新元号が発表となった日。最速かもしれない「令和」グッズを追ってきました。
2019年4月1日、玩具メーカーのタカラトミーは、定番ボードゲーム「人生ゲーム」の新商品として、「人生ゲーム+(プラス)令和版」の2019年6月発売を発表。時代の世相やトレンドを反映しながら50年以上続くシリーズの、通算64作目となる新作です。4月1日の発表でしたが、エイプリルフールネタではありませんでしたよ。
この日、午前11時30分過ぎに発表された新元号“令和”をいち早く取り入れた商品。“人生の価値はお金だけではない”をテーマに、これまでの「人生ゲーム」とはまったく異なるゲームになっているようです。
「人生ゲーム+(プラス)令和版」の発表日、東京・渋谷ではなんと、できたての商品を先着100名に無料配布するというイベントを実施。会場となった109前は一時騒然となりました。
新元号の発表日を前に、それは用意周到に準備されていた……
タカラトミーでは、新元号「令和」をとりいれた商品をどこよりも早く実現するために、新商品の内容とパッケージはあらかじめ準備し終えていました。この新商品の「令和版」という名称部分のみ、4月1日当日にシールを印刷・貼付することで最速で完成できたわけです。
急ごしらえとはいえ、最後に貼るシールの印刷も、一般的なプリンタで簡易的に行うものではなく「商品としてのクオリティに見合った印刷会社を使ったもの」(タカラトミー広報)というから恐れ入ります。新元号発表を見こして当日に印刷会社がキープされており、最速でプリントされたシールが渋谷に到着、完成したばかりの「人生ゲーム+令和版」その貴重な初期ロットとなる100個が来場者にプレゼントされたのでした。
人生ゲーム+令和版はさすがにパッケージの印刷では間に合わないのですべてシールを貼りつけて配布しています。歴史に立ち会ってる感ある( ˇωˇ )#新元号 pic.twitter.com/l5y7cbA4y8
— タカラトミー (@takaratomytoys) April 1, 2019
「人生ゲーム」が新元号にこれほどこだわったのにも理由があります。50年の歴史を誇る「人生ゲーム」は過去にも新元号の到来を経験していて、1989年に登場した「人生ゲーム平成版」は、当時の世相を反映したゲーム内容で大ヒット商品になっていたんです。
話題づくり先行型だけど、アナログゲームとしてもこれはなかなか!
「令和版」という名前へのこだわりだけではなく、実は商品そのものもかなり凝っています。お金や家族を増やしながらゴールを目指すスタンダードな「人生ゲーム」とは違い、現代のSNS時代に登場した「人生ゲーム+」は「フォロワー」をたくさん集めることが目的。サイコロの役割をもつ中央のルーレットは同じですが、盤面の中にはゴール地点も存在しません。
参加するプレイヤーたちの中から10人の「インフルエンサー」が誕生するとゲームは終了。その時点で各プレイヤーが集めたフォロワーの数で勝敗が決まります。……って、文面にすると独特すぎ!? この説明だけだとさすがに理解不能だったので、実際にゲームも体験させてもらいました。
ゲームの盤面、そしてプレイヤーが集めることになるカード1枚1枚に至るまで、「ネットあるある」が満載で、カードを引くたびにクスッときます。ゲームシステムには用語が多いので一見複雑に見えますが、10分も遊ぶとすっかり理解できる作りで、1プレイが30~40分で終わるようになっているコンパクトさも手軽でいい感じ。
話題づくり方面にかなり攻めた商品ですが、アナログボードゲームとしての完成度もあなどれないものがありました。(「令和」シールを貼った急ごしらえ版ではない)本番の商品出荷は2019年6月、予約受付は4月26日からスタート予定です。