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2023/11/3 20:00

今注目の若手俳優・青木柚×伊礼姫奈×服部樹咲インタビュー。『EVOL』実写化の役作りは「私生活にも影響が」

現実に絶望し、自殺を図った3人の少年少女が織り成すドラマ『EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~』がDMM TVで11月3日に配信スタート。原作は漫画家・カネコアツシ氏による人気同名コミック。主人公の3人を演じるのは青木柚、伊礼姫奈、服部樹咲という注目の若手俳優だ。鬱屈した中学生を演じた3人だが、撮影は楽しく行われたよう。撮影中さながらのわちゃわちゃトークで舞台裏から互いの印象、今ハマっているモノまで語った。

(中央)青木 柚●あおき・ゆず…2001年2月4日生まれ。神奈川県出身。2016年公開の映画『14の夜』でメインキャストに選ばれる。映画『うみべの女の子』(2021)、『はだかのゆめ』(2022)、『まなみ100%』(2023)など主演作多数。ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(2023・日本テレビ系)ではキーマンとして話題を集めた。主演映画『The Night Before 飛べない天使』が12月15日(金)に公開予定。

 

【青木柚さん×伊礼姫奈さん×服部樹咲さん撮り下ろし写真】

 

「正義ってなんだろう」「とにかくワクワクだらけ」原作の魅力

(左)伊礼姫奈●いれい・ひめな…2006年2月7日生まれ。群馬県出身。4歳から俳優活動を始め、2016年にNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』にレギュラー出演。2022年には1000名を超えるオーディションで映画『18歳、つむぎます』(2023)の主演に抜擢された。主な出演作にドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(2022・テレビ朝日系。2023年には劇場版が公開)、『離婚しようよ』(2023・Netflix)など。主演映画『シンデレラガール』が11月18日(土)に公開予定。

 

──原作漫画をお読みになった感想からお聞かせください。

 

青木 のめり込むように読みました! 舞台はヒーローが存在する街。ドラマで僕らが演じた3人が命を絶とうとしたときに、特殊能力が芽生えるという設定に引き込まれました。子どもと大人、善と悪といった相反するものたちの葛藤が丁寧に描かれていますし、とにかくワクワクだらけで早く続きを読ませてほしい! と思いました。

 

伊礼 絵も内容も斬新で「何で今まで読んでいなかったんだろう」と思うくらい面白かったです。しかも、いろんなメッセージが込められている。「正義ってなんだろう」と考えるきっかけになるほど、さまざまなモノを受け取りました。この実写化に出演できることが、すごくうれしかったです。

 

服部 私にとっては、漫画の面白さを教えてくれた作品です。初めて全部読んだ漫画が『EVOL』だったので、すごくインパクトが強くて。それまでは「何でみんな、ヒーロー作品にハマっているんだろう」と思っていたのですが、『EVOL』を読んで、メインキャラクター3人の個性が強くて愛おしくて、面白いなと思いました。

 

──原作に思入れが強い分、役作りで特に意識したことはありましたか?

 

青木 みんなビジュアル⾯を意識していたと思います。僕が演じたノゾミは、⽬が隠れるぐらい前髪が⻑く、映像ならではのCGや、マスクや合成などで前髪を短くする案も出ていました。ですが、その前髪もノゾミのアイデンティティーに直結する部分だと思い、こだわりたくて……ヘアメイクさんをはじめとするスタッフの皆さんの⼒をお借りして、前髪の⻑いスタイルで演じることができました。また、⾐装さんも原作そのままのTシャツを⽤意してくださり。チームで作り上げたノゾミだなと感じています。

 

伊礼 私の中でもヘアスタイルが大きかったです。漫画独特の髪型だし、実写化したらどうなるんだろうと考えていました。原作のアカリに寄せるために髪を切り、監督と一緒にビジュアルを作っていきましたね。目の強さを出すために、眉毛の角度にもこだわりました。アカリの表情を出すために、監督からは「もっと睨んで」と言われて。鏡を見てたくさん練習しました、私生活にも影響が出るぐらい(笑)。

 

服部 私も金髪にしたのが一番のポイントです。たぶんアカリはあの髪型にしたことでドーンと落ちたと思うけれど、私は金髪にすることによってギャルになりました(笑)。悪い言葉や勢いよく言うセリフが多く、監督からも「もっとギャルっぽく!」と言われるので、“マインドギャル”というのは保てるように頑張りました。

(右)服部樹咲●はっとり・みさき…2006年7月4日生まれ。愛知県出身。4歳からバレエを始め、国内外で数々の輝かしい成績を収める。俳優デビュー作となった映画『ミッドナイトスワン』(2020)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作に映画『日曜日とマーメイド』(2022)、ドラマ『競争の番人』(2022・フジテレビ系)など。映画『唄う六人の女』(2023)が10月27日(金)に公開したばかり。

 

──伊礼さんのように私生活に影響はありましたか?

 

服部 私は楽しんで生活していました(笑)。

 

青木 チャラかったです(笑)。

 

──撮影中に、一番印象に残っていることは?

 

青木 3人で空飛んだことじゃない?

 

伊礼・服部 あー……(笑)。

 

青木 あ、違うみたい(笑)。ビルの屋上にクレーンを運んで、ワイヤーで釣られて空中から3人で飛び降りたんです。あのシーンをきっかけに3人の距離が縮んだ気がしたけど……2人はどう?

 

伊礼 私はトラックで突っ込んで爆破されて、3人で笑い合うシーン。遅い時間なので寒かったし、撮影は大変だったけれど、ノゾミとサクラを見たときに、私自身も「この2人と、もっといろんなことをしてみたい」ってすごく思えたんです。金子(ノブアキ)さんも好きなシーンだとおっしゃっていました。

 

服部 言われちゃった! 私は3人で走って逃げてからの病院での屋上シーンが印象深いです。クランクインしてそんなに経っていないころで、空き時間が3、4時間あったんです。その間に、コンビニに行ってアイスを買って公園で遊んで。3人が仲良くなったのが、あの日だったと思うから。

 

青木 確かにそうだね。小中学生が遊んでいる公園で、金髪と、キノコと、前髪ギザギザの3人衆が馬の遊具に乗っているっていう(笑)。

 

服部 ブランコに乗ってから楽屋に戻りました。グッと距離が縮まった気がして、すごく楽しかったです。

 

「役者としても人間としても尊敬」高め合う若手俳優たち

 

──俳優としてのお互いの印象はいかがですか? まずは青木さんの印象から。

 

伊礼 青木さんは……って、恥ずかしいな(笑)。

 

青木 良いこと言ってよ!

 

伊礼 私は映画観賞が好きで、柚くんの作品も観ていたので、共演できるのがまずうれしかった。本人にも伝えましたけど、俳優としてすごく尊敬できる方です。実際に共演しても支えてもらいましたし、お芝居を近くで見ることができたのが一番うれしかったです。

 

青木 ありがとうございます!

 

服部 私は……。

 

青木 何詰まってるの!?

 

服部 役者としても一人の人間としても尊敬できました。周りへの気遣い、現場での居方、演技に対する姿勢を学ぶことができたので、感謝していて、仲良くなれたのがすごくうれしかったです。

 

──青木さんと服部さんから見た伊礼さんについても教えてください。

 

青木 アカリは3人の中でも深いところまで落ちていく役柄なんです。その役への密接度がすごいというか。もちろん裏側で伊礼さん自身がすごく落ちているわけではなく、僕らとも仲良く話しているんですけど、絶対に役と切り離しちゃいけない譲れない部分があるんだろうなって感じました。

 

服部 現場ではしんどいシーンを見たことがなかったので、完成作品を観て「こんなの撮ってたんだ!」って驚きました。柚くんの言う通り、アカリの闇の部分を演じる上で、譲れない部分があるのは本当に感じました。

 

青木 集中力の高さを垣間見た気がします。伊礼さんの年齢の頃の⾃分とは全然違ったなと。「無理しないでね」と思ってしまうくらい。自分も見習うべきところだなと思いました。

 

服部 3人で仲良くするときはわいわい楽しくやっているので、切り替えがすごい。3回くらい印象が変わったギャップが多い子です。会う前はしっかりしたイメージが強く、実際に会うとめちゃめちゃ可愛く、今は可愛い部分はそのまま、ひょうきんで面白い子って印象(笑)。

 

伊礼 え、ひょうきん? 今、意味を調べてもいいですか(笑)。

 

──ひょうきんの自覚はないと(笑)。では服部さんはどんな人ですか?

 

青木 自分の意思をしっかり持っているんだなと、表情からも感じました。「原作に忠実に」ということを一番大事に演じていたのが印象的です。服部さんが過去に出演した作品も拝見していましたが、サクラはどの作品とも違う役柄でしたし、素はどんな感じなのだろうとも思いました。一番年下だけど、服部さんに引っぱってもらいながら自分も演じることができた気がします。

 

伊礼 とても頼っていたし、心の癒やしを樹咲に求めていた気がします。現場にいるだけですごく落ち着くし、映像になると画になるし。独特な空気をまとっていて、包んでくれるような優しさを持っている方です。年齢は一つ下なんですけどね。

 

服部 うれしいです! 柚くんが言ってくれた「どの作品とも違う役柄」っていうのは今回、自分ではあまり自信がないところだったので。

 

青木 リップサービス、リップサービス(笑)!

 

服部 うわー残念(笑)!

 

NewJeans、BMSGからスイーツまで。10~20代が熱く語るモノ

 

──撮影中に流行っていたモノ・コトなどありましたか?

 

青木 NewJeansじゃない?(※韓国の5人組ガールズグループ)

 

服部 現場で踊っていたね。

 

伊礼 衣装がNewJeansに似ていて。撮影場所の雰囲気もエモくて、画になるところだったから「なんか踊りたくなっちゃうよね」って。

 

青木 その踊っている姿を見て、ひょうきんだなって思った(笑)。白い衣装と、病院の屋上のちょっと緑赤がかった照明を見て「NewJeansぽくない?」って。

 

──現場がNewJeansのミュージックビデオみたいだったんですね。

 

服部 そう、MVごっこしていました。

 

青木 韓国語も流行ったね。

 

伊礼 樹咲が喋れるんです。それに憧れて、喋れるようになりたいねって。

 

服部 ちょっとずつ教えました(笑)。韓ドラがすごく好きで、1年間ずっと見つづけていたらわかるようになりました。

 

青木 撮影が終わるまでにペラペラになるんじゃないかと言っていたけれど、全然ならなかったです(笑)。

 

──GetNavi webということで、今皆さんがハマっているモノも教えてください。

 

伊礼 ドーナツ! 2人におすすめのドーナツ屋さんを調べてきました! 2人は私よりも甘いモノを食べないタイプなので、甘さ控えめでパンに近い、でもちゃんとドーナツっていう、麻布十番にある「ダンボドーナツ」をおすすめします。

 

──美味しいドーナツは、インターネットで調べるんですか?

 

伊礼 はい。調べて実際に行って食べて、レポートを書いてます。私しか見られないですけど(笑)。

 

青木 えっ、それはお仕事に繋がるんじゃない?

 

伊礼 本にできるくらい食べに行きたいですね。甘いものを手で食べられるのが一番の幸福! 輪っかの真ん中に達する瞬間が一番好きで、そのためにドーナツを食べています。

 

──青木さんと服部さんはいかがですか? 趣味でも!

 

服部 趣味ほどではないけれど、最近始めたのは、おからパウダーで作る蒸しパン。タッパーにおからパウダーと卵、牛乳を入れてチンすればできます。それだけだと味がないから、焼いたお肉や野菜を上に乗せて食べています。

 

伊礼 体に良いコトしてる!

 

服部 手間がかかるから暴食防止になるし、ヘルシーでボリュームもあるんです。作り方はYouTubeで知りました。ダイエット系のパンレシピを上げている方がいて、いろいろ種類があるんですよ。バナナと、自分で作った甘くないクリームを乗せて、ラップで包んで切って断面がきれいなサンドイッチも作りました。

 

青木 僕はBE:FIRSTが所属しているBMSGという事務所です。「Be MySelf Group」の略で、「⾃分が⾃分のまま輝ける場所」という意味もあって。グループはもちろん、同世代のラッパーやシンガー、デビューを控えているトレーニーもいるのですが、その全員が唯⼀無⼆の輝きを持っていて。提供楽曲でさえも、⾃分ゴトのように表現されている様が、脚本を演じる⾃分にとって刺激的で……。

 

伊礼 熱がすごい。本当にハマってるんだね。

 

青木 それぞれの⼈間性が反映された⾳楽がすごく魅⼒的なんです。俳優は⾃分を表現するというより、役と向き合って演じる存在だけど、アーティストは⾃分⾃⾝を表現することが多いじゃないですか。BMSG は「⾃分はこうありたいんだ」っていうものを強く⾒せてくれるんです。

 

──熱く箱推ししてるんですね。

 

青木 BMSG を観ていると「⾃分もこうありたい」と、強く思えるというか。演技をしていないときの、⽇常⽣活の⾃分も⼤事にしたいなと。⾃分を⽀える⼤きな柱の⼀つがBMSG なんです。

 

ドラマ『EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~』

DMM TV 11月3日(金)配信開始

 

【ドラマ『EVOL(イーヴォー)~しょぼ能力で、正義を滅ぼせ。~』よりシーン写真】

 

(STAFF&CAST)
監督:山岸聖太『正しいロックバンドの作り方』『もっと超越した所へ。』
出演:青木柚 伊礼姫奈 服部樹咲 金子ノブアキ 芋生悠 占部房子 西田尚美・石黒賢(特別出演)安田顕
原作:カネコアツシ『EVOL(イーヴォー)』(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
主題歌:Tempalay「Superman」(作詞、作曲:小原綾斗、編曲:Tempalay)

 

(STORY)
世の中に絶望し、自殺を図った3人の少年少女。病院で目を覚ますと彼らの身には、不思議な「異能力」が宿っていた。 その力は「ヒーロー」と呼ばれる、血統でのみ継がれる「正義の味方」しか持ち得ないはずのものだった──。

 

撮影/映美 取材・文/佐久間裕子