたか?

 

運上 チャイナドレスを着せていただき、髪型も中国風のお団子にしていただいたんですが、とても不思議な体験になりました。今後、中国人の役を演じることはきっとないでしょうから(笑)。実は「ニーハオ」の言い方の練習もしていたんですが、最終的には片言の日本語で話す設定になりました。私もファンの方が、結婚式のシーンをどう観てくださるのか気になっています。

 

──ロケ地でもある福岡県大牟田市の印象は?

 

矢吹 私は初めて行ったんですが、ゆっくりと時間が流れているような素敵な街でした。撮影が学校の下校時間と重なったときがあって、「何、撮影しているのー?」と小学生が聞いてくる感じとか、穏やかな感じがしました。

 

運上 12月の撮影だったんですが、寒い中、大勢の方がエキストラとして参加してくださったり、いろいろ差し入れをしてくださったりして、とても温かさを感じました。ちょっと私の地元(北海道)を思い出しました。

運上弘菜●うんじょう・ひろな…1998年8月9日生まれ。北海道出身。HKT48・チームKIVのメンバー。愛称は“なっぴ”。 TwitterInstagram公式HP

 

正義感の強さは小さいころから変わっていないと思います

──本作は「変わりゆく町、変わらない人々」を描いていますが、お二人にとって変わらないことを教えてください。

 

矢吹 私は小学6年生のときにHKT48に入ったので、細かいところに関しては少しずつ変わっていると思うんですが、「ステージからお客さんにいいものを見せたい」という気持ちは、ずっと変わっていないと思います。あと、辛いときもできるだけ笑顔でいようといった気持ちとか。それらは韓国で活動していたときにも生かされたと思います。

 

運上 周りからは頑固と言われるんですが(笑)、正義感の強さは、小さいころから変わっていないと思います。あと、ファンの方とのコミュニケーションの取り方も、デビュー当時から変わっていません。特に言葉遣いに関しては、正直でありつつも気をつけています。

 

矢吹 “なっぴ(運上)”のことは、前はあまり知らなかったけれど、韓国から帰ってきてから、一緒にいる時間が多くなったこともあって、「全然フワフワしている子じゃないんだ」と気づきましたね。自分のことをしっかり考えて、それを貫こうとする姿勢を持っていたり、芯のある子だなぁと思いました。

 

運上 奈子さんは、私が初選抜に選ばれた「早送りカレンダー」でもセンターをされていたので、私にとって話しかけるのも勇気がいる存在だったんです。でも、今年4月から7月にやっていた全国ツアーを経て、10月16日の幕張メッセ公演や11月の11周年公演に向けて、今はいろいろとお話する機会も増えているので、とても嬉しいです。

ピッコロとチビコロという、2羽のインコがめちゃくちゃかわいい!

──ちなみに、お二人が個人的に好きな映画は?

 

矢吹 加瀬亮さんと戸田恵梨香さんの『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』の『劇場版』が好きです! 5年ぐらい前に、ドラマシリーズからハマっていたんですが、とにかく瀬文さんと当麻の掛け合いが面白すぎて、もう4周観終わりました。この作品きっかけでサスペンスに興味を持ち始めたし、韓国での活動中も辛い時期に「SPEC」を見ることで、笑いと元気をもらって癒されていました。こないだ植田(博樹)プロデューサーとお会いする機会があったので、私の熱い思いを伝えさせていただきました(笑)。

 

運上『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』と『ジョー・ブラックをよろしく』です。私、ファンタジーというか、ちょっと不思議な世界がありつつ、人生について考えさせられるような映画が好きなんです。何度も観返してるんですが、観れば観るほど考えちゃうんです。奈子さんにも観てほしいです!

 

──GetNavi webということでモノについてもお話いただけたらと思います。仕事現場など常に持っていくモノなどはありますか?

 

矢吹 昔からずっと音楽が近くにある生活を送っていますし、今も移動中はずっと音楽を聴いているので、ワイヤレスイヤホンは欠かせません。AirPods Proなんですが、いつも片方だけで聴いています。周りの音が聴こえていた方が安心するんです。あと、前髪を巻くためのカーラーも、必ず持ち歩いています。

 

運上 私、甘いモノが大好きで、仕事帰りに買ってしまいがちなんですが、そこまでしないよう高カカオのチョコレートを常に持ち歩いています。お気に入りは「チョコレート効果カカオ72%」。あとは、敏感肌用のSPF50以上の日焼け止めも欠かせません。

──では最近、ハマっているモノは?

 

矢吹 ウチで飼っているピッコロとチビコロという、2羽のインコです。めちゃくちゃかわいいんです。肩やペンに乗っけたり、いろんな言葉を覚えさせたり、一緒に遊んでいるんですが、お父さんがなぜか「パパです」という言葉を覚えさせちゃったんですよ。福岡に数日行っていると、すぐに“コロコロ不足”になるし、あまりにも愛おしすぎて、ときどき「うぁー!」と絶叫しているので、妹からは「最近ヤバいよ!」と言われていますね(笑)。

 

運上 最近、冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも、まとめて調子悪くなってしまったので、家電探しです。おとといも冷蔵庫を買いに家電量販店に行ったんですが、ネットでの価格と見比べている最中です。ポイントのこととか考えているのも楽しいですが、そろそろ買いたいところですね(笑)。

 

 

向田理髪店

10月7日(金)より福岡+熊本先行公開
10月14日(金)より全国公開

 

(STAFF&CAST)
脚本・監督:森岡利行
原作:奥田英朗
主題歌:「全然 変わらない」HKT48(Mercury/EMI Records)

出演:高橋克実
白洲 迅、板尾創路、近藤芳正、
芦川 誠、田中俊介、坪内 守、鈴木大輝、永田崇人、重松隆志、運上弘菜(HKT48)、
カイラ(カイキンショウ)、ショウきん(カイキンショウ)、佐藤順一、中尾新吾、前田みどり、林田麻里、まこパーティー、
矢吹奈子(HKT48)、本宮泰風 / 筧 美和子/根岸季衣、
富田靖子

(STORY)
かつて炭鉱町だった筑沢町で、親から継いだ小さな理髪店を営む康彦(高橋)。ある日、東京で働く息子・和昌(白洲)が帰郷し、会社を辞めて店を継ぎたいと言い出す。過疎化が進む町を再び盛り上げると語る和昌に、複雑な気持ちの康彦は、市役所での地域振興についての会議で激しく意見を対立させる。そんなある日、筑沢町で映画撮影が行われることになる。

(C)2022 映画「向田理髪店」製作委員会

 

撮影/関根和弘 取材・文/くれい響 ヘアメイク/水野花菜 スタイリスト/渕上陽子 衣装協力/95jieun(矢吹)、FURFUR(運上)