ファッション
ホン・モノ・ケイカク
2017/1/28 16:00

飾り気のなさが引き出すイタリア革の魅力――「トスカーナレザー・ボディバッグ」はシンプルゆえに味わい深い!

必要最低限のアイテムを持ち歩くのに適したバッグ、というと、どういうものを思い浮かべるだろう? ヒップバッグ? デイパック? クラッチバッグ? なかでも近年流行りのボディバッグ、という人にぜひ見て欲しいのが、この「トスカーナレザー・ボディバッグ」だ。

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バッグに何を求めるか?

筆者は出先で必要になりそうなアイテムはとりあえず持って行きたくなる性格で、仕事や旅行に使うバッグは「容量が命!」みたいな観点で選ぶことが多い。取り回しの容易さやデザインが同じくらい素敵なバッグがあったなら、荷物がよりたくさん入るほうを選ぶ傾向がある。

 

そして使用時には、いつもぱんぱんになってしまう…。

 

聞けばこれは兄弟姉妹のいちばん上、第一子によく見られる傾向だそうだ。真実かどうかはさておき、確かに私は2人兄妹の上ではある。

 

そんな筆者でも、というか、そういう意識があるからこそ、プライベートでは持ち歩くアイテムを絞り、あえて小さなバッグで出かけたりもする。その場合、選ぶバッグは、ボディバッグやスリングバッグなどと呼ばれるワンショルダーのものが多い。

 

両手がフリーになるほうが便利ではあるが、ショルダーバッグは大袈裟すぎるし、頻繁に荷物を出し入れするワケではないので、トートバッグほどルーズである必要もない。身体にぴったりと寄り添うので、より身軽なフィーリングが味わえるのもいい。ボディバッグを選ぶのは、そんな理由。

 

ビジネス系のバッグだと、ここにはこれ、あそこにはあれ、と、用途を細かく想定した内ポケットがたくさんついたようなバッグが多い。そんなノリで作られたボディバッグもあるにはあるが、用途を細かく想定しすぎた特殊なカタチのポケットは「それ」を使わないときには無用の長物。意外と実用面での利便性に貢献しない。もとより荷物を絞ったときに使うバッグであるのなら、極力シンプルな作りであることは、大きなメリットに繋がる。

 

前置きが長くなったが、トーテムリボー(Totem Re Vooo)が手がけるこの「トスカーナレザー・ボディバッグ」は、まさにその磨きを掛けたシンプルさこそが魅力のボディバッグなのだ。

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↑「トーテムリボー」は、鞄の聖地と言われる豊岡の老舗バッグメーカーが2015年12月に立ち上げたファクトリーブランド。同社が1年に作るバッグの数は、なんと数十万個。技術力の高さ、引き出しの多さも折り紙付きだ

 

飾り気のなさが引き出すトスカーナレザーの魅力

このバッグを手に取って真っ先に感じるのは、メイン素材として使われている、トスカーナレザーの深みのある色合いであり、極上の艶であり、滑らかな肌触りだ。

 

飾りの少ないシンプルなデザインは、結果的に広い“面”を生む。それがイタリア・トスカーナに続く老舗タンナー「ブレターニャ社」の手によって丁寧になめされたこの素材の持ち味を、強烈にアピールしている。天然皮革という素材に心惹かれる人ならば、まずこの質感だけで納得できるものを感じるだろう。

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↑「トスカーナレザー・ボディバッグ」はネイビーとブラウンの2色で展開している。こちらはブラウン。トスカーナレザーの魅力が味わえる“面”の広さこそが、この製品の持ち味

 

タウンユースがメインであるボディバッグの場合、カジュアルに過ぎるものが少なくないが、この「トスカーナレザー・ボディバッグ」がシンプルなデザインと素材感を持って醸し出しているのは「上品さ」だ。そしてこの上品さは、ユーザーが若くても、そうでなくとも、スタイルがラフでも、ちょっと落ち着いたジャケットにあわせても、それぞれでサマになる「懐の広さ」でもある。

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↑ブランドロゴが刻印されたトスカーナレザーとメタルのプレートに、レーザーで自分の名前を刻むことができ、高級感を醸し出すのに一役買っている

 

誤解のないように言っておくが、デザインがシンプルであるとは言っても、使い手のことが考えられていないわけではない。ポケットは、おもてと内側に、ひとつずつ。おもてのものはマグネットボタンが配されたストラップが被せられていて、出し入れのしやすさを確保しながらも脱落防止の工夫も同時に実現している。内ポケットの入り口にはファスナーが斜めに置かれ、見た目のアクセントを演出するとともに、中身の飛散を防止する。

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↑表面にはポケットがひとつ。ストラップはマグネット式のボタンで留められているので、アイテムの出し入れを阻害することはない

 

メインの荷室へつながる開口部はU字を描き、大きく開く。もちろんタブはダブルで、それぞれにメイン素材と同色、同素材の大きな持ち手が設えられ、荷物の出し入れはとてもやりやすい。ちなみにメインの荷室の大きさは、カバー込みで13cm×22センチの8インチのタブレット端末が余裕で入り、平均して7cm程度の厚みも有している。詰め込もうと思えばけっこう無理ができる、というのも、革素材で作られたバッグの強み。

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↑サングラス、8インチのタブレット端末、あまりコンパクトでないコンパクトデジカメを入れてみたが、この余裕。小ぶりに見えても必要にして十分な容量は確保されているのだ

 

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↑ものを詰め込んでしまうと若干、アクセスしづらいが、内側にはポケットがひとつ。斜めに切られた開口部。ファスナーは革素材で囲われ、ここでも補強の工夫が質感の向上に貢献している

しばらく使ってみて、思った以上に便利と感じたのが、上部に取り付けられたハンドル。バッグをひょいと手に取るとき、あるいは、中身を出し入れする際に、これがけっこう重宝するのだ。

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↑バッグ上部には大きめのハンドルが取り付けられている。補強のためのステッチがデザイン上のアクセントにもなっている点がニクい。このハンドルは使いやすさにけっこう貢献していて、個人的にかなり気に入っているポイント。ストラップをD環に取り付けている部分、革素材が肉盛りされている点にも注目して欲しい。こうした細かな細工が所有欲を満たしてくれるのだ

 

バッグ全体を見れば、ボディバッグとしては、若干、小ぶりかな?というサイズ感。本来はパスポートやデジカメ、サングラス、財布などを入れたりと、旅先で使うことを想定したバッグだそうだ。確かにそういったアイテムを収納するには効率のよい大きさ。機内に持ち込んだりも気軽にできるだろう。

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↑背面にはクッション素材を棒状に盛ったメッシュ素材を配している。通気性には二重の配慮がなされている、ということ。ストラップは左右両対応。好みに応じて装着位置を選ぶことができる

 

革素材ならではのエイジングを楽しもう

前述したように、この「トスカーナレザー・ボディバッグ」は懐の広いバッグだと思う。使う人も、使う局面も、ほとんど限定されることがないのではないか。旅先だけ、なんて決め込まず、思う存分、使い倒して欲しい。トスカーナレザーは、いっしょに過ごす時間とともにその風合いを変え、使う人それぞれに応じた顔を見せてくれるようになるだろう。

 

革が味のある経年変化をしていくエイジングもまた、革素材を存分に使った製品を手にする楽しみのひとつ。このバッグでは、それが存分に味わえるはずだ。

 

【主な仕様】
●サイズ W160 × H340 × D90mm ●ハンドル立ち上がり40㎜・ショルダーストラップ調整幅660~1050㎜ ●重さ 560g ●価格 37,260円(税込) ●カラー ネイビー、ブラウン

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