ドイツのボードゲームは知育的なイメージが強い
いま、日本でブームのドイツゲームを中心とした近代ゲームについて、ボードゲームジャーナリスト・小野卓也さんに話を聞きました。
「ドイツのボードゲームは出版社から発売されています。ですから、おもちゃではなく、絵本のような知育的なイメージが強いんです」(小野さん)
世間一般に、孫と一緒に遊ぶために祖父母が買い与えるものという認識があるといいます。
「コマが木製なのはその影響ですね。ファミリーゲームと呼ばれるものは、必ず運の要素があり、実力差があまり出ない設計になっています。誰かの行動が自分の行動に影響を与える、インタラクションの強さも特徴です」(小野さん)
現在、年間1000タイトルがリリースされ、年間5億ユーロ(685億円)市場となった背景には90年代以降の世界的なブームによるニーズの多様化が挙げられます。そんなドイツゲームを中心とした海外ゲームが、近年日本でここまで普及したのは何かきっかけがあったのでしょうか。
「やはり2008年に発売された『ドミニオン』の影響が大きいですね。トレーディングカードゲーム(TCG)層を取り込んだので、日本でも少なからぬ人がこのゲームからボードゲームを遊び始めています。さらにSNSで知って興味を持ち、すぐにネットで購入するという流れができたこともひとつの要因と言えるでしょう」(小野さん)
今後もこのブームは拡大を続けるのでしょうか。
「昨年発売されたドイツの脱出ゲーム『アンロック』はアプリを使って遊ぶゲームです。こういった新しいシステムのゲームがライト層を取り込むことができれば、さらに盛り上がりそうですね」(小野さん)
ホビージャパン
アンロック!
4860円
【プレイ人数:2〜6人】【プレイ時間:60分】【対象年齢:10歳以上】
脱出を目的とした協力型の謎解きゲーム。1箱に入っているカードで、3つの異なるシナリオが楽しめます。流行りの脱出系ゲームが、専用アプリを使用するシステムを導入したのは斬新。