24インチiMacの「アゴ」を切り落として全画面デザインに改造した猛者現る

ink_pen 2022/12/5
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24インチiMacの「アゴ」を切り落として全画面デザインに改造した猛者現る
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

アップルの24インチiMac(2021)は洗練されたデザインながらも、ディスプレイ周りの白いベゼル(額縁)やディスプレイ下の分厚いアゴが物議を醸したこともありました。このアゴをなくし、全画面デザインに近づけようと苦労を重ねた成果が報告されています。

↑Image:Io Technology

 

ハードウェアやチップ関連の改造・修理動画を制作するグループ「Io Technology」は、中国の動画共有サイト「ビリビリ(Bilibili)」に、iMacの改造に注ぎ込んだ技術の一端を公開する動画を投稿しました。これを有名リーカーDuanRui氏がツTwitterで紹介したことから、大きな注目を集めています。

 

今回の改造は、2002年に発売されたiMac G4からインスピレーションを得たとのこと。G4はディスプレイ周りのベゼルの厚さが均等で、デザインのお手本となったようです。

 

当初はiMacの内部パーツをG4のようにスタンド内に移すことを検討したものの、最終的にはディスプレイの下端の真後ろに収納したケースを配置することで、なるべく薄型デザインを残す方法に落ち着いています。ちなみにiMacのアゴにはほぼすべての部品が詰め込まれており、おかげでiMacの厚さがわずか11.5mmに抑えられているとアップル幹部が明かしたことがありました。

 

さて改造作業は、まずiMacを分解し、ディスプレイのアゴ部分を切り落とし、下端を上側と同じ形に削るところから始まります。そしてロジックボード(メイン基板)やポート類を収納するケースを設計し、3Dプリントしてテストした後、アルミニウムを削り出したものをアルマイト処理(表面処理)。その後、このケースにiMacの部品を収めたうえで、元の筐体より放熱しにくくなったことを和らげるいくつかの対策を追加しています。

 

さらにレーザー加工したアクリル製のバックライト付きりんごロゴも追加され、数年前のMacBookを彷彿させるデザインとなりました。またIo Technologyは、ディスプレイ周りのベゼルを黒にした「スペースグレイ」バージョンも制作しています。

 

全画面デザインのiMacは、昨年4月に24インチiMacが発表される直前まで広く噂されていました。結局は「アゴ」が目立つデザインとなりましたが、iMac本体が薄くなり、プロセッサーがディスプレイの下にあるため画面に熱も伝わりにくく、電源コードの位置も取り回ししやすくなったと好評です。アップルも「見た目」以外にいろいろと総合的に考えた結果、今のデザインにたどり着いたのかもしれません。

 

Source:bilibili
via:MacRumors

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