エンタメ
2024/9/19 6:30

ABEMAアナウンサー・瀧山あかねインタビュー「ABEMAならではのリアルタイムで届く応援コメントを励み」に道なき道を突き進む!

番組MCからグラビアまで完璧にこなす才色兼備──。いわゆる世間一般のアナウンサー像とは一風変わったキャリアをひた走るのがABEMAアナウンサーの瀧山あかねさんだ。レース番組で“予想屋”としての才能も開花させながら人気格闘技番組で体当たりレポートを敢行! 会社員7年目も道なき道を開拓中だ!!

 

瀧山あかね●たきやま・あかね…1994年5月10日生まれ。兵庫県出身。ABEMA専属アナウンサー。XInstagram

【瀧山あかねさん撮り下ろし写真】

 

緻密にレース展開を予想して車券を購入! 万車券を的中させた実績アリ

──競輪、ボートレース、格闘技、メジャーリーグと担当番組が多岐に渡ります。ABEMAアナウンサーになる前から希望していたジャンルなのですか?

 

瀧山 最初はニュース原稿を読みたくて報道志望でした。アナウンサーを夢見て就職活動をしていた頃には思ってもみなかった領域の仕事ばかり。今年スタートした「チャンス学校チェンジ科」というバラエティ番組ではキャストの皆さんに交じってミニスカ制服の衣装まで着させていただいています。まさか制服を着る機会に巡り合えるなんて(笑)。

 

──バッチリ着こなされていましたね! ふり幅の広い担当番組の中でも「WINTICKET ミッドナイト競輪」は6年目に突入しました。もともと入社前から競輪やボートレースなどの公営ギャンブルに興味はあったんですか?

 

瀧山 全くありませんでした。2回ほど競馬の大きいレースを観戦した記憶があるぐらいで、多分関西の競馬場だと思うんですがどこに行ったのかも定かではありません。それぐらい関心が薄かったと思います。

 

──え!? では、ゼロからのスタートとなると最初はかなり苦労したんじゃ……。

 

瀧山 とにかく勉強の毎日でした。それこそ、最初はレース情報が載っている新聞の読み方も分かりませんでしたからね。番組制作にもかかわっている「分析のマサさん」という師匠に車券の買い方などのイロハを教わったり、何度も(競輪)場に足を運んだりと必死でした。競輪は毎日のように生放送があるだけに番組に出演しながら場数をこなすことができたのが幸いでした。また、視聴者の皆さんにも詳しい方がたくさんいらっしゃるのでコメントでご教示いただくことも。私も「間違っていたら指摘してください」なんてお願いしてました(笑)。振り返ると、皆さん本当に温かい目で成長を見守ってくださりました。

 

──どのくらいのタイミングでズブの初心者から抜け出せたのですか?

 

瀧山 番組を担当してから半年ぐらい経過した時期でしょうか。知識も身についてきてレースを楽しめるようになっていました。特に自分の予想が的中する喜びを覚えてからはどんどんのめり込んでいきましたね。

 

──失礼ながら、山カンで予想しているわけでは?

 

瀧山 ちゃんとレース展開を考えながら予想しますよ!「スタートからゴールまでどういう展開になるかを考えるのが醍醐味」と師匠から徹底的に叩き込まれました。正直、最初はその言葉の真意をちゃんと咀嚼できていませんでしたが、今では私なりに意味を理解しているつもりです。予想を外してレースを振り返るたびに思うことなんですが、ゴール前まででも展開を的中させていれば、それはもう“当たり”に等しいと自分の中で納得するようにしています。そのおかげで番組でもレース展開を提示した上で予想を発表できるようになりました。今では、視聴者の皆さんからのコメントで「その展開もあるね」と褒めていただけるぐらいまでに成長できました。“予想屋”として場に私の予想を掲示していただくこともあります。

 

──なんと責任重大な大役!

 

瀧山 過去には番組中に万車券を的中したこともあります。もちろん、外してしまうこともありますが、応援選手をブレブレにしなければそこまでハレーションも起きません(笑)。ちなみに、ついこの間も番組中に100円で買った車券が7000円になったばかり。番組に出演するたびに全レースを買うようにしています。「WINTICKET 」のアプリがあればどこでも買えますからね。

 

──時にはスタジオを飛び出して競輪場でロケをすることもあると思います。お気に入りのスポットを教えてください。

 

瀧山 最初に行った京王閣競輪場は思い出深い場所です。そこで食べたビールと煮込みの食べ合わせが最高過ぎて忘れられません~! あと、とにかく都心からのアクセスが良いのでふらっと行けるのも◎。映像で見るのも悪くないんですが、場でレースを見ながらアプリで買うのをオススメします。実際にレースを目にしてみると想像よりもスピードが速くて、選手たちが命を懸けて戦っている姿に感動すると思います。時速60km以上出ているんですよ! 原動機付自転車よりも速いだけに音もすごい。その迫力は一見の価値アリです。

 

──競輪だけでなくボートレースの番組にも出演されています。こちらは別の師匠に習ったんですか?

 

瀧山 スタッフさんに教えてもらいつつ、番組を担当しながら独学の部分もあります。競輪を数年見てきた経験があったので、なんとなくの展開予想ができるようになるまでに時間はかかりませんでした。そのうえで競輪とボートの違いを勉強しました。

 

──素人ながら恐縮なのですが‥‥、ボートはインを軸に買えば間違いないのでしょうか?

 

瀧山 確かにインが来る確立は約50%なので固いと思います。ただ、残りの50%でイン以外が来るのが悩ましいところ。高額の払戻金が期待できるだけにイン以外で展開を組み立てる人も少なくありません。もちろん、ケースバイケースですが、ボート初心者であれば、インを軸にしてガチガチに固い舟券を買うのをお勧めします。やっぱり、当たる喜びを感じて欲しいです。

 

ファースト写真集のきっかけはインスタのDMだった

──「BreakingDown」シリーズのリポーターや今年7月にも「超RIZIN.3」の事前特番など格闘技イベントの配信にも出演されています。ピリついた現場に恐怖を覚えないんですか?

 

瀧山 とても怖いです(笑)。ですが、実際に接してみると根っこの部分は優しい人たちが多い印象です。なんだかんだ取材にもちゃんと対応してくれますし、緊張感のある試合前でも視聴者の皆さんが盛り上がるようなコメントを言ってくれますし……。

 

──とはいえ、取材直前の選手から話を聞くのは大変そうです。

 

瀧山 とにかく低姿勢に「すみません……、私も今聞くべきじゃないと思うんですけど……」というスタンスでマイクを向けています。あと、「生放送中なので……」と敢えて伝えるようにしています。さすがに選手たちも生放送なら「何か言うか」となってくださると思うので。とにかくなんとか対応してもらうのに必死です。

 

──それでも、選手たちのコメントを拾えるのは瀧山さんしかいません。

 

瀧山 そうなんです。視聴者の皆さんは試合前の緊迫した表情を見たいと思うのでやるしかありません。でも、集中力を切らしてパフォーマンスが落ちでもしたら責任重大です。6月の「BreakingDown12」でもラッパーのSATORUさんに直撃した時に怒鳴られて泣きそうになりました(笑)。

 

──その模様はネットニュースにもなっていました。まさしく完全にガチなんですね。

 

瀧山 はい! カメラの回っていないところで喧嘩が始まることも珍しくありません。いつも誰かしらが止められているのが常です。ちなみに現場は演者の女性が私1人しかいないこともしばしば。一応、対戦前の「一服の清涼剤」として起用していただいていると理解しています(笑)。熱気に包まれた選手たちのボルテージ、多少ですが和らげるポジションなのかと。

 

──では、ストレートに聞いちゃいます! 格闘技をしている男性はお好きですか?

 

瀧山 はい! 昔から強い男性がタイプなんです。その思いが番組を通してより強くなりました。筋肉を肥大化させたマッチョもいいですが、筋肉の付いたボクサーのような体つきの方が好きです。ちなみに、父も身長が180cm以上ある影響で背の高い人に惹かれてしまいます。

 

──男友達も多そうですね。

 

瀧山 担当しているコンテンツが男性向けなので話が合うのがどうしても男性ばかりになります。同年代の女子の趣味とはかけ離れているのか、私ばかりが熱弁してしまいます。結局、美容談義の方が盛り上がります。世の中には格闘技が好きな女子も増えているので、もっと広げていきたいです。

 

──休日はどのように過ごされるんですか?

 

瀧山 お酒が大好きなので飲みに出かける日も多いです。だいたい渋谷、恵比寿、中目黒、広尾あたりに出没しています。時間さえ許せば、昼から12時間ぐらいぶっ通しで飲んでいる日もあるほど(笑)。それでも、ビールは1杯までというルールは設けています。体形を少しでもキープしたくて……。2杯目からは麦焼酎やハイボールに切りかえます。

 

──スナックにもよく行かれると聞きました。

 

瀧山 どこかノスタルジックな雰囲気が好きなんです。そして、おしゃべり上手なママの存在も魅力の1つ。どの店に行っても聞き上手なママに心を開いてしまう自分がいます。あと、実家で出てくるおかずのようなおつまみが食べられるのもいい!

 

──スナックでは何を歌うんですか?

 

瀧山 昭和の歌謡曲が多いですね。松田聖子さん、森高千里さん、中森明菜さんをよく歌っています。よく両親が聴いているのを耳にしていて、いつの間にか私も歌えるようになっていました。とにかく周囲とワイワイ楽しむのが◎。一期一会の出会いを楽しむのも好きですし、よく行く常連の店もあります。

 

──ファンの人と鉢合わせしそうなものですが……。

 

瀧山 格闘技の番組を見ている方に声をかけられたことはあります。飲んで歌ってワイワイした小休止に「瀧山あかねに似てない?」と聞かれるパターンが数回ほど。包み隠さずに「すみません、多分その瀧山です(笑)」と名乗っています。

 

──ということは、もしもスナックで瀧山さんを見かけたら話しかけてもいいってこと?

 

瀧山 もちろんです! みんなで楽しむ社交場ですからね!!

 

──お酒はワイワイ飲むのが好きなんですか?

 

瀧山 はい! でも、家でしっぽり“1人酒”の日もあります。一応、毎日飲まないように努力しているつもりですが、冷蔵庫の中にある酎ハイや日本酒の誘惑に負けてしまいます。仕事終わりに終電間際の電車で帰ってきて、近所のコンビニで買ったタコや貝のおつまみで晩酌をしています。

 

──それにしても、たくさんのお酒を飲んでいるのにスタイルを維持できるのは不思議です。

 

瀧山 私の母は「お酒は飲み物だから太らない」という格言を残しています。でも、その言葉には「おつまみで何を食べるかの方が重要」という続きがあります。要は「酒を飲むなら揚げ物や炭水化物みたいな高カロリーは控えろ」という意味。なるべくお刺し身をはじめとする低カロリーのものを選ぶようにしています。繰り返しになりますが、ビールも1杯までで我慢しています。

 

──でも、ロケで訪れる競輪場には揚げ物の誘惑がありますよね。

 

瀧山 カメラに映る場合はもちろん食べますが、収録前だと「知っている味だから今食べなくていいよな」と自らを律するようにしています。もし、金輪際食べられないものなら食べるべきですが、いつでも食べられる見知った味ならば「また今度でもOK」だと自分に言い聞かせています。もちろん、見知った味だからこそ食べたくなるものなんですけどね。やっぱり、カレーの匂いがしたらカレーを食べたくなりますよね? いずれにしても、お酒を飲むならごはんを我慢するしかありません。

 

──そんな“節制生活”で磨かれたボディは昨年出版したファースト写真集「あかねのね」(宝島社)でも披露されました。どのような経緯で写真集への道が切り開かれたのでしょうか?

 

瀧山 昨年5月に「週刊プレイボーイ」(集英社)のグラビアに出させてもらったのがきっかけです。週プレの編集長さんが私のInstagramに「グラビアに出ませんか?」とDMを下さって……。

 

──え、DMでオファーとは!?

 

瀧山 どうも、ABEMAで放送した「2022 FIFAワールドカップ」の中継を担当した姿を見ていただいたらしく。でも、最初は半信半疑でした(笑)。まさかインスタのDMでグラビアのオファーが来るなんて思わないじゃないですか? でも、このチャンスを逃すのも悔しかったので室長経由で連絡を取ってもらって、そのまま週プレで表紙を飾らせていただくことになりました。それを見た宝島社さんから写真集のオファーをいただいたという流れです。週プレの編集長さんが私を発掘しなかったら実現しなかっただけに感謝しかありません。

 

──さすがに家族も驚いたのでは?

 

瀧山 それが、めちゃくちゃ喜んでくれました。母と叔母と私の妹とその旦那はお渡し会にまで来てくれて。東京会場で妹とその旦那、大阪会場で母と叔母がいて不思議な感覚でした。そもそも両親は私の出演している番組は全部チェックしてくれる“あかねウォッチャー”。とりわけ、父は競輪を見ながら寝落ちするぐらい熱心にチェックしてくれているみたいです。そういえば、写真集の広告が掲載された新聞まで買ってくれましたね(笑)。

 

「タクシーの車内CM」に出演中の人気フリーアナがベンチマーク!?

──ABEMAアナウンサーに就任する前には就職活動でフジテレビの最終面接で落ちてしまったと。

 

瀧山 あの時は人生で一番落ち込みました。ただ、合格した女性アナウンサーは素人目にも印象に残っていたので「そうだよな」と納得の結果ではありました。今でも活躍が刺激になっています。

 

──アナウンサー試験は全国受けたんですか?

 

瀧山 キー局だけでした。就活の軸が「東京で働く」でした。当時の私は大阪でやれることはやり切ったと思っていて、日本で一番人が集まる東京で“結果”を残したいという一心でした。とにかく自分がどれだけできるのかを試してみたかったんです。

 

──すでに爪痕は残せましたか?

 

瀧山 いえいえ(笑)。まだまだですが、少なくとも自分の選択は正解だったと思います。ABEMAに入社したことも上京したことも後悔はないです。むしろ、いろいろなことにチャレンジさせてもらえる風土に感謝以外の言葉がありません。一方で、ABEMAの専属アナウンサーの1期生としてやっていくのに全く不安がなかったわけではありません。というのも、最初こそ系列のテレビ朝日と一緒に研修を受けましたが、その後のキャリアパスは全くありませんでした。それでも、番組のチャンネル数が多いので成長する機会には恵まれていたと思います。まだまだ道すがらではありますが、なんとなく私なりの道筋は作れたのかなと思います。

 

──同期とも“現在地”について話をしますか?

 

瀧山 たまに西澤由夏さんや藤田かんなさんには「ここまで室長と合わせて4人だけでやってきたのってすごいと思わない!?」という話をします。私が落ち込んでいる時にかけていただいた言葉です。

 

──とても落ち込むようには見えません!

 

瀧山 よく言われます(笑)。でも、意外と落ち込むタイプなんです。仕事で失敗したら「もう消えたい……」と弱音を吐いてばかりで……。振り返ってみると大したことではないんですが、その渦中にいるうちはブルーな気持ちに苛まれています。なんとか寝酒などでストレス解消していますが、自分だけでは抱えられないと同期に相談するようにしています。なるべく自己解決したい性分ではあるんですけど。

 

──最近は局アナがフリーに転身することも少なくありません。

 

瀧山 純粋にすごいと思います。毎年、2~3人しか合格できないほど狭き門であるテレビ局のアナウンサーの地位を捨てて、次のステップに進むのには勇気がいることですし。とても、私にはできないことなので尊敬しかありません。

 

──会社の枠を超えて挑戦したいお仕事はありますか?

 

瀧山 過去に出演させていただいたことはありますが、もう一度タクシーの車内CMに出たいです。よく森 香澄さんが出てくるじゃないですか? よく目にするだけに森さんは「売れっ子なんだな……」としみじみ思うわけですよ。

 

──やはり、森さんは意識されるんですか?

 

瀧山 畏れ多いですが(笑)。バラエティやグラビアで活躍されている姿を見ていると少し路線が似ていると勝手ながらに思っています。テレビ東京に在籍していた時代から「ベンチマーク」として一挙手一投足をチェックさせていただいていました。

 

──瀧山さんもバラエティ番組を中心に「歴代彼氏は経営者」「目標年収は4桁」などの“ぶっちゃけキャラ”としてのポジションを確立しています。

 

瀧山 幸運なことに番組のプロデューサーが面白がってくれています。初めこそ恐る恐る口にしていた部分もあったんですが、「面白いからどんどん言った方がいい」と背中を押してくださって。私も「なんでもOK」のスタンスなので驚くぐらいカットされません(笑)。アナウンス室のチェックもおおらかなのでしょうね。いずれにしても、会社が私のキャラクターを全肯定してくれるのは感謝です。

 

──今後の目標について聞かせてください。

 

瀧山 とにかくアナウンサーを続けるのが第一。その枠の中でできることを増やしていきたい。例えば、東京ガールズコレクションのMC。TGCや関西コレクションのMCに抜擢されるアナウンサーは話す能力はもとよりタレント力にも優れた方が多い印象です。9月7日に開催されたTGCも元テレ東の鷲見玲奈さんがMCを務めていましたよね。それをABEMAの専属アナウンサーとして担当したいです。

 

──あくまでもABEMA専属にこだわる?

 

瀧山 会社に感謝の気持ちがあるので、これからも恩返ししていきたいです。それに、ABEMAならではのリアルタイムで届く視聴者のコメントに救われているんです。リアルタイムで届く応援コメントが励みになりますし、ちょっとした間が空いたタイミングにコメントを読むことで何度場をつないできたことか。もし、ABEMAを卒業してもコメントなしの生放送は考えられません。

 

 

撮影・構成/丸山剛史 執筆/多嶋正大