過去の据え置きゲーム機を、Raspberry Piなど最新技術を使って再現することは珍しくありません。ですが最近、本物のファミコンのハードウェアを使って初代ゲームボーイと同じサイズの携帯ゲーム機を自作した猛者が現れました。
Twitterユーザーredherring32氏による最新の「フランケンシュタイン」作品、つまり過去の製品を継ぎ接ぎしたものは「TinyTendo」と呼ばれ、ゲームボーイのように十字ボタンやスタート&セレクトにA/Bボタンを備えた携帯ゲーム機です。
このゲーム機に挿されたミニチュアのカートリッジこそカスタムメイド品ですが、本体の中身は本物のファミコン(海外版のNES)を使っているため、アダプターを介せばオリジナルのROMカートリッジも使えるそう。
ツイートによれば「これはエミュレーションでもなく、Piでもなく、NOACでもなく、FPGAでもありません。本物のファミコンのハードウェアです」とのこと。NOACとは「NES-on-a-Chip」のことで、FPGAとはプログラムできる集積回路のこと。詳しい説明は省きますが、どちらも「ファミコンを丸ごと最新技術によりチップ上で再現」することであり、オリジナルのハードウェアは使いません。
This is TinyTendo, a real hardware NES handheld that is the size of the original GameBoy.
This is not emulation, it is not a Pi, it is not a NOAC, and it is not an FPGA.
This is real NES hardware from a real NES.This project will also be open sourced in a few weeks. pic.twitter.com/Csf10EYPcc
— Redherring32 (@redherring32) May 24, 2022
では、どうやって作ったのか? redherring32氏は、本物のファミコン搭載チップをカットしてサンドペーパーで削り、オリジナルの7%以下のサイズにしてRaspberry Pi 3よりも小さなPCB(基板)に収めたとのこと。切断作業はすべて手作業で行われています……ということで、究極のローテクで加工されたようです。
The cut chips are less than 7% of their original size by volume and area, and fit on a PCB smaller than a Raspberry Pi 3.
The cutting process is done entirely by hand. pic.twitter.com/F6zD4ZRlrp— Redherring32 (@redherring32) May 24, 2022
このプロジェクトは数週間後にはオープンソース化される予定で、ほかの人も同じことに挑戦できるようになります。しかし、作業にかかる時間や、そもそも手先が器用でなければできないこと、せっかく作ったものの、もったいなくて持ち出せそうにないことを考えると、公式サービスのNintendo Switch Onlineで「ファミコン」を遊んだほうが、はるかに楽かもしれません。
Source:redherring32(Twitter)
via:NintendoLife