アウトドアブランド「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」と、人工タンパク質を開発している企業「Spiber(スパイバー)」の共同プロジェクトが本日発表されました。
Spiberは、山形県鶴岡市に本社を置く、世界初の合成クモ糸繊維「QMONOS®」の量産化に成功したことで有名な繊維企業です。そもそも今回のプロジェクトは、クモの糸を足がかりにタンパク質を自由自在に使いこなす時代を切り拓くべく、11年間の歳月をかけてその準備を進めてきたSpiberとTHE NORTH FACEの2015年のコラボレーションからはじまります。
Spiberが保有する分子ライブラリより表地及び刺繍糸に最適なタンパク質の選定から、紡糸、撚り、織り、縫製など、各プロセスの最適条件を検討するため、THE NORTH FACEと膨大な数の実験を行ってきました。そして2015年9月26日、開発を進めてきたクモフィブロインベースのタンパク質素材「QMONOS®」を用い、THE NORTH FACEの“ANTARCTICA PARKA”をベースにしたアウタージャケットのプロトタイプに成功。このプロトタイプは実際の工業ラインで制作された人工タンパク質素材を使った衣服でした。しかし、その後様々な問題と障壁に当たってしまい、実際に製品化されるには至りませんでした…。
しかし、Spiberは諦めず制作テストを繰り返し、量産化に向けた加工技術を確立。「天然のクモの糸を模倣する技術からはじまった研究開発は、現在ではより多様なタンパク質素材を作る段階に入りました」と、スパイバー代表の執行役の関山さんは言います。そして本日、満を持して披露されたのが、この「THE NORTH FACE Sp.」ラインの「Planetary Equilibrium Tee(プラネタリー・エクイリブリアム ティー)」。地球規模の環境課題に対するメッセージを込めています。
ヘビーウエイトな生地でありながら、しっとりとした滑からさが混在する独特な質感。Spiberが開発した構造タンパク質素材・微生物由来のプロテイン「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)」と、上質なコットンをブレンドし、加工を施すことで、この生地感を演出しています。地球環境をたしかに厚みのある生地が高級感があり、胸元のワンポイントロゴもシンプルでグッドです。
Planetary Equilibrium Teeは250着の予約限定販売。6月20日〜7月20日14時までの、期間中に特設サイトから申し込み、後日抽選のうえ、8月下旬よりTHE NORTH FACE ALTER(東京都渋谷区神宮前6-10-9 原宿董友ビル1F)店頭にて購入できます。
【申し込みウェブサイト】
https://www.sp.spiber.jp/tnfsp
今回のTシャツだけで終わりでないです。さらに、4年間かけて開発を続けた「MOON PARKA」もTHE NORTH FACE Sp.ラインの製品として2019年11月に発売予定とのこと。こちらの続報も待ちたいところです!
【フォトギャラリー】※GetNavi Web本サイトで見られます