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2020/3/12 21:00

遠近両用レンズを翌日にお届け!? 三城の新サービス「24G」はスーツのお仕立てみたい

「パリ三城」「メガネの三城」を展開している三城は、高性能な眼鏡レンズ設計を手がけるイスラエルの企業「SHAMIR  OPTICAL INDUSTRY Ltd.」と2019年6月に事業提携。同社の「遠近両用レンズ」の翌日納品サービスを、2020年2月からスタートさせています。その内容を眼鏡編集部員の一人、野田がお届けします。

 

遠近両用レンズの翌日納品を実現!

そもそも「単焦点レンズ」が即日納品が可能なのは、店舗在庫が豊富にあるためです。一方の遠近両用レンズは、特注品のため店舗に在庫を抱えられず、納品まで1週間以上かかり、遅いという問題がありました。例えば「旅行・出張前にすぐ欲しい」、「使っていた眼鏡が壊れてしまった」、「スポーツするのに度付きのサングラスが欲しい」といった、期待に迅速に応えられませんでした。そのようなユーザーの声に応えるため、遠近両用レンズの翌日納品を始めるサービス「24G(トゥエンティフォー・ジー)」がスタートしたわけです。

↑発表会に登壇した三城代表取締役社長 澤田氏。「日本では初のサービス、翌日に遠近両用レンズ眼鏡を届けてくれます」と、画期的なサービスを話しました

 

今回のサービスの肝になったSHAMIR(シャミール)OPTICAL INDUSTRYにも触れておきましょう。同社はイスラエルに本社を置き、高性能なメガネレンズ設計を手掛ける世界でもトップ企業のひとつ。創業45年以上の歴史をもち、累進レンズメーカーではトップ10にランクインしています。三城は、同社が開発した高性能特注眼鏡レンズの翌日納品サービスを日本国内で展開する独占的権利を取得。今まで日本市場に向けて共同開発を進めてきて、今回披露となったわけです。

↑シャミールCEO ヤーゲン・モーシェ氏。「シャミール社は1972年に設立され、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパを中心に世界22か国でグローバルに展開しています」と語りました

 

三城は、冒頭でも説明した24Gサービスの実現、さらには日本品質にこだわるためのラボ「シャミールジャパン東京」を開設しました。日本では海外工場での一括加工が一般的ですが、三城は完全受注生産でレンズを加工します。そのシャミールジャパン東京の特徴は以下の3つ!

 

①東京都葛西地区にラボを構え、関東エリアへスピーディに製品を届けます。大量生産が目的ではないので、大きな機械や広大な敷地は必要がなく、ラボは学校の教室のような広さ。

②機械はドイツ社製のサティスロー社制のレンズ加工機を導入。最新眼鏡フレームも難なく加工できます。

③従来は一週間以上かかる特注製造工程をフレーム枠入れ完了まで含め3時間。翌々日に配送可能とのこと。

↑日本品質、メイド・イン・ジャパンにこだわるため、日本国内にラボを設立したと言います

 

ブルーライトカットやHEVカット、偏光、ミラーレンズなど豊富なオプションも用意されています。ユーザー一人ひとりの処方に合わせ、レンズを加工してフレームにセッティングする。まるで一着のスーツの“お仕立て”のようなオンデマンド技術です。

↑価格は単焦点レンズの場合2枚1組3万円〜、遠近両用レンズの場合2枚1組4万円〜

 

これまでの遠近両用レンズは、大量生産を前提とした工場で一括生産をすることが常識でした。また、多くの製造工場がコストを抑えるために海外にシフトしています。24Gの翌日納品は、こういった海外での大量生産モデルとは全く違う発想で構築されたレンズ加工技術により実現されます。

 

パリ三城は1950年代のアメリカンダイナーがコンセプトの「エンターテインメント」や、古き良き時代のパリがコンセプトの「ベルエポック」など、ロケーションや出店現地に合わせて店舗をプロデュースしています。24Gもユーザー目線に寄り添った考えを持つ同社ならではの新サービスなので、忙しい日本人のライフスタイルがよりストレスフリーになっていくでしょう。