数字の描かれた板を回転させて現在時刻を表示するパタパタ時計、懐かしいですよね。ご存知ない方でも、空港の発着案内などで「パタパタパタ…」と数字や文字が切り替わる表示板を目にしたことはあるかと思います。これを、スイス機械式時計製造の最高峰の技術力を持ったメーカーが手がけたら、6000万円の腕時計が出来上がりました。
4+5+1枚のディスクで時間と分をデジタル表示
2009年に創業した「4N」が長年の歳月をかけて完成させたのは、針を持たずにディスク表示だけで時刻をデジタル表示する腕時計です。
4枚のディスクを持つユニットを左右に、中央上部にも1枚のディスクをセットしてフリップクロック(=パタパタ時計)のように数字で時刻を示します。
実際の動きはこちらの動画で
ありそうでなかったこの時計。ブランド名の由来でもある最大4つの数字だけで時刻を示すという4 Numberコンセプトは「4N」によるものです。
ムーブメントを製造しているのは、超一流ムーブメント開発メーカー「オーデマ ピゲ ルノー・エ・パピ」。ここは、その名の通り超高級ブランドであるオーデマ ピゲのムーブメントも開発している名門です。
ケースの素材は、サファイアクリスタル。ダイヤモンドの次に硬いとされる素材で、成型が難しく、加工には途方もない時間が必要となります。
ちなみに、いち早くサファイアクリスタルをケースに使ったブランドはリシャール・ミルですが、そのときのモデルは1億円越え! という価格でも話題となりました。
チタンケースやホワイトゴールドケースのモデルもありますが、チタンケースでも3000万円ぐらいはするので、やはりムーブメント製造による価値が大きいと思われます。
先進素材を含むムーブメントを手作業で仕上げ、組み上げる
時計の表示方式には、針で示すアナログ式と数字で示すデジタル式があります。デジタル式は液晶文字盤を使ったクオーツ時計が多いですが、これを機械式時計で作るとなると、かなり大変な技術力が必要。
クオーツ時計の場合は電気信号を送って表示を点滅させるだけですみますが、ゼンマイを動力とする機械式時計の場合は、かなりのトルクが必要。直径の大きなディスク自体をクルクル動かすなんて、とんでもないことなんです。
にもかかわらず、4Nはつねにトルクを平均化させるコンスタントフォース機構(定力装置)の導入と、ツインバレルの採用で10日間ものロングパワーリザーブまで達成してしまっています。
サファイアクリスタルのモデルは限定1本のみのユニークピース。チタンやホワイトゴールドのモデルも16本限定と、4Nの時計はすべて超希少品。
果たして誰が買うのかと思われる方もいるかと思いますが、このコンセプトに惚れ込み、買う人がいるんです。時計愛好家にとっては憧れですね。
4N
SAPPHIRE PLANET ORANGE
6000万円(税抜予価)
11月頃発表予定
【SPEC】
ムーブメント:手巻き(自社製Cal.MVT01/D01)
素材:サファイアクリスタルケース、アリゲーターストラップ(ワンタッチ装着システム)
【URL】
ノーブルスタイリング http://noblestyling.com