Googleが、半導体受託生産の世界最大手であるTSMCと長期契約を結び、今後のPixelスマートフォン向けメインチップの製造を委託する予定であると報じられています。

台湾の電子業界誌・DigiTimesによると、Googleは2025年の「Pixel 10」シリーズ以降、独自開発のTensorチップの製造委託先をサムスンからTSMCに切り替える方針を固めたとのこと。これにより、TSMCとの協力関係は少なくとも「Pixel 14」世代まで約3~5年続くと予想されています。
Googleは初代Tensorチップ(Pixel 6シリーズに搭載)の投入以来、サムスンへの製造依存を続けてきました。しかし、サムスンは最新の自社製Exynosチップで歩留まり(良品率)の低さや製造の遅れが指摘されており、Googleがより信頼性の高いTSMCへの切り替えを決断したとみられています。
最初のTSMC製Tensorチップは、TSMCの3nmプロセス(N3E)で製造される予定。これにより、従来のサムスン製4nmプロセス製チップに比べて、バッテリー効率・発熱・性能面での大幅な改善が期待されています(それらは従来のTensorチップで批判の的になっていました)。
新しい「Tensor G5」チップには、Cortex-X4、Cortex-A725、Cortex-A520といった構成のCPUコアに加えて、Google独自のTPUも搭載される見通し。なかでもTPU(Tensor Processing Unit)の改善は、音声入力や写真処理など、端末内でのAI処理の強化に直結すると考えられています。
ただし、チップの製造プロセスが進化しても、必ずしも劇的な性能向上が保証されるわけではありません。それでも、歴代Pixelスマートフォンが抱えてきたバッテリー持ちや発熱の課題を考慮すれば、Pixel 10シリーズには、より快適に安心して1日中使えるデバイスに進化してほしいです。
Source: DigiTimes
via: Gizmochina