20万円を超えるような超高額なフラッグシップモデルが話題をさらう一方で、着実な進化を遂げているのが3万〜8万円台のエントリー〜ミドルレンジスマホです。特に近年はSoCの進化による性能の底上げが大きく、パワー不足を感じる場面も少なくなってきています。
2026年1月に発売された機種も、ハイエンドに迫る性能や独自の個性を備えたモデルがラインナップされています。本記事では今後の市場環境の変化も見据えつつ、今まさに「買い」と言える賢い選択肢を紹介します。
スマホに値上げ&スペックダウンの噂

近年はスマホのフラッグシップモデルの高騰が続き、実売価格20万円オーバーという機種もめずらしくなくなりました。一方、そこまでスマホにお金をかけたくない、かけられないという人が使うエントリーからミドルレンジのスマホも進化が著しく、普通に使うぶんにはこれで十分という機種が多くリリースされています。
しかし2026年以降、この状況が少し変わるのではないかという見方が広がっています。理由は、AI需要の増大に端を発するメモリー価格の高騰や長く続く円安です。
昨年末ごろから、メモリーメーカー各社がAI処理に用いるHBM(広帯域メモリー)の生産にリソースを集中させるといった一連の大きな動きがあり、結果としてPC向けのメモリーが暴騰ともいえる価格上昇を引き起こしています。あわせてストレージ製品も価格が引き上げられるなど、業界はいまだパニック状態の渦中にあると言えるでしょう。
現状、スマホ業界にはそこまで大きな混乱は起きていませんが、こうした流れが同じように半導体やメモリーを使うスマホにも波及するのではと危惧されているわけです。そうなると、価格の上昇、あるいは価格を変えずに従来より製品をスペックダウンする、といったことが起こる可能性も否定できません。
こうした視点を踏まえて2026年1月発売のエントリー~ミドルスマホを見渡すと、現在の構成は「非常に贅沢」なことに気付かされます。最新世代のSoCを搭載したモデルや、急速充電・高画質ディスプレイといった利便性に直結する機能を搭載したモデルが3万円台からラインナップされています。
「もう少し待てばより安く、より良い製品が出る」という期待が大きく揺らいでいる今、価格とスペックが両立できている新製品をチェックしておく意味は大きいと言えそうです。
3~4万円台:コスパと個性が光るエントリー2選
まずはコスパを重視する人向けに、3~4万円台で購入できるスマホ2機種をピックアップしました。どれも価格こそエントリークラスですが、普段使いには十分なスペックと個性豊かなデザインが光ります。
・Nothing Phone(3a) Lite 1月15日発売

| 項目 | 内容 |
| 参考価格(税込) | 42,800円(直販)、32,890円(楽天モバイル) |
| 主な購入先 | Nothing公式サイト、楽天モバイル |
| サイズ / 重さ | 約164×78×8.3mm / 約199g |
| カラー | ホワイト / ブラック / レッド(楽天モバイル限定) |
| SoC | MediaTek Dimensity 7300 Pro 5G / オクタコア 2.5GHz × 4 + 2GHz × 4 |
| OS | Android 15 / Nothing OS 3.5 |
| メモリー / ストレージ | 8GB / 128GB |
| ディスプレイ | 約6.77インチ / Flexible AMOLED |
| アウトカメラ | メイン:約5,000万画素 超広角:約800万画素 マクロ:約200万画素 |
| インカメラ | 約1,600万画素 |
| バッテリー | 5,000mAh |
| その他機能 | おサイフケータイ(FeliCa)対応、防水防塵(IPX4 / IP5X) |
1月発売の機種でもっとも大きな話題を呼んでいるのは、「Nothing Phone(3a) Lite」です。販路によっては3万円台前半で話題のNothingを使えることから、高い人気となっています。
Nothingの代名詞といえば、背面のLEDライトと音が連動して通知を行う「Glyph(グリフ)インターフェース」です。ところが本機種ではシンプルな「Glyphライト」へと簡略化しています。
廉価版として価格を抑えるためのコスト削減のひとつなのでしょうが、ひと目でNothingとわかる個性の強さは一切損なわれていません。むしろ、上位モデルの派手さとはまた異なる、ミニマルで洗練された佇まいに仕上がっていると感じられます。
そして、ハードウェア以上にNothingであることを強く意識させるのが、Android 15をベースとした「Nothing OS 3.5」の存在。ドットを基調としたインターフェースは、他機種とは一切異なる独特な世界観を作り出しています。
SoCはMediaTek Dimensity 7300 Pro 5Gで、決してハイスペックとは言えませんが、普段使いや軽いゲームくらいならば十分な性能。スペック、コスパ、デザイン性の高さがバランスよく揃っており、高い人気も納得の仕上がりとなっています。
・POCO M8 5G 1月8日発売

| 項目 | 内容 |
| 参考価格(税込) | 34,980円(直販) |
| 主な購入先 | Xiaomi公式サイト、Amazonなど |
| サイズ / 重さ | 約164×75.42×7.35mm / 約178g |
| カラー | ブラック / シルバー / グリーン |
| SoC | Snapdragon 6 Gen 3 最大2.4GHz オクタコアプロセッサー |
| OS | Xiaomi HyperOS 2 |
| メモリー / ストレージ | 8GB / 256GB |
| ディスプレイ | 6.77インチ Flow AMOLED(有機EL) ディスプレイ |
| アウトカメラ | メイン:約5,000万画素 深度カメラ:約200万画素 |
| インカメラ | 約2,000万画素 |
| バッテリー | 5,520mAh(45Wターボチャージング対応) |
| その他機能 | 防水防塵(IP66) ※おサイフケータイ、Wi-Fi 6非対応 |
現在日本で展開しているスマホの中でもっとも「コスパ」のイメージが強いのはXiaomiでしょう。そのサブブランドにあたるPOCOから登場した新機種が「POCO M8 5G」です。
本機種も3万円台中頃とは思えないほどのコスパを実現しており、SoCは「Snapdragon 6 Gen 3」を採用。さらに、この価格帯ではめずらしく256GBの大容量ストレージを搭載しています。
また、3200nitsのピーク輝度を持つ6.77インチの有機ELディスプレイや、ドルビーアトモス対応のステレオスピーカーなど、エンタメを楽しむための基本性能が高いレベルでまとまっているのが好印象です。
ただしスペック表を細かく見ると、この価格に抑えるために削られている要素もあることがわかります。代表的なのはWi-Fi 6、そしておサイフケータイの非対応です。
いわゆる「全部入り」ではありませんが、「家ではWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)で十分だし、決済は現金やコード決済がメイン」と割り切れるユーザーにとっては有力な選択肢になる一台です。
5~8万円台:ハイエンドに迫る実力派ミドル3選
5~8万円以上のスマホになると、一気にラインナップが充実します。コスパ最強、ほぼハイスペック機、流行りの折りたたみという3機種を紹介します。
・REDMI Note 15 Pro 5G 1月15日発売

| 項目 | 内容 |
| 参考価格(税込) | 54,980円(8GB+256GB)、64,980円(8GB+512GB) |
| 主な購入先 | Xiaomi公式サイト、Amazon、楽天、家電量販店など |
| サイズ / 重さ | 163.61×78.09×7.96mm / 200g |
| カラー | ブラック / グレイシャーブルー / チタングレー |
| SoC | MediaTek Dimensity 7400-Ultra 最大2.6GHz オクタコアプロセッサー |
| OS | Xiaomi HyperOS 2 |
| メモリー / ストレージ | 8GB / 256GB および 8GB / 512GB |
| ディスプレイ | 6.83インチAMOLEDディスプレイ |
| アウトカメラ | メイン:2億画素 超広角カメラ:800万画素 |
| インカメラ | 2,000万画素 |
| バッテリー | 6,300mAh(45Wターボチャージ対応) |
| その他機能 | おサイフケータイ対応、防水防塵(IP66、IP68) 、2.5m落下耐性 |
本記事で紹介した5機種の中でも、トップクラスのコスパと言えるのが「REDMI Note 15 Pro 5G」です。
SoCはミドルハイクラスのMediaTek Dimensity 7400-Ultraを搭載。2億画素という超高画素センサーを搭載したカメラや6,300mAhのバッテリーに加え、2.5mの落下耐性や高い防水防塵性能などタフネス性能も折り紙付き。おサイフケータイにも対応していて、まさに「全部入りスマホ」と言える一台に仕上がっています。
一つ注意すべきは、外部メモリー非対応である点。写真や動画などで容量を多く使う場合は、8GB+512GBモデルを選ぶと良いでしょう。
なお、同じ1月15日には「Redmi Note 15 5G(44,980円)」という「Pro」がつかない下位機種も発売されています。こちらも高性能で良いスマホなのですが、SoCやカメラ、バッテリー性能などが全体的に抑えられているほか、おサイフケータイにも非対応となっています。
プラス1万円でより高スペックかつ、ほぼ「全部入り」と言えるこちらの「Pro」を選ぶほうが満足度は高そうです。
・POCO F8 Pro 1月22日発売

| 項目 | 内容 |
| 参考価格(税込) | 89,980円(12GB+256GB)、99,980円(12GB+512GB) |
| 主な購入先 | Xiaomi公式サイト、Amazon、楽天など |
| サイズ / 重さ | 157.49×75.25×8.0mm / 199g |
| カラー | ブラック / チタンシルバー / ブルー |
| SoC | Snapdragon 8 Elite 最大4.32GHz オクタコアプロセッサー |
| OS | Android 16ベースのXiaomi HyperOS 3 |
| メモリー / ストレージ | 12GB / 256GB および 12GB / 512GB |
| ディスプレイ | 6.59インチアイケアAMOLEDディスプレイ |
| アウトカメラ | メインカメラ:5000万画素 望遠カメラ:5000万画素 超広角カメラ:800万画素 |
| インカメラ | 2,000万画素 |
| バッテリー | 6,210mAh(100Wハイバーチャージ対応) |
| その他機能 | 防水防塵(IP68) 、Sound by Bose、Wi-Fi 7対応 ※おサイフケータイ非対応 |
とにかくスペックを追い求めたい人に最適なのが、1月22日発売の「POCO F8 Pro」です。
この機種最大の特徴は、「Snapdragon 8 Elite」を搭載していること。このSoCは現時点でAndroid最高クラスの処理能力を持っており、重い3Dゲームも難なくこなしてくれます。また、音響ブランド「Bose」が監修したステレオスピーカー、ピーク輝度3500nitsの6.59インチアイケアAMOLEDディスプレイなどが、エンタメ体験の質を一段階引き上げています。
その他の機能も充実しており、100Wのハイパーチャージに対応した6,210mAhのバッテリー、光学式手ぶれ補正が搭載された5000万画素カメラなどが揃っており、20万オーバーのフラッグシップモデルに引けを取らない仕上がりになっています。これが、10万円未満で手に入るのは驚きのコスパというほかありません。
一つ注意しなければならないのは、本機種もおサイフケータイ非対応ということ。おサイフを取るのなら一つ前の「REDMI Note 15 Pro 5G」、パワーに全振りしたいのなら本機種という判断になるでしょうか。
・nubia Flip 3 1月15日発売

| 項目 | 内容 |
| 参考価格(税込) | 87,120円 |
| 主な購入先 | ワイモバイル |
| サイズ / 重さ | 展開時:約76×170×7.5mm 折り畳み時:約76×87×15.9mm / 約188g |
| カラー | ホワイト / ブラック |
| SoC | MediaTek Dimensity 7400X(オクタコア)2.6GHz+2.0GHz |
| OS | Android 15 |
| メモリー / ストレージ | 6GB / 128GB |
| ディスプレイ | メイン:約6.9インチ / サブ:約4.0インチ |
| アウトカメラ | 広角カメラ:約5,000万画素 超広角カメラ:約1,200万画素 |
| インカメラ | 約3,200万画素 |
| バッテリー | 4,610mAh |
| その他機能 | おサイフケータイ、IPX4/IP5X |
近年、各社が相次いで参入している折りたたみスマホ。コンパクトさや新しい撮影体験など、通常のスマホにはない魅力はあるものの10万円を大きく超える機種も多く、手を出しにくいと考えていた人も多いのではないでしょうか。
ところが1月15日発売の「nubia Flip 3」は、折りたたみモデルでありながら実売8万円台という攻めた価格を実現しています。聞き馴染みのないブランド名かもしれませんが、nubiaは通信機器大手・ZTEから生まれたグローバルブランドです。
本機種最大の特徴は、折りたたみ時の背面を覆い尽くす4インチの大画面サブディスプレイです。これにより閉じたままでSNSの通知を確認したり、AIと対話したりすることが可能となります。
また、この形状を生かした撮影体験も魅力の一つ。本体をL字型に曲げて置けば、三脚無しでセルフタイマー撮影が楽しめるほか、サブディスプレイで確認しながら高画質なメインカメラで自撮りをすることも可能です。
重いゲームなどをサクサクこなすようなモデルではありませんが、おサイフケータイにもしっかり対応するなど基本的な性能はしっかりと揃えている印象。日常の利便性を損なうことなく、新しいスタイルへ無理なく乗り換えたい人に最適な一台です。
なお、本製品は現時点ではワイモバイル専売商品となっています。ワイモバイルは定期的に端末割引やPayPayポイントのプレゼントキャンペーンなどを行うので、8万円よりもさらに安価に購入できる可能性があることも覚えておきましょう。
ぴったりの一台を選ぶなら?
今回紹介した5機種はそれぞれ、ユーザーのニーズに応じた尖った魅力を持っています。迷ったら以下の基準で選んでみてください。
・王道のバランスと安心感が欲しいなら → REDMI Note 15 Pro 5G (5万円台で2億画素カメラにおサイフケータイ、大容量バッテリーと隙がない構成)
・10万円以下でハイエンド並みのパワーが欲しいなら → POCO F8 Pro (最新のSnapdragon 8 Elite搭載。ゲームや動画編集をバリバリこなせる)
・所有欲を満たす個性的なデザインを重視するなら → Nothing Phone(3a) Lite (唯一無二のデザインと美しいUIは、持つだけで気分を上げてくれる)
・最新の折りたたみスタイルを身近に楽しみたいなら → nubia Flip 3 (4インチの大型サブ画面を搭載。ミドル価格で未来の体験が手に入る)
・とにかく低予算で実用的なスマホを確保したいなら → POCO M8 5G (3万円台ながら、普段使いには十分すぎるスペックを備えた超コスパ機)
スマホ市場では、この春にかけてもいくつかの新機種の登場が噂されています。エントリー~ミドルの代表的な機種で言えば、「Galaxy Aシリーズ」の次期モデルや、コストパフォーマンスに定評のあるMotorola「moto gシリーズ」の最新作などが、例年通りであれば春先から順次発表・発売される可能性があります。
もちろん、それらの最新モデルの登場を待ってみるのも一つの手です。しかし、冒頭で触れたとおり昨今の円安や部材高騰の影響を受け、次期モデルでは値上げの懸念も拭えません。
その点、今回ピックアップした5機種はすでに発売され、価格とスペックのバランスが証明されている製品ばかり。「買い時」に正解はありませんが、新生活が始まる春を前に、納得のいく一台を今のうちに確保しておくメリットは、決して小さくないはずです。