2016年1月に開催されたSIHHで注目を集めたIWCのNEWパイロット・ウォッチが、徐々に日本の正規店にも入荷してきています。この話題作を、さっそく試用しました。飛行士にとって、時刻表示の判読性は死活問題。よりシンプルなデザインに生まれ変わった新世代機の実力を見極めます。
直径40mmに小型化するも文字盤は読みやすくなった
もっとも機能とデザインが絞り込まれたパイロット・ウォッチは、IWCのエントリーモデルとして根強い人気がある大定番。新作ではマークXVIIIという新世代になりました。先代機では、日付を前後3日分表示する方式が採用されていましたが、本機では1日分の表示に戻りました。
文字盤は、5分刻みの目盛りを若干スリムにしつつ、その内周に12時位置のトライアングル・インデックスを収めるデザインに変更されました。ちなみになぜ三角マークがあるかというと、確実に時計の上下を見分けるため。高速飛行中、瞬時に時計の文字盤を読むために先人が考案した工夫です。
コックピットの磁場から機械を守るための軟鉄性インナーケースは引き続き採用。耐磁性を保ちながら、ケースの厚みは11mmに抑えられています。
ミッドナイトブルーの文字盤は、パイロットでもあった小説家のサン=テグジュペリの作品『星の王子さま』へのオマージュモデルとして採用されました。これまでになかった雰囲気が漂います。ケースバックにも、王子さまの姿が刻まれています。
ストラップには、イタリアのシューメーカー、サントーニ社がIWCのために特別に制作したカーフスキンストラップが付属。先ほどエントリーモデルとしましたが、実際はかなり上質な仕上がりです。
直径36mmの新しいサイズで新境地を開拓
パイロット・ウォッチというと、どうしても男性的なイメージになりがちですが、今年から加わった直径36mmのモデルは、女性にもオススメしたい一本。軟鉄性インナーケースや6気圧防止などのスペックは変わらず、ポリッシュ仕上げのケースとベゼルで輝きを加えています。
文字盤のカラバリはスレート、ブルー、シルバーメッキの3色。スレートとブルーの時分針には、メタルの縁取りが採用されていて、より光沢感が増しています。
ストラップは、こちらもサントーニ社製。ケースの厚みは10.5mmとなります。
クロノグラフも新世代仕様の文字盤に移行
パイロット・ウォッチ・クロノグラフも、日付表示が1日分の新世代文字盤に変わりました。
サイズやスペックについては先代機から変更はありません。ただ、コレクションを通じて言える変更ではありますが、ブレスレットが新しくなりました。
正面がヘアライン、サイドがポリッシュ仕上げの5連ブレスは、自分でサイズの微調整が可能なバックルを採用。より快適なフィット感が得られます。
ここで取り上げた以外にも、パイロット・ウォッチには画期的なワールドタイムウオッチのタイムゾーナーや、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ仕様、スピットファイア、トップガン、トップガン”ミラマー”など、多彩なモデルが発表されているので、ご自身の目でもチェックしてみてください。
パイロット・ウォッチ マークXVIII “プティ・プランス”
Ref.327004
52万9200円
【SPEC】 ムーブメント:自動巻き(Cal.30110)
機能:時・分・秒表示、日付表示
サイズ:直径40mm(厚さ11mm)
ケース素材:ステンレススチール
防水性:6気圧
パイロット・ウォッチ オートマティック 36
Ref.324001
52万9200円
【SPEC】 ムーブメント:自動巻き(Cal.35111)
機能:時・分・秒表示、日付表示
サイズ:直径36mm(厚さ10.5mm)
ケース素材:ステンレススチール
防水性:6気圧
パイロット・ウォッチ・クロノグラフ
Ref.377709
64万8000円
【SPEC】
ムーブメント:自動巻き(Cal.79320)
機能:時・分・秒表示、日付・曜日表示、クロノグラフ
サイズ:直径43mm(厚さ15mm)
ケース素材:ステンレススチール
防水性:6気圧
【URL】
パイロット・ウォッチ http://www.iwc.com/ja/collection/pilots/