ゲーム&ホビー
2019/4/2 18:00

なかなか侮れない完成度…新元号“令和版”になった「人生ゲーム」を早速遊んでみた

新元号が発表となった日。最速かもしれない「令和」グッズを追ってきました。

 

2019年4月1日、玩具メーカーのタカラトミーは、定番ボードゲーム「人生ゲーム」の新商品として、「人生ゲーム+(プラス)令和版」の2019年6月発売を発表。時代の世相やトレンドを反映しながら50年以上続くシリーズの、通算64作目となる新作です。4月1日の発表でしたが、エイプリルフールネタではありませんでしたよ。

 

↑「人生ゲーム+(プラス)令和版」(実売価格:4298円)

 

この日、午前11時30分過ぎに発表された新元号“令和”をいち早く取り入れた商品。“人生の価値はお金だけではない”をテーマに、これまでの「人生ゲーム」とはまったく異なるゲームになっているようです。

 

「人生ゲーム+(プラス)令和版」の発表日、東京・渋谷ではなんと、できたての商品を先着100名に無料配布するというイベントを実施。会場となった109前は一時騒然となりました。

 

↑渋谷109前の特設会場

 

↑イベント会場では号外も配布

 

新元号の発表日を前に、それは用意周到に準備されていた……

タカラトミーでは、新元号「令和」をとりいれた商品をどこよりも早く実現するために、新商品の内容とパッケージはあらかじめ準備し終えていました。この新商品の「令和版」という名称部分のみ、4月1日当日にシールを印刷・貼付することで最速で完成できたわけです。

 

↑新元号決定前の商品画像

 

↑「令和版」シールを貼付して4月1日に配布されたパッケージ(実物)

 

急ごしらえとはいえ、最後に貼るシールの印刷も、一般的なプリンタで簡易的に行うものではなく「商品としてのクオリティに見合った印刷会社を使ったもの」(タカラトミー広報)というから恐れ入ります。新元号発表を見こして当日に印刷会社がキープされており、最速でプリントされたシールが渋谷に到着、完成したばかりの「人生ゲーム+令和版」その貴重な初期ロットとなる100個が来場者にプレゼントされたのでした。

 

 

「人生ゲーム」が新元号にこれほどこだわったのにも理由があります。50年の歴史を誇る「人生ゲーム」は過去にも新元号の到来を経験していて、1989年に登場した「人生ゲーム平成版」は、当時の世相を反映したゲーム内容で大ヒット商品になっていたんです。

 

↑1989年(平成元年)から商品化された「人生ゲーム平成版」シリーズ。本商品のヒットにより「平成版」は以降「人生ゲーム」のスピンオフ的存在としてシリーズ化することに

 

話題づくり先行型だけど、アナログゲームとしてもこれはなかなか!

「令和版」という名前へのこだわりだけではなく、実は商品そのものもかなり凝っています。お金や家族を増やしながらゴールを目指すスタンダードな「人生ゲーム」とは違い、現代のSNS時代に登場した「人生ゲーム+」は「フォロワー」をたくさん集めることが目的。サイコロの役割をもつ中央のルーレットは同じですが、盤面の中にはゴール地点も存在しません。

 

 

参加するプレイヤーたちの中から10人の「インフルエンサー」が誕生するとゲームは終了。その時点で各プレイヤーが集めたフォロワーの数で勝敗が決まります。……って、文面にすると独特すぎ!? この説明だけだとさすがに理解不能だったので、実際にゲームも体験させてもらいました。

 

↑カードに描かれた条件をクリアすることで入手できる「インフルエンサーカード」。条件が難しいほどたくさんのフォロワーが獲得できます

 

ゲームの盤面、そしてプレイヤーが集めることになるカード1枚1枚に至るまで、「ネットあるある」が満載で、カードを引くたびにクスッときます。ゲームシステムには用語が多いので一見複雑に見えますが、10分も遊ぶとすっかり理解できる作りで、1プレイが30~40分で終わるようになっているコンパクトさも手軽でいい感じ。

 

↑人物ピンを乗せた車(先頭車)。家族のピンを増やしていく通常の「人生ゲーム」と違い、車の後ろにつなげる「フォロワー」を集めていく仕組み

 

↑「人生ゲーム」おなじみのルーレットが配されたゲーム盤、その周りに「フォロワー」を散りばめてゲームを始める。ちなみにフォロワーは「1個あたり100万人」の価値があり、全部で126個を用意。これは大まかに全国民の人口をカウントした数字になっているんだとか

 

↑マス目にはネットあるあるがいっぱい…

 

↑インフルエンサーになるために必要なアイテムカードは4ジャンル・全48種類

 

↑3000万フォロワーを獲得できる最強の「TOP OF インフルエンサーカード」は4種類。どこかで見たことがあるような人物たちがキラキラのカードに描かれている

 

↑一番多くのフォロワーを集めた人が勝ち。ゲーム終了後、集めたフォロワーを先頭車につなげて長さをカウントします(ゲーム盤の端にカウント用のものさしがついている)

 

話題づくり方面にかなり攻めた商品ですが、アナログボードゲームとしての完成度もあなどれないものがありました。(「令和」シールを貼った急ごしらえ版ではない)本番の商品出荷は2019年6月、予約受付は4月26日からスタート予定です。