ファッション
2016/4/6 19:36

【バーゼルワールド2016レポート】 今年も世界に見せつけたジャパンブランドの本気

世界最大の時計見本市であるバーゼルワールドは、開催地からもわかるようにスイスを製造拠点にするブランドが大半を占めています。その中で、セイコー、シチズン、カシオは毎年、日本代表として出展してきました。3社とも世界でも珍しい生粋のマニュファクチュールであり、世界でも類を見ない時計を開発してきた経緯があって海外からも注目を集めています。日本の技術が詰まったバーゼルワールド2016発表作を見てみましょう。

 

日本の技術を駆使した三社三様の意欲作が登場

現在、3社がしのぎを削るGPSソーラーウオッチですが、世界に先駆けて開発したのはセイコーです。同社は、本格仕様のモデルが揃う「プロスペックス」ブランドから初めてGPSソーラーウオッチを発表しました。その名も「マリーンマスター オーシャンクルーザー GPSソーラー」。海洋冒険家の白石康次郎さんを開発アドバイザーに迎え、満を持しての発表です。あらゆる時差をまたぎながら競い合う外洋レースでもGPS機能でローカルタイムを瞬時に把握。大会本部があるホームタイムも同時にわかるデュアルタイム表示となっています。ケースは、ロープなどが引っかからないよう独特の台形にデザイン。視認性が高く、まさに海の男のための時計となっています。

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「マリーンマスター オーシャンクルーザー GPSソーラー」25万円(+税)、7月8日発売、チタンケース(セラミックスベゼル)。サイズ:直径48.5mm(厚さ14.7mm)。20気圧防水

 

GPSソーラーウオッチつながりで次は、日本が世界に誇る耐衝撃ウオッチG-SHOCKを生み出したカシオの新作。G-SHOCKの最上位となるMR-Gにスペシャルな仕上げを施した限定モデルが登場しました。こちらは動画でどうぞ。

「MRG-G1000HT」70万円(+税)、6月発売予定、チタンケース、サイズ:縦54.7×横49.8mm(厚さ16.9mm)。20気圧防水

 

MR-G誕生20周年の節目に発表された「MRG-G1000HT」は、日本の伝統技術である鎚起(ついき)によってチタン製のベゼルとブレスコマを仕上げた限定モデル。英語でハンマートーンというそうですが、一本一本を職人が手作業で作るとのこと。職人さんに直接うかがったわけではないですが、チタンを叩くのはきっと初めてだったのではないでしょうか。ビスやボタンは甲冑や伝統工芸品に見られる銅(あかがね)が使われています。ちなみに、カシオのGPSソーラーは、GPS衛星と標準電波の両方の時刻情報を受信するハイブリッド方式です。

 

最後のシチズンですが、これがスゴい! 「エコ・ドライブ」とは、同社の光発電の呼称ですが、それをわずか1mmという厚さのムーブメントに組み込みました。

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「エコ・ドライブ  ワン」30万円(+税)、今秋発売予定、SSケース(サーメットベゼル)。サイズ:直径39.8mm(厚さ2.98mm)

 

ベゼルに使われているサーメットとは、セラミックスとメタルを合わせた造語で、セラミックスの特性である耐熱性や耐摩耗性と、金属の特性である靭性を兼ね備えた素材です。ここまで薄くなると強度が問題となるわけですが、素材自体を見直すことでクリアしたわけです。これぞ日本の技術といえる時計でしょう。

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エコ・ドライブ ワンのムーブメント。ジャスト1.00mmの超薄型ムーブメントは85個の部品で構成されています。既存の技術をゼロベースで開発し直すことで規格外の薄さを達成しました