「朝の5時にはもう家にいないんです!」(畑野さん)
小山先生:これは余談なのですが、動物占いの心理学があるのですが、事前にお二人の占いを拝見してきました。完全に鈴木さんは狼です。ロマンチック、目標設定型なんですね。歯を食いしばって、どんな困難でも乗り越えられる性格です。畑野さんは、動物で言うコアラです。楽しくて。かわいくて、キャッキャするのが大好き。だから“快”と感じたものをやるのが得意な方だったんです。今の話を聞いていると、心理学通りなんだなと感じました。
鈴木さん:コアラなんだね(笑)。
小山先生:コアラって1日に20時間も睡眠をとるんです。転じてコアラさんは、たくさん寝る、つまりは休息を大切にすると幸せになるんです。
鈴木さん:寝ないとダメだよ?
畑野さん:もっと寝ないとダメなのかな?(笑)
鈴木さん:ちなみに僕の睡眠時間は4時間から5時間しか寝ないんです(笑)
畑野さん:もう朝の5時とかには家にいないんです。「どこに行っちゃったの?」ってなります(笑)
鈴木さん:いくら朝が早くても僕は目標を設定したら、やるんですよ(笑)
畑野さん:主人より上を行く人はいないかもしれません(笑)。本当にビックリですよ。私には真似できません(笑)。
小山先生:きっと夫婦やパートナーで取り組む方たちの中では、鈴木さんご夫妻は典型的な形だと思います。男性のロジカル系、女性のフィーリング系なので、お互いの個性を認め合ってやることが大事になってきます。
鈴木さん:理解すれば、「あ、そうなんだ」って思いますもんね。
小山先生:ご主人からすると楽しくやれているか、脳が“快”と感じているかを確認していってあげることが大切です。女性側からすると、例えば3か月で5キロ痩せると考えている方がいたら、5キロ痩せた暁にはどんなことをしたいの?と目標をフォーカスすることができれば、その人にとっては苦しいことかもしれないけど頑張れるというのはあるかもしれませんね。
鈴木さん:あと、僕はトレーニングをしたあとに「体が大きくなったね」とか言ってほしい(笑)。
畑野さん:いつも聞いてくるんですよ(笑)。「どう?」って。でも、次女が「うん!」としっかり答えてくれています。たとえば「今日、違わない?」と聞かれて、私が「ここ?」と聞くと「違う!」と言われます(笑)。
鈴木さん:もっと俺を見ろと(笑)。やっぱり自分としては、目標を設定してやると楽なんです。目的がない中ではできないタイプなので、自分の理想を決めて取り組んでいますね。妻も最近は念入りに肋骨ストレッチをやったりしています。
畑野さん:そうだね。最近、呼吸が浅くなってきたなと感じていて、自律神経の乱れや、肩こりや頭痛がありました。コロナで色々と不安になったり、子どもたちの健康管理をしなければいけない。普段に増して母として考えることが増えました。それで気持ちの波が大きくなってしまっていたときに、調べて呼吸がすごく大事だと知りました。そこで、肋骨が硬いと呼吸が浅くなると聞いてストレッチをするようにしています。やっているという安心感もあるかもしれませんが、少しずつ変わってきている感覚がありますね。
小山先生:とても良いと思います。素晴らしい取り組みです。
畑野さん:やっぱり毎日、毎日、制限がありますよね。友達とのランチも行けなくなりまし、本当は気晴らしに買い物に行きたいけど行けないとか。そういうのが2年近く続いています。
あとは体調不良の日が増えてきた気がするんですよね。いまの制限される世の中の影響もそうですし、ホルモンバランスかもしれないし、更年期が始まったのかな? とか色々と考えるようになりました。その中で、呼吸がすごく大事だと思っています。基本的なことを改めてみようと思ってやっています。
鈴木さん:すごい変わったよね。
畑野さん:でも、まだもうちょっとかな。やっぱり疲れるんですよ。夜ご飯を作ったあとに休んでからじゃないと片付けられないんです。背中や腰が痛かったり。昔はそんなことなく動けたのに、最近はスーパーに行って帰るだけでも疲れてしまいます。こんなに年齢で変わっちゃうのか、こういった時期だからなのか、すごく色んなことを考えるようになりました。このまま更年期になって、もっと疲れやすくなったらどうしようって不安も出てきてしまっている。だから、母として妻として元気で家のこともやらないといけないと思うと体の健康は今まで以上に重要視していかないといけないなと感じています。
小山先生:どうしても45歳から55歳くらいまでは更年期に悩まれる方は多いです。そこを抜けちゃえば男性よりもバイタリティが上がって、女性のゴールデン期が始まると言われています。男性は、残念ながら60歳を過ぎると女性のバイタリティに抜かれてしまいます。70歳ぐらいになると、奥様のほうがパワフルで元気ハツラツな家庭もよくありますよね。あれもホルモンバランスが関係しています。だから、この10年は次のゴールデン期のための進化するための10年です。正直、申しますと、この10年はすぐに疲れるし、痩せるのが難しいし、肌荒れ、眠れなくなります。でもそれを超えたときに必ずゴールデン期が来ます。
お互いが求めていることが分かるとサポートの掛け声の仕方が変わってくる
――2人で協力して取り組むことが、このプロジェクトのキーワードにもなっています。
鈴木さん:妻が僕の目標に付いてきてもらって、常にプレッシャーを掛けてほしいですね。「それで、やれてる?」みたいな(笑)。いまは逆に「そんなにやらなくていいんじゃない?」って言われるので厳しく言って欲しいです(笑)。
畑野さん:それは、いつも「疲れてる」って言っているのにやるからでしょ(笑)。
鈴木さん:違うんだよ。「疲れているけど、頑張ってるね」って言ってほしいんだよ(笑)。「疲れているのに行くの?すごいねぇ!」って言ってほしいのよ(笑)。
畑野さん:じゃあ、そうするね(笑)。
鈴木さん:うん(笑)。そして、お互いが求めていることが分かるとサポートの掛け声の仕方が変わってくると思います。「キレてるよ、いいよ!」っていうのに変わってくると思うし、僕は妻に対して「感覚的に楽しい?」「それはいい感じ?」と聞いてあげることが大事なんでしょうね。
小山先生:これは男性にありがちなのですが、目標設定型なので自分に厳しくできるので、奥さんや彼女にダメ出しをしがちなんですよね。
鈴木さん:僕はダメ出ししかしてないですね(笑)。
畑野さん:私は負けないですけどね(笑)。
小山先生:女性にはダメ出しをするのではなく、できたことにフォーカスをして褒めてあげることができれば「こういう活動は心地良いんだ」と感じることができます。「まだここが足りない」「結局、食べてたじゃない?」とかなると、健康活動が不快のカテゴリーになってしまうんです。
新たに何かに取り組もうとしている夫婦がいたら、できないことが多いと思います。子育てもそうですが、生まれたばかりの頃は一つ何かできるようになるとたくさん褒めますよね。それと全く同じスタイルで男性は女性に褒めてあげること大事になります。
鈴木さん:なるほど。これは、参加者の皆さんはマジでそうしたほうがいいと思います(笑)。いま自分の行動や言動が痛いほどダメなんだと思い知らされています(笑)。
でも「痩せたい」「もっとこういうふうにしたい」と言っていても行動が伴っていない場合があると思います。その場合はどうしたらいいんですか?
小山先生:よくある統計の話をすると、「本当はどうなりたいの?」というのを一緒に夫婦で考えると。「本当はどうなりたいの?」と聞くと「本当はヘルシーなご飯を食べたいよ」とか本当の気持ちが吐露されると、お互いが理解を深めてハッピーな気持ちになっていくと思っています。男性側は、しっかり腰を据えて言うんじゃなくて本心を引き出すことが大事です。
――この対談をしてみて感じたことなど教えてください。
鈴木さん:自分の考えをどうしても主張したくなりますが、寄り添うことが大事なんだなと感じました。お互いのことを理解して、協力し合うことが大事かなと。一人では気付けないこともあります。近くにいるパートナーと共に健康になっていくために、お互いの個性を理解してコミュニケーションを取ることが大事だと改めて思いました。
畑野さん:一緒に頑張る。見守っていてもらえることで客観的に見てもらえます。自分だけではできなかったことが、外からの意見を取り入れることで、一緒に喜んだりできると思います。その過程があるから数ヶ月頑張れるのかなと感じました。
小山先生:健康になっていくココロとカラダを整えるプロジェクトは、人生が幸せになるための最高の切符です。せっかくですので良い意味で、このプロジェクトに乗っかって二人で褒め合いながら、男女の個性を理解して楽しくチャレンジしていくことが大事だと思います。ぜひ、ワクワクやっていけたらなと思っています。
お互いの価値観を認め合い、パートナーとコミュニケーションを取ることで2人一緒に目標への歩みを進めていく――。それが、このプロジェクトで最も重要だということを改めて感じました。
撮影/寺坂ジョニー、ヘアメイク/シバタロウ(P-cott)、衣装/THIRD MAGAZINE デニムジャケット\4万7300円、サテンハイウエストパンツ\3万3000円