今秋から日本上陸が予定されているスイスの高級時計ブランド アーミン・シュトロームの製品を、ひと足早く目にすることができました。まだ価格は未定ですが、エントリーとなる手巻きの3針モデルで、150万円ぐらいからになりそうだとのこと。価格に納得できる特徴があるか、検証しました。
ギネス記録も打ち立てたスケルトンウオッチの雄
アーミン・シュトロームですが、実は少し前に日本でも正規取り扱いがありました。ですので、今回はブランドの体制が変わり、日本での窓口も変更となっての再出発となります。というわけで、体制が変わったことを含めたブランドの歴史から始めます。
スケルトンウオッチは昨今の高級時計のトレンドでもありますが、アーミン・シュトロームでは1980年代から同分野に挑戦し続けていたそう。1991年には、女性向けに極小のスケルトンウオッチを製作。そのあまりの小ささから、ギネス記録を樹立してしまいました。
ブランドと同名の創業者から新たなオーナーへと経営権が移ってからは、自社ムーブメント製造のための設備投資を開始。2009年に初の自社ムーブメント、Cal.ARM09を完成させています。
美しく機能的なムーブメントをいつも楽しめる
現行コレクションもほぼすべてがスケルトンウオッチでの展開。ただし、スケルトンウオッチといっても、他のブランドのようにプレートを肉抜きしているわけではありません。
アーミン・シュトロームの時計には、いわゆる文字盤がなく、ムーブメントがむき出しのように見えます。この特徴的なデザインは、2015年にドイツのレッドドットデザインアワードにてプロダクトデザイン部門の最優秀賞にも選ばれています。
文字盤がないから手間が減るかというと、そう簡単にいかないのが高級時計の難しいところ。ムーブメント自体に審美性を持たせるため、仕上げにはより一層の時間をかけるわけです。
文字盤のように別で作業できず、しかも時計の心臓部にそのまま装飾などを施すわけですから、職人は相当な集中力を持って作業に取り組まなければなりません。こうした作業は、時計界でも指折りのハイエンドブランドが行う工程にも通じるところがあります。
ムーブメントは、ほぼすべてのケースに対してオフセンターにセットされます。アイデンティティの確立という側面もありますが、この配置をデザインの前提とすることで香箱のサイズを大きくできたり、デザインに幅が持たせられるのだと、ブランドオーナーのサージュ・ミシェルさんが説明してくれました。
現行コレクションのムーブメントは、ゼンマイなどの一部パーツを除いてほぼすべて自社で製造。それだけでなく、企画・開発、設計、製造、組み立て、エングレービング、検査にいたるまで、自社で一貫して行っています。
もうひとつ外装面での大きな特徴として、6時位置にLIPと呼ばれるパーツが追加されています。これはパーソナライズのために作られたもので、イニシャルなどを刻むことができます。流行を追う時計ではなく、時代・世代を超えて使い続けて欲しいという、ブランドからのメッセージでもあります。
展開モデルはすべて100本限定の希少品
コレクションは、三針手巻きの「MANUAL」、三針自動巻きの「GRAVITY」と、それに日付と昼夜表示を加えた「GRAVITY DATE」、7日間パワーリザーブを有する手巻き「ONE WEEK」、手巻きトゥールビヨン「TOURBILLON」、自動巻きトゥールビヨン「TOURBILLON GRAVITY」、ムーブメントを肉抜きした「SKELTON PURE」と、それにトゥールビヨンを加えた「TOURBILLON SKELTON」。
それぞれ、ステンレススチールの”WATER”、ブラックPVDステンレススチールの”EARTH”、チタニウムの”AIR”、レッドゴールドの”FIRE”の4素材で展開となります。
ブランド自体は小規模のため、これだけ難度の高いデザインを量産するのは難しいようで、すべての時計が100本限定となっています。
機械式時計製造でさえオートメーション化が急速に進んでいるスイス時計界にあって、あらゆる箇所に職人技を感じることができるアーミン・シュトローム。皆さんは高いと思いますか?
【URL】
アーミン・シュトルム https://www.arminstrom.com/
ノーブルスタイリング http://noblestyling.com