先について考えるのが際立って得意なわけではない筆者が、常に“先”を意識していることがひとつだけある。それは、10年先の自分の姿をイメージしたトレーニングとコンディショニングだ。32歳の時にかなり体重が増えてしまい、それがきっかけでジム通いを始め、半年を過ぎた頃からトレーナーのアドバイスをそのまま受け容れ、10年先の自分を意識し始めた。あのトレーナーには、今も感謝している。
20年ジムに通ってわかったこと
以来20年以上にわたってジム通いを続けているわけだが、この過程で、かなり自分を追い込む期間が定期的に訪れた。エアロビクス、スイミング、ウェイトトレーニング、ランニングといった運動に特化する時期だ。特にエアロビクスには10年近くハマった。
ただ、コンディショニングということを考えると、どれかひとつだけに絞ってしまうのはちょっと違う気がした。そこで、40代に入ったのを機にヨガやピラティスなどインナーマッスルを鍛えるクラスにも参加することにした。これも、10年先を意識した上での行いだ。
そして50歳半ばを超えた今、筆者はコンディショニングを強く意識している。いや、コンディショニングに強い意識を置いたトレーニングと言った方がいいだろうか。キツいと感じる要素がまったくないと、体が驚かない。予定調和を優先させてしまうと、いくらジムに通っても何の意味もないような気がする。
ジムに通う理由ってなに?
ジムに通う理由や動機は何だろうか? 一番多いのは、おそらくダイエットだろう。次はシェイプアップだろうか。ただ、どちらも長いスパンでとらえなければならない。ダイエットは、開始後しばらくの期間は劇的なレベルで体重が落ちるが、一定の体重に達するとぴたりと止まってしまうことが少なくない。シェイプアップは目で見てわかる結果が出るまでかなり時間がかかる。途中で心が折れてしまっても仕方がないかもしれない。
ダイエットもシェイプアップも、すぐに答えが欲しいというのが本音であるはずだ。しかし、入り口であるここで間違ってしまうと、目的が何であれ、エクササイズという行いにかける時間が無駄になりかねない。
筆者がこれまで出会ってきた数多くのトレーナーやインストラクターが語っていたのは、コンディショニング・トレーニング双方に通じる基礎的な運動の大切さだ。