2022年2月に発表された、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation 5向け次世代VRヘッドセット「PlayStation VR2」および新型コントローラー「PlayStation VR2 Senseコントローラー」は、デザインも一般公開されていますが、今回、ゲーム開発者会議GDC 2022で実物に触れた関係者から、感動したとの声が聞こえてきました。
また、VRゲーム開発者がPlayStation VR2 Senseコントローラーを非常に気に入ったと述べるとともに、視線トラッキング技術などを採用したことを称賛しています。
これは、VRゲームを中心に開発するスタートアップ「Polyarc」の主席エンジニアであるBrendan Walker氏が、PLAY誌の取材で興奮気味に語ったもの。Polyarcは人気VRゲーム『Moss』の開発元であり、ほかにも『Destiny』や『Halo: Reach』など、数々の大作ゲームに関わったスタッフが在籍しています。
Walker氏いわく「新しいPS VR2コントローラーには、とても期待しています。高品質のVRコントローラーがようやく手に入ったのですから。いくつかの理由から、現世代で最高のものになる可能性を秘めていると思います」とのことです。
これまでのコントローラーは「DUALSHOCK 4で片手操作、PlayStation Moveでは両手操作でゲーム」を前提にゲームデザインしなければなりませんでしたが、PlayStation VR2 Senseコントローラーは「両手」がフルに使えます。そう前置きしたうえで、Walker氏は「トラッキングリング」(丸いオーブ型)のデザインを高く評価しており、「両手を近づけて操作することが簡単になる」と指摘。それにより「精度の高いインタラクション」ができる、と予想しています。
またWalker氏は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがPlayStation VR2にフォービエイテッド・レンダリング(プレイヤーの中心視野ほど高解像度に、そして視野の外側に向かうに従い、低解像度で描画する手法)と視線トラッキングを追加したことは、システムの性能に大きく貢献する(CG処理の負担を軽くする)と称賛しています。
その要旨を手短にまとめると、人間の目には中心視野(狭い窓)があり、そこに意識が集中しています。つまり中心視野だけを高解像度に描けば、その視野の外側にあるものは低解像度でも気づかず、PlayStation 5本体にも重い負担を掛けることを避けられる、というわけです。
さらにかみ砕けば、「注目しているところ」だけ念入りに描き、それ以外は粗く描けば、ゲーム機側も処理しやすくなります。実際、GDC 2022ではUnityのシニアXRグラフィックス開発者・Fabien Houlmann氏が、フォービエイテッド・レンダリングと視線トラッキングを組み合わせると、同等のCG品質を保ちながら最大3.6倍のフレームレートが改善できると述べていました。
2020年末に発売された当時、PlayStation 5はモンスター級マシンとされていましたが、今ではゲーミングPCに遅れを取ることになっています。そのうえVRゲームは処理が重くなりがちですが、PlayStation VR2は新技術により軽快に遊べることになりそうです。
Source:Play Magazine
via:Wccftech