【西田宗千佳連載】スマートウォッチと衛星の直接通信で「安否確認」が付加価値要素に

ink_pen 2026/1/27
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【西田宗千佳連載】スマートウォッチと衛星の直接通信で「安否確認」が付加価値要素に
西田宗千佳
にしだむねちか
西田宗千佳

モバイル機器、PC、家電などに精通するフリージャーナリスト。取材記事を雑誌や新聞などに寄稿するほか、テレビ番組などの監修も手がける。ツイッターアカウントは@mnishi41。

Vol.157-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はApple Watchに新たに備わった「高血圧のパターン通知」機能。あらゆる病気の要因ともなる高血圧にアップルが注目した要因とは何か。

 

今月の注目アイテム

アップル

Apple Watch Series 11

6万4800円~(税込)

↑高血圧パターンの通知のほかに、心電図アプリやバイタルアプリも搭載し、健康状態を理解して最新の情報を受け取れる。睡眠の質を理解して回復力を高めるために毎晩の睡眠データを分析する「睡眠スコア」も利用可能だ。

スマートウォッチにおいて、健康以外の大きな差別化点はどこになるのだろうか?

大きな要素として挙げられるのが「現在位置把握」だ。以前より一部の製品にはGPSが搭載されており、いま自分がどこにいるかを把握しやすくなっている。

これは都市部で使うというよりも、アウトドアなどで使うニーズが多いように思う。通信環境が良くない領域で「自分がどこにいるか」を把握するのは重要だ。スポーツ向けで人気のあるガーミンや、アップルのApple Watch UltraシリーズがGPSに力を入れるのはそのためでもある。

携帯電話網での通信機能を備えた製品もあるが、こちらはむしろ都市部向けだろう。必須というほど人気がある機能ではないが、ジョギングや軽い外出の際、スマホを持たずに出られるという点には価値がある。

また、スマートウォッチでの緊急通報も重要だろう。スマホを含む荷物が手元にないときに事故や災害にあった場合には、スマートウォッチでの通報がライフラインになる。その観点で考えるならば、衛星通信とスマートウォッチの直接接続に注目すべきだ。

Starlinkをはじめとした、スマホと衛星の直接通信はかなり一般化している。だが次に来るのは、スマートウォッチでの直接通信だ。

2025年12月には日本でもApple Watchが衛星通信に対応。従来は緊急通報のみ対応していたが、iMessageでのテキストメッセージ送受信が追加されたうえ、安否確認などにも使いやすくなった。KDDIのStarlink Directに契約している場合、Starlinkでの衛星通信も可能になっている。

現状ここは、Apple Watchが他社を大きく先行している。だが、2026年には他社も追随してくる可能性は高い。

こうした機能は、健康維持向けのものに比べると、スマートウォッチの中では付加価値要素であり、安価な機種には搭載されづらい。携帯電話網での通信を求めた場合、その分通信料金もかかる。この点が急に改善され、お手軽なものになるとは考えづらい。しかし、自分や周囲の安全を意識してコストを払うという発想はあって良いし、おそらくは当面、そこを付加価値として、ハイエンドなスマートウォッチは販売されていくことになる。スマートフォン自体も、より多くの製品・携帯電話事業者が衛星との直接通信を実現してくるものと思われるが、スマートウォッチでの安否確認も拡大していくだろう。


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