本連載ではGetNavi web編集長・山田佑樹が日々の生活で愛用している品々を紹介していきます。今回はイレギュラー版として最近、クラファンで見つけた一品をピックアップ。
●起
常に探しているモノの上位にクラッチバッグがある。
コロナ禍以降、外食するときは自宅からお店に直行がほとんどなので(直近でこそ減っているが)、デバイスや持ち物は必要最低限でいい。なので、ジャストなサイズのバッグが欲しい。一方で、外食の機会を盛り立てる唯一無二のデザインを選びたい。あとは、年齢的に訪問するお店もきちんとしたところが増えてきたので、上品さも醸し出したい。
わがまま放題である。
●承
で、出合ったのがサクラワクスの別注クラッチバッグだ。どこに惚れたかというと、その「音」である。このバッグは開口部が「がま口」になっていて、らっきょう玉の部分で開け閉めする。閉める際の「パチン」という音が心地よい。
●転
家を出る時、タブレットとカギと財布とハンドタオルを入れて「パチン」。駅でうだるような暑さに耐えかねて水を買って飲んで「パチン」(ペットボトルも入る)。お店に着いてタオルで汗を拭って「パチン」。お会計を済ませて「パチン」。帰ってきて持ち物を取り出して「パチン」。
何かの行動の終わりにやってくる「パチン」が場面を転換してくれる効果を産み、区切りが発生する。同時に、音だけでなく色もいい。真鍮できた金具は鈍く輝き、牛革は静かに黒光りして、空間に溶け込んでいく。音と色の性質が逆ベクトルな点も面白い。
●結
本バッグはテレビ東京のクラウドファンディング「ナナ福神」の別注品だ。がま口のケースとセットとなった数量限定アイテムで、現時点(2022年8月25日18時時点)で残り8点となっている。ケースはケースで職人技の塊みたいなひと品だったので、別記事でレポートしたい。