Apple Watchの登場で大きな盛り上がりを見せた今年のスマートウオッチ市場ですが、スイス時計界にとっても2015年はスマートウオッチ開発の元年となりました。高級スマートウオッチ革命の行方を追うべく、いままさに開発されている高級ブランド5社の動向をまとめます。
端正な顔はそのままにセキュリティ機能を搭載
BVLGARI (ブルガリ)
NFCの技術を時計に埋めこみ、認証機能を持たせる
時計界でも存在感を示すブルガリは、認証管理サービス関連トップのスイス・ワイズキー社と協業。NFCを搭載した「ディアゴノマグネシウム コンセプトウオッチ」を発表しました。時計で支払いを済ませたり、車の鍵代わりにしたりと、幅広い用途を想定しています。
↑「ディアゴノマグネシウム コンセプトウオッチ」最高のセキュリティ水準を誇る、ワイズキー社のチップを内蔵しています
↑コンセプトウオッチのベースは、2015年の新作「ディアゴノ マグネシウム」です
インテル、グーグルと共同開発中で年内発売!
TAG HEUER (タグ・ホイヤー)
製品未発表ながら、業界大激震!
機械式での1/1000秒計測やベルト駆動などを独自開発してきたタグ・ホイヤーは、なんとシリコンバレーの2大巨頭と手を結びました。現在共同開発中で年内に発売されるというそのスマートウオッチは、Android Wearをベースにした高級機になると予想され、製品公開前からApple Watch最大のライバルと目されています。
↑世界中の注目を集める異色のトリオ。今年の新作である「タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー01」がベースになるとの噂も!?
クロノグラフの操作をスマホから行える日も近い!
BREITLING (ブライトリング)
スマホ連携の新型ムーブを自社で独自開発中
航空時計の雄であるブライトリングは、独自の“コネクテッド”キャリバーB55を発表。多機能クオーツ時計のクロノグラフ操作がスマホからも行えます。パイロットに欠かせないフライトデータのログや管理も双方向通信が可能になる予定。(発売時期は未定)
↑B55は“飛行時”に必要な機能を重視して開発されました。100年以上にわたり航空腕時計を開発してきた同社ならではです
単体で電話・メールができる機能を搭載予定
GUCCI (グッチ)
音声認識対応予定の「ファッショノロジー」端末
グッチは、ファッションとテクノロジーの融合「ファッショノロジー」がコンセプトのアイアムプラス社と協業。その製品には、スマホを介さずに行える通話やメールのほか、音声認識によるアシスタント機能などが搭載される予定となっています。
↑写真中央がアイアムプラス社のCEO。ユニット「ブラック・アイド・ピーズ」の中心でもあるウィル・アイ・アム氏です
新デザイン採用&睡眠のモニタリングもできる
FREDERIQUE CONSTANT (フレデリック・コンスタント)
スイス製スマートウオッチ開発の先駆け的存在
フルパワー社との合弁会社MMTを設立して開発した、スイスメイドの腕時計では初のスマートウオッチ、「オルロジカル スマートウォッチ」。フルパワー社が持つ「MotionXアクティビティ トラッキング」や「Sleeptrakerスリープモニタリング」の技術で、情報をスマホと双方向通信で管理できます。(予価19万9800円 8月~発売予定)
↑時計から得た活動情報をスマホで管理し、一部は時計でも表示可能。また眠りの深さや睡眠情報を時計が計測、記録する機能も装備します
いまままではデジタル系の企業が旗頭となっていたスマートウオッチ市場ですが、時計メーカーも追従する動きを見せています。Apple Watchに続く注目作がそこから現れるかもしれません。
※こちらの記事では、Apple Watchの“次”に来るスマートウオッチを解説しています。