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2024/5/26 5:30

山下幸輝、若手検事役に裏設定「立ち姿やたたずまいはとにかくどしっと構えようと」『アンチヒーロー』インタビュー

長谷川博己さんが主演を務める日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)で、若手検事・菊池大輝役を演じる山下幸輝さんにインタビュー。初めての日曜劇場出演や共演者の印象などを聞いた。

『アンチヒーロー』菊池大輝役の山下幸輝©TBS

 

長谷川さんが演じるのは、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨正樹。「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、視聴者に“正義とは果たして何なのか?”“世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問いかける、前代未聞の逆転パラドックスエンターテイメントだ。

 

山下さん演じる菊池大輝は、伊達原(野村萬斎)と緑川(木村佳乃)の元で働く若手検事で、真相に迫る明墨たちを阻んでいく。

 

◆ここまで演じられての感想を教えてください。

こんなにもたくさんのベテランの方たちと対峙するお芝居が初めてなので、その空気感になじまないと、僕自身ちょっと押されてしまう瞬間もあって難しかったです。

 

◆山下さんが思う菊池はどんなキャラクターでしょうか? どんな役作りをされていますか?

僕自身よりも年齢が上の役を演じることが最近多くて、菊池も27、8歳という年齢で、作中には出てこないですが、東大卒という裏設定があります。それも踏まえて、立ち姿やたたずまいは、とにかくどしっと構えようと思ってやっています。

 

菊池は検察官として萬斎さん演じる伊達原の言葉が正義だと思っているので、それがたとえ悪だとしても「そこについていきます」と見えるようにこだわっています。

 

◆本作への出演で刺激を受けたことはありますか?

作品的にも専門用語だけでなく、せりふ量がすごく多いので、それに負けず、精神力を切らさないところ。僕自身、パンって切れてしまう瞬間があって、その中で皆さんは役に入り込んで集中されていて、その切れる瞬間がすごく少ない方たちばかりです。

 

◆具体的にどなたの姿勢に刺激を受けましたか?

法廷シーンでの明墨さん。長谷川さんのせりふ量がまず多いこともそうですが、一つ一つの言葉のパワーがすごいです。テンションもずっと明墨さんなので、それもすごいなと思います。

 

◆野村萬斎さんと対峙するシーンも多いですが、共演して感じたことはありますか?

萬斎さん演じる伊達原の目に、負けそうになることがあります。伊達原と対峙する中で、僕が目だけでお芝居をしなければならないときに、伊達原が目で訴えているような、目の奥は笑っていない感じがあって、そのパワーに菊池は耐えなければならないのですが、今のところ連敗です。僕も自分の持ち味として目の強さがあると思っているので、残りの撮影でなんとか勝ち越したいと思います。

 

◆本作への出演で反響の大きさを実感することはありますか?

俳優を始めて間もない、まだまだ走り続けないといけないぐらいのときに、この日曜劇場に出られるということがすごく光栄なことだなと思っています。お母さん世代の大人の方たちに声をかけられるようになりました。

 

◆ここまでの撮影を通して、印象深いシーンはどこでしょうか?

クランクインして初めての撮影が木村佳乃さんと2人で対峙してお芝居する3話のシーンだったのですが、めちゃくちゃ緊張しました。しかも、最初から菊池が本などをバーンと投げて、ちょっと上げていかないといけない芝居だったので、すごく印象に残っています。

 

あと、法廷のシーンでは、せりふ量が皆さん多いので、せりふを間違えても励まし合いながら、なんならちょっと盛り上がるぐらいの雰囲気の中で撮影が進んでいることも印象的です。撮影裏ではこういう感じなんだと作品とのギャップが伝わってきます。

 

◆どなたに励まされることが多いでしょうか?

木村さんが現場にいるだけで明るくなります。木村さんの「おはようございます」が太陽のようで、「今日も頑張れそう」というパワーをもらえるんです。今日も法廷のシーンを撮影していて、伊達原のせりふがすごく多くて、しかもセットなのでこもっていて暑いんです。その時に木村さんが小道具を使ってあおいでいて、それを後ろで見ていて、いいなと思いました。

 

◆法廷のシーンでは、北村匠海さん、堀田真由さんとも対峙されることがありますが、お2人とのエピソードはありますか?

初めての法廷シーンで、北村さんと堀田さんと一緒になりました。その日、すごく緊張しながら現場に入ったのですが、お2人が写真を撮ってくれたことで、僕の緊張もほぐれました。堀田さんは『よるのブランチ』で一緒に現場レポートをさせていただいたのですが、すごく落ち着いていて、でも雲のようにふわふわしている感じもあって、一緒にいて居心地がいいなと思いました。

 

◆年齢が近いお2人から何か刺激を受けたことはありますか?

今のところお2人とは法廷のシーンだけなんですけど、一緒になるときせりふを間違えている姿を見たことがないです。法廷ってなじみがないからアップアップしてくると思うんですけど、きちんと準備されて、自分の中に落としてお芝居されている姿にすごいなと思いました。

 

◆山下さんご自身は、法廷に立ってみていかがでしたか?

立ってないみたいです。本当に浮いていますもん(笑)。地に足をつけられるように頑張ります。

 

◆SNSでもかなり盛り上がる作品になっていますが、本作の魅力をどのように感じていますか?

このドラマ、めちゃくちゃ伏線を張っていくんですが、その全部を裏切っていくところが魅力だなと思います。SNSで視聴者の方がめちゃくちゃ考察して、「あれはこうだろう」「いや、こうだろう」みたいに盛り上がる中、本当はこれでしたというのがシンプルにエンターテイメントとしてめちゃくちゃ面白いなと思います。

 

◆そのちりばめられた伏線の中に、菊池も入ってきそうですか?

ガッツリ入ってきます。4話で伊達原さんに「ちょっと君、頼みたいことがあるんだけど」と言われたことで、バンバンに伏線が張られましたよね(笑)。ここから菊池がどんな動きするのか楽しみにしていてほしいです。

 

◆そんな考察にご自身が絡むシーンを撮影するときは、どういう気持ちですか?

してやったろうと思いながら撮影しています。視聴者さんが見て、「うわ、いいな」という芝居や演出を、自分で持っていけるようになりたいなと思います。1話で明墨さんがハリネズミのポーズをした時に、ギャップの面白い演出みたいなのをやりたいなと思って、菊池の役を広げていくようにできたらと思います。

 

◆“追いアンチ”もされている本作ですが、山下さん的にもう1度見てほしいシーンはありますか?

僕、1話がすごく好きなんです。最後の「病気をさらしてでも勝ちたいんです」みたいなところは本当にアンチが来ると思うんです。でも、そのときの長谷川さんの目と演出の流れが、「もうこれは成立ですね」と言わざるを得ないようにさせたことがすごいなと思ったので印象に残っていますし、大好きです。

 

◆本作への出演がご自身の役者人生においてどういう経験になりそうですか?

僕がお芝居を始めたこの短い中で、このタイミングで出演できたのがすごく光栄なことだなと思います。このタイミングだからこそめちゃくちゃ緊張するし、経験を積んでいても緊張するとは思いますが、今僕が感じているこの大緊張とはまた違う緊張感だと思うので。今、経験できていることがすごいなと思うので、これを糧にしてこれからもお芝居したいなと思いますし、僕にとって特別な作品になりました。

 

◆最後にメッセージをお願いします。

これから菊池がこそこそと動いていて、次か次の次ぐらいにぐわーと動くところがあるので、ぜひ菊池のことを見守っていてください。そして、シンプルにドラマを楽しんでほしいです。僕も毎週放送を楽しみにしているぐらい、裏切りと伏線と、明墨さんの言葉を楽しんでほしいなと思います。

 

PROFILE

山下幸輝

●やました・こうき…2001年11月7日生まれ。大阪府出身。B型。

 

番組情報

日曜劇場『アンチヒーロー』

TBS系

毎週日曜 午後9時~9時54分

 

<配信>

◆Netflix 世界配信

日本国内配信中

その後、海外にて順次配信を予定

 

◆U-NEXT Paraviコーナー

各話初回放送直後配信

 

◆TVer・TBS FREE

各話初回放送終了直後から最新話を無料配信

 

<キャスト>

長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎 ほか

 

<スタッフ>

プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵

演出:田中健太、宮崎陽平、嶋田広野

脚本:山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平

音楽:梶浦由記、寺田志保

主題歌:milet「hanataba」(ソニー・ミュージックレーベルズ)

 

番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antihero_tbs/

番組公式X(旧Twitter)&Instagram:@antihero_tbs

 

©TBS