旅行の楽しみといえば、なんといっても旅行先での名物料理。しかし、おなかの調子が悪ければせっかくの料理を楽しむことができません。そこでここでは、旅好きライターの山本美和さんが腸の調子を整えるための私的必需品&テクニックを紹介します。本記事を参考に、旅行前にはしっかり準備をしましょう。
※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年4-6月号(創刊号)」に掲載された内容の完全版となります
旅の最大の目的はやっぱり食。その土地でしか味わえない食事をすると、その味とともに、においや風景が結びついて、旅の思い出がどんどん増えます。「2日目のお昼に食べたアツアツ肉汁たっぷりの小龍包おいしかったね」と、出かけた町の名前は忘れてしまっても、おいしい食事の記憶はしっかり頭に刻まれているもの。
そんな食いしん坊な私の敵はズバリ便秘。だって、おなかが張っているとせっかくの食事のおいしさが3割くらいは減ってしまうから。だから、どんな旅に出かける時にも出発前から腸の調子を整えることに命をかけます。そのため、いつでもすぐに旅行へ持って行けるように、旅行用ポーチには便秘対策グッズを常備しているんです。
私的、旅先対策グッズの中身と使い方
さて、対策グッズの中身と活用法を紹介します。まず出発数日前から整腸剤・ミヤリサン錠を飲んで、旅行中の腸内環境を整える準備。そして、特に飛行機の中でお腹が冷えないように、温熱シートをお腹に貼ります。
さらに、ホテルの部屋の中ではお腹をひねりながら歩き(体をひねると腸が刺激される)、寝る前におなかのマッサージで腸の動きをサポート。これで翌朝はスッキリ快腸になるのです。
それでも旅行の緊張や強い刺激からなのか、2日間便が出なければ便秘薬の力を拝借。旅先の午前中がトイレ探しで終わらないように、お腹が痛くなくクセになりにくい酸化マグネシウム系の便秘薬を夜早めに大量の水と飲みます。すると翌朝はスルスル、おなかが軽い! 朝食からしっかり朝ごはんを満喫できるのです。
この腸対策は、旅での失敗に基づいたもの。なぜか私の腸は、ヨーロッパでは快適、南北アメリカ大陸では動きが悪くなり、ヨーロッパでは現地時間と日本時間の両方の朝にお腹がぐるぐると鳴るほど、旅行の間中、快腸なのです。たぶんヨーロッパの高いミネラル分を含む硬水が腸に合っているのかもしれません。
アジアの場合、最初はお腹が張るが、3日目以降から調子が上がります。それがわかってミヤリサン錠を飲むようになってからは、1日目から調子がよくなりました。
アメリカ大陸は北米、南米ともに腸状態が悪化することが多いです。例えば、南米ペルーでのつら~い思い出。便秘でおなかが張っているのに食べ続けたあげく(ペルー料理は日本人の口にとても合う)、寝込んでしまいました。みかねた現地の知人が薬局で買ってきたのが長さ20cmの巨大浣腸! 薬局の人にすすめられたと言っていましたが、こんなバズーガー砲のようなものを使うのか! と驚きました。が、吐き気さえしていたので、勇気を出して巨大浣腸を打って便秘を解消。その後は快腸のまま旅を続けられました。
台湾では食べすぎでお腹が破裂しそうになり、結局最終日は絶食。美食の国「台湾に来たのに!」と、悔しくて東京で台湾料理に行ってしまいました。
タイでは現地の方にすすめられるまま、とれたての貝を食べたら大当たり! これは便秘の逆パターンですが、下痢止めを持っていなかったので大変な思いをしました。それ以来、便秘薬とともにセイロガンも旅行用薬ポーチのラインナップに加わりました。
とはいえ、3食ともお腹がはちきれんばかりに食べていれば、腸の調子が崩れるのも当然。そこで旅行中は、前日に旅程とともに食事量のスケジュールもちゃんと立てること。例えば夜、フレンチのフルコースを予約しているなら、朝、昼は少し軽めに。フルコースの翌日、お腹が重たければあえて朝食はヨーグルトだけで我慢。色鮮やかなフルーツや、ほかほかのオムレツに目を奪われても、これから出合う食事を100%楽しむために我慢、我慢。逆に朝食がおいしいと有名なホテルに宿泊したときには朝食を満喫するために、前日の夜はごはんやパンなどの炭水化物を控えた夕食を早めに。朝「お腹が空いた!」と思って起きた日の朝の食事のおいしいこと!
腸の調子を整えて、旅先でも毎朝快腸! いつでも軽いお腹でいることが、何よりも旅の食事を120%満喫する秘訣です。
【私が旅先のホテルで行う腸マッサージ】
就寝前に次のマッサージで腸を刺激すれば、翌朝スッキリ!
1.腸ゆらし
あお向けになり、両手を下腹の左側にあてます。軽くその辺をトントンとたたいた後に、おなかに手をあてたまま、腸をゆらすつもりで、手を小刻みに下から上へ、上から下へと行ったり来たりさせて少しずつ移動します。おなかの中央、おなかの右側も同様に。おなかが温かくなるまでゆらします。
2.腰ゆらし
両手を開いて、腰を左右にひねります。腰を左右にひねりながら部屋を歩きまわると、腸がねじれることで刺激が加わり、腸の働きがよくなります。
3.「の」の字
あお向けになり、両手をへその下に。そこからへそを中心に「の」の字を描くように、おなか全体をさすります。おなかがポカポカと感じられるまで行います。
(文/山本美和…旅好きライター。ダイエット、ヘルスケアの記事を数多く執筆)
協力:フィッテ編集部