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2022/12/29 10:30

黒木ひかりが時代劇初挑戦!「黒木ひかりを抑えるのが大変でした(笑)」映画「近江商人、走る!」

江戸時代、そろばん片手に知恵を振り絞り、商売で勝負に出る近江商人たちの活躍を描いた異色のビジネス時代劇『近江商人、走る!』が12月30日(金)より公開。本作で筧利夫さん演じる米問屋主人の愛娘で、主人公の近江商人・銀次を支える幼なじみを演じる黒木ひかりさんが、初体験となる時代劇でのエピソードのほか、「2022年一番ハマったモノ」についても語ってくれました。

 

黒木ひかり●くろき・ひかり…2000年6月25日生まれ。東京都出身。「ウルトラマンZ」のメインキャスト・オオタユカ役に抜擢され、ロングランヒットとなった「アルプススタンドのはしの方」では成績優秀のブラスバンド部部長の久住智香役を熱演するなどさまざまな作品に出演。サッカー番組「やべっちFC」の後継番組DAZN「やべっちスタジアム」のレギュラーアシスタント、TBS「王様のブランチ」レギュラーリポーターを務める。TwitterInstagram

 

【黒木ひかりさん撮り下ろし写真】

太陽のような元気や明るさ、熱さ優しさがにじみ出るような女の子

──初の時代劇出演ということで、出演オファーが来たときの率直な感想は?

 

黒木 マネージャーさんから「時代劇の話が来ているよ」と聞いたとき、「え、やってみたい!」と思いつつ、「私、日本史苦手だったから、出て大丈夫かな?」とちょっと不安な気持ちもありました。でも、せっかくのチャンスなので、まずはカタチから入ろうと、歩き方や座り方、襖の開け方といった所作を動画で見て勉強するところから始めました。

 

──米問屋の娘である楓の役作りについては?

 

黒木 楓ちゃんは普通の町娘なので、まるで太陽のような元気や明るさ、熱さ優しさがにじみ出るような女の子にしたいな、と思いました。また、着飾らないところが魅力でもあると思ったので、あまりきれいすぎないように注意しました。普段の私に近いところが多いと思いましたし、全体的には中学生のとき、何も考えずに体育祭に参加したときをイメージしました(笑)。

 

和装にハマったので、今度は浅草で着てみたいです

──近江商人のお話だけに、いろんな取引やお金の話も出てきますが、台本を読んで、すぐに理解できましたか?

 

黒木 そうなんですよ! 専門用語が難しすぎて、ウィキペディアを検索しながら、その意味を台本に書きこんでいました。最初は「商人」の意味すら、よく分かっていませんでしたから(笑)。でも、難しかったのは用語だけで、全体的な話としては、今の時代とあまり変わらない成功物語なので、すぐに理解できました。私、時代劇って、もっと難しいものだと思い込んでいたんです。「武士道」の考え方とか、どこか“固い”“怖い”イメージが強かったですし。

© 2022 KCI LLP

──滋賀県のオープンセットや京都撮影所、そして和装での撮影はいかかでしたか?

 

黒木 セットの中に入ると、完全に町が出来上がっていたので、まるでテーマパークにいるような楽しい気分になりました。今まで日本髪をすることもなかったですし、コロナ禍で成人式も出られなかったので、最初の衣装合わせのときは違和感しかなかったです(笑)。でも、マネージャーさんに「おでこ、まるっと出てていいじゃん!」と言われたことで調子に乗って! 帯はコルセットをしているような感じで、気も引き締まるし、姿勢もかなりよくなりましたし、「このセットにいるんだから、この衣装で、この髪形は当たり前」な気持ちになっていきましたね。今回、和装にハマったので、今度は浅草で着てみたいです。

 

高い所が苦手だったけど、カメラが回るとアドレナリンが出て全く怖くなかった

──動画で学ぶことのできなかった所作のシーンについては?

 

黒木 楓ちゃんは、お客さんにお茶を出すシーンがとても多いので、所作の先生に現場でお茶の運び方や渡し方、お盆の持ち方みたいなことを細かく指導してもらいました。とにかく頑張りました! あと、正座もめちゃくちゃ苦手だったんですが、足が痺れてきても、「これは頑張っている証拠!」と自分に言い聞かせていました。ただ、正座をしていると、気づけばいっぱい蚊に刺されてしまい、かゆくてしょうがなかったです(笑)。

© 2022 KCI LLP

──そのほか、苦労されたシーンについて教えてください。

 

黒木 楓ちゃんは自分のために頑張るというより、ちょっと変わった性格の銀次(上村侑)を支えるために頑張る役どころなんです。なので、黒木ひかりを抑えるのが大変でした(笑)。例えば、お茶屋の看板娘・お仙ちゃん(田野優花)のライブシーンで、オタクのみなさんに紛れて、最前でオタ芸をするシーン。普段の私なら「うりゃほい!!」と全力でやると思うんですが、あくまでも楓ちゃんは、みんなのマネをしている程度に抑えていて、「恥ずかしいけど、楽しいからやっちゃう?」なお芝居をしているんです。

 

──やぐらの上に乗って、旗振り(手旗信号)をするシーンも印象的でした。

 

黒木 旗自体が重いので、棒に引っかからないようにうまく回すのが大変でしたが、それより私、高い所が苦手なんです。やぐらの高さまで、クレーン車で上がっている間もグラグラして怖かったし、そこから跨ってやぐらに移動するときも、手汗と足汗がハンパなかったです。でも、アドレナリンが出たのか、カメラが回ると全く怖くなかったんですよ! あと、銀次がけがをした大工さんを助けるために組合を作ることを提案するシーンでは、ぐるぐるカメラを回しながら強面の職人さんに囲まれているところを映した長回しがあるんです。面白いシーンになったので、そこにも注目してほしいですね。

 

常にプルプルが欲しい方には男女問わずおススメです

──それでは、黒木さんが必ず現場に持っていくアイテムを教えてください。

 

黒木 現場だけじゃなく、プライベートでも、唇がカサカサしていると落ち着かないので「リップクリーム」です。中学生の頃はカサカサでも全然気にしなかったんですが、3年ぐらい前に突然必要なモノだと気づいて、いろんなリップを試したんです。韓国コスメやメイクさんのおススメも試したなか、最後にたどり着いたのが、皮膚科の先生に勧められたリビジョンの「ユースフルリップ」。夜寝る前に塗って朝になっても潤っているので、常にプルプルが欲しい方には、男女問わずおススメです。現場でテンションが下がらないようにバッグには2、3本入っていますし、家にもストックが3本ぐらいあります(笑)。

↑黒木さん持参のリップクリーム。男女問わず唇カサカサに悩む方にはオススメ

──「2022年一番ハマったモノ」についても教えてください。

 

黒木 小学生以来のシール集めですね(笑)。実家近くの文房具屋さんがお店を閉じることになって、久しぶりにお店をのぞいたら、かわいいシャカシャカシールとかぷくぷくシールとかキラキラシールを見つけてしまったんです。あまりの懐かしさ故にいっぱい買ってしまい、それ以来、文房具屋さんを見つけたらシールを探すようになりました(笑)。ファイルの中にいっぱい入れているので、久しぶりにシール交換したいですね! あと、去年の終わりからスヌーピーが好きで、グッズを集めています。ジェラピケとコラボしたぬいぐるみを買ったのがきっかけですが、寝室はスヌーピーだらけで、パジャマもスヌーピー柄。ユニクロとのコラボ商品も買いましたし、町田のスヌーピーミュージアムにも行きました!

 

近江商人、走る!

12月30日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

© 2022 KCI LLP

(STAFF&CAST)
監督:三野龍一
脚本:望月 辰
出演:上村 侑、森永悠希
真飛 聖、黒木ひかり、前野朋哉、田野優花、村田秀亮(とろサーモン)
鳥居功太郎、たむらけんじ、大橋彰(アキラ100%)、高梨瑞樹、徳江かな、落合亜美、コウメ太夫
矢柴俊博、堀部圭亮、渡辺裕之(特別出演)、藤岡弘、(特別出演)/筧 利夫

(STORY)
ある近江商人との出会いから、大津の米問屋大善屋で丁稚奉公することとなった銀次(上村)。それから5年……商才を発揮する銀次は、店の仕事だけではなく、職人の互助組合作りや茶屋の看板娘・お仙(田野)のアイドル化計画などを手掛け、町の人々を助ける。そんな彼の元には同じ店で働く楓(黒木)、眼鏡職人の有益(前野)や大工の佐助など仲間が集まるようになった。悪辣な奉行の罠によって、大善屋が千両もの借金を背負う。先輩の丁稚・蔵之介(森永)の父も関わるこの悪企みから店を守るため、銀次は大津と15里=60km離れた堂島の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。電話もネットもない時代、飛脚でも半日掛かる距離を越え、情報を迅速に入手するため、銀次たちが仕掛けた壮大な作戦とは?

【映画「近江商人、走る!」よりシーン写真】

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撮影/関根和弘 取材・文/くれい響