2017年の新作を語るうえで欠かせないのが復刻時計。今年のバーゼルを見ても各ブランドがこぞって復刻モデルを発表しています。歴史あるブランドの黄金期を支えた名機はどのように進化を遂げたのか、今回は1960年代に誕生した50年モノの復刻モデルを取り上げます。
「失われた20年」を取り戻す動きが活発化
1960年代、腕時計“黄金期”を経て“転換期”に突入したこの時代に開発された多くの製品は、本来ならロングセラー間違いなしのはずでした。それにも関わらず、1970年代から1990年代まではクオーツ時計の台頭により、継続的な進化をしないまま製造中断を余儀なくされてしまいます。こうした〝発展途上〞にあった歴史的名作が、約50年ぶりに復活。止まっていた時が、再び動きはじめています。
タグ・ホイヤー
オウタヴィア ホイヤー02
クロノグラフ
1962年に誕生し、1980年代まで様々なデザインで作られたオウタヴィア。1966年設計の「リント」モデルをモチーフにした本機は、世界中のファンによるネット投票を経て復活しました。垂直クラッチを採用した最新型のCal.ホイヤー02を搭載し、精
緻を極めた動きがシースルーバックから確認できます。
グランドセイコー
初代グランドセイコー
リミテッドコレクション2017
「復刻デザイン」
1970年代から1990年代にかけて、グランドセイコーの機械式時計は製造が中断していました。本機は1960年に国産機械式時計の最高峰として誕生した初代機を忠実に復刻した一本。ケースバックには誕生年にちなんだ世界限定1960本までのシリアルナンバーを印字されており、その中央には獅子の紋章のゴールドメダリオンがセットされています。
ロレックス
オイスター パーペチュアル
シードゥエラー
1967年に誕生した深海作業用ダイバーズウオッチが、50年を経て進化。直径が43㎜に拡大し、デイトにはサイクロップレンズが初採用されました。モデル名表記は、今もコレクターに絶大な人気がある赤文字仕様となっています。
ブローバ
アーカイブシリーズ
クロノグラフC
1960年代にNASAからの要請を受け、1年間だけ製作された幻のクロノグラフをリバイバル。ドーム型ガラスを備えた、直径46㎜の大型ケースが個性を主張します。メッシュブレスに加え、ブルーレザーストラップも付属。
ハミルトン
イントラマティック 68
オートクロノ
1968年発表の「クロノグラフB」からインスピレーションを得た世界限定1968本の本機。モノクロ基調の逆パンダダイアルや、突き出した丸型プッシュボタンがビンテージ感を創出しています。
ファーブル・ルーバ
ビバーク 9000
機械式時計で初めて9000mまでの高度計測に対応した一本。そのルーツは、高度計と気圧計の役割を兼ね備えたアネロイド気圧計を世界初搭載した1962年発売の同名モデルからきています。双方向回転ベゼルは陽極酸化アルミ製。
ゾディアック
スーパーシーウルフ53
コンプレッション
1953年発表の本格ダイバーズウオッチ「ゾディアック シーウルフ」の1960年代デザインを復刻したこちらは世界限定82本。ミネラルクリスタルで覆われたライトブルーのベゼルが個性を主張しています。搭載ムーブメントはフォッシル製で、COSC認定クロノメーター仕様。直径は40㎜と現代的なサイズになっています。