TVS REGZAは、RGB(赤・緑・青)の3原色のLEDをバックライトに用いた116インチの4KミニLEDテレビ「RGB Mini LED液晶レグザ 116ZX1R」を発表しました。予想実勢価格は660万円前後(税込)です。

116ZX1Rは、従来の白色LEDに比べて色純度の高いRGBの3原色LEDバックライトを採用することで色再現性を高めただけでなく、各LEDを個別制御するミニLED技術を組み合わせることで広色域かつ高コントラストを実現したのが大きな特徴です。
TVS REGZA 取締役副社長の石橋泰博氏は「本製品はレグザのDNAの中でも非常に重要な『高画質の絶えまぬ追求』を一つの形にできたのではないか」と自信を見せました。

TVS REGZA 営業本部 ブランド統括マネージャーの本村裕史氏は従来の白色LEDバックライトに対するRGB LEDバックライトのメリットを次のように語りました。
「白色LEDバックライトを使うとRGB 3原色のうち青色系はちゃんと出せるのですが、緑系と赤系の2色はどうしても色が濁ってしまいます。バックライトをRGBで駆動することによって本当にピュアな赤、青、緑色を再現でき、これによってリアルな色使いができるようになります」(本村氏)

白色LEDバックライトを搭載する上位モデルは、色再現性を高めるために量子ドット技術が用いられています。量子ドットは照射された光のエネルギーを吸収し、光の波長を変換することで色を変える特性を持っています。従来のカラーフィルターのように多くの光をロスすることなく高効率で高画質化できるのが特徴です。

「RGB Mini LEDは、通常LEDの色域に比べてかなり広い色域を再現できるのが特徴です。通常LEDよりも通常LED+量子ドットの方が色再現性が高く、RGBバックライトはそれをさらにしのぎます。従来(量子ドット非対応の通常LED)比で約110%の広色域化を実現しました」(本村氏)


RGB LEDバックライトはどの箇所でも赤・緑・青のLEDが同一方向に配置されているのではなく、ランダムに見えるような形でそれぞれの箇所ごとに配向が異なっています。

「例えば赤だけを光らせたときにどうしても輝度ムラになってしまうので、色ムラを抑制した均一な色を再現したいと考えてLEDの配置を変更しました」(本村氏)


映像処理エンジンには、従来のレグザシリーズのフラッグシップモデルにも搭載している高画質映像処理エンジン「レグザエンジンZRα」を採用しています。「反射光と自発光を判別して、反射光の最も明るい色を考慮し、108ビットによる緻密な解像表現でリアルな色を描き出しています」(本村氏)



RGB Mini LEDバックライトのポテンシャルをフルに発揮するため、「RGB エリア輝度ブースト」機能も搭載されています。これは映像の暗部エリアはLEDの点灯時間と電流を大幅に抑制することで引き締まった黒を再現し、明部ではLEDの点灯時間と電流を最大化することで高いピーク輝度を実現するというものです。
「明部をさらに明るく描き、暗部はさらに引き締めるテクノロジーによって、非常にきれいな映像を再現できます」(本村氏)

AIでシーン別に自発光や反射光などを判別して高画質化する「RGB AIシーン高画質 PRO」も備えています。

自発光というのは夜間のビル照明や車のテールランプなど光源自体が光っているもので、反射光は太陽の光が反射して光るものを指しています。
「車のテールランプや信号機は自発光するため、色域を非常に伸ばしても問題ありません。太陽光が当たって反射する光はある一定以上に色域を伸ばしてしまうと、建物自体が光っているように見えて下品になってしまいます。そこをAIがコントロールすることで、色をマネジメントする技術です。パネルだけではなく、エンジンで高画質処理を行うのが我々の強みだと考えています」(本村氏)
音響面でもさまざまな機能が搭載されています。2Wayトップスピーカーや2Wayサイドスピーカー、2Wayメインスピーカー、センタースピーカー、重低音バズーカなど全部で20個のスピーカーを110Wの大出力アンプで独立駆動。立体音響技術のDolby Atmosにも対応しています。

もちろん、地上/BS/110度CS放送から好きなチャンネルを常時録画できるレグザシリーズならではの「タイムシフトマシン」機能も搭載(別売の外付けHDDが必要)しており、録画番組と配信番組を横断的に検索して素早くアクセスできる「ざんまいスマートアクセス」機能なども備えています。

生成AIを活用してチャット形式でコンテンツを選んだり、好みに合わせてコンテンツリストを提案してくれたりする「レグザAIボイスナビゲーター」も搭載しています。

説明会には、「レグザ」公式YouTubeチャンネルに出演する声優の小岩井ことりさんが登壇しました。

「本当に美しくて、今まで体験したことがない映像体験だと感じています。これだけ引き締まった黒は体験したことがなかったので、まるでここにネオン管があって光っているよう見えます。緑や赤が本当に美しいと感じています」(小岩井さん)
大型テレビは“壁掛け”が主流に!? すき間1cm未満を実現する金具も発表
本村氏は、116ZX1Rをはじめとする大画面レグザシリーズを手軽に壁掛け設置できる「レクザすっきり壁掛けユニット」を開発中だと発表しました。

「一般的な調査を行うと、30%ぐらいの人がテレビを壁掛けしてみたいと答えるのですが、実際には5~7%程度しか壁掛け設置されていません。でも、85V型以上は約60%の方が壁掛けしています。レグザシリーズの購入者でいうと、約7割の方が壁掛けしているという事実があるのです。そこで大画面テレビの壁掛け設置してくださいという提案をすべきだと考えて、レクザすっきり壁掛けユニットの開発を加速しております」(本村氏)
ユニットは現在開発中で、2026年初頭には商品化したいとのことです。
一般的な壁掛け設置ユニットの場合、壁とテレビ背面とのすき間が10cmほど空いてしまうのですが、レクザすっきり壁掛けユニットは5mm以下の設置を目指すと本村氏は話していました。

壁には2つの金具を取り付け、ネオジウムマグネットを利用して壁に固定する形になっています。

壁側の金具のフックに引っ掛けた上に、最も強力なマグネットと言われるネオジウム磁石を使うことで、薄型での設置が可能になったとのことです。
「壁掛け設置は部屋が広くなるだけでなく、地震に強いテレビ設置ができるのがメリットです。通常設置の場合、震度5から6程度でテレビ台が落ちてしまうため、我々はネジ留めをお願いしているのですが、なかなか実際にされている方は多くありません。壁掛け設置は施工業者がしっかり補強工事をしますので、実は地震にかなり強いです」(本村氏)
今回発表されたRGB Mini LEDテレビは一般の庶民にとって手が出せるものではありませんが、すっきりと壁掛け設置ができる金具の登場を待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか。大型テレビへの買い替えるのと同時に、いよいよ壁掛け設置デビューを検討してみるのもいいかもしれません。