家電
2024/12/29 19:15

【2024年の感動家電ベスト5】「そう来たか!」家電のプロが唸った電気ケトルって?

2024年に発売された数多くの家電のなかで、プロの心をもっとも動かしたアイテムは何だったのか? 今回は、テレビや雑誌、YouTubeなど数多くの媒体で活躍する家電ライフスタイルプロデューサー・神原サリーさんにベスト5を挙げてもらい、感動ポイントを語っていただきました!

私が解説します!
家電ライフスタイルプロデューサー・神原サリーさん

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、家電ライフスタイルプロデューサーとして独立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、東京・広尾の「家電アトリエ」をベースにテレビやラジオ、雑誌やウェブなどさまざまなメディアで情報発信中。家電を「感動ベース」で語れる担い手として、その独自の視点にメーカーの開発者やマーケティング担当者のファンも多い。

 

1.「おいしくて使いやすくて、お手入れがラク。肌も胃腸も調子がいいのです」

ヒューロム 

スロージューサー H70ST

実売価格6万5780円(税込)

食材にかかるストレスや熱を最小限に抑え、ゆっくり、しっかりと搾汁。熱に弱い酵素やビタミンC等も壊さずに抽出でき、空気の混入も少ないため食材の酸化も抑えます。内径13cmのメガホッパ―を採用することで、食材を小さく切る手間が不要。皮ごと食材を入れスイッチを入れたら、ハンズフリーでジュースが完成します。アタッチメントを変えれば、凍らせたバナナやベリーなどの果実を使ったフローズンデザートも作れます。

↑内径13cmのメガホッパ―採用で、食品を細かく切らなくてもOK

 

【サリーさんの感動ポイント】

「果物や野菜の下ごしらえが不要でほったらかしでOK。おいしくて使いやすくて、お手入れがラク」これに尽きますね。また、静音性も優秀で、テレビのロケのときに、運転を止めずに話しても大丈夫だったほど。ヒューロムのメガホッパー付きスロージューサーのなかでも断然スリムで設置性がよく、シンプルで美しいデザインも気に入っています。

 

アトリエではほぼ毎日、これを使ったフレッシュジュースを飲んでいて、とにかく肌も胃腸も調子がいいのです。家族のリクエストで自宅にも一台導入。息子によるとダイエットにも役立ったようで、「おいしくて腹持ちがいいから、食べる量が減ってお腹の調子も快調」とのこと。野菜や果物をたっぷり摂りたいけれど、準備や後片付けが面倒なのは苦手という方にはぴったり。消化がよくて胃腸に優しいので、病後や高齢の方にもオススメです。

↑搾りかすの中に不溶性食物繊維を排出することで、舌触りがよく、消化吸収の良いジュースができます

 

2.「格調高いデザインに一目惚れ。カフェラテやラテマキアートがカンタンに作れます!」

ネスプレッソ 

ヴァーチュオ クレアティスタ

実売価格9万9000円(税込)

独自の「セントリフュージョン(遠心力抽出法)」を搭載。カプセルを回転させながら遠心力を使ってお湯を注入することでコーヒー豆全体にお湯を行き渡らせ、豊かなアロマと味わいを引き出します。フォームミルクの温度とテクスチャーの調節が可能な「ミルク温度ボタン」と「ミルクテクスチャーボタン」を搭載し、カフェラテやラテマキアートなどの各レシピに最適なフォームミルクを簡単に作ることができます。

↑「ミルク温度ボタン」と「ミルクテクスチャーボタン」でそれぞれ好みのレベルに設定。スチームボタンを押すだけで、レシピに応じた最適なフォームミルクが作れます

 

【サリーさんの感動ポイント】

ステンレススチールの質感となめらかな曲線を描くフォルムが織りなす格調高いデザインに一目惚れ。そこにあるだけで、まるでカフェにいるかのようで心が躍ります。スチームパイプの円を描く持ち手と、内側に施された赤い色も素敵!

 

使い方は、実はとても簡単。スチームボタンを押すだけで、ふわふわモコモコのカフェラテやラテマキアートを楽しめるなんて、まさに感動もの。これまでブラックで味わうことが多かったコーヒーにミルクレシピが加わって、仕事の合間のカフェタイムがぐんと充実しました。お客様にお出しすると驚かれるのも、ちょっとうれしいポイント。エスプレッソからラテマキアートまで多彩に楽しめるので、家族でコーヒーの好みが分かれる場合もおすすめですよ。

 

3.「取り回しの良さに納得。苦手だったアイロンがけが楽しくなりました!」

パナソニック 

コードレススチームアイロン NI-QL300-Y(サニーイエロー)

実売価格6600円(税込)

パナソニック史上最軽量クラスの約750gで、手に収まるサイズ感のコンパクトモデル。スタンドは長さ約235mmと省スペースで置けるのも特徴です。約50秒で素早く立ち上がるのでサッと手軽に使えるほか、スリムヘッド採用で細かい作業がしやすく、ドライ/スチームのモード切り替えもワンプッシュでOK。キャリーケースが付属し、準備も片付けもカンタンです。

↑収納に便利なキャリケースが付属

 

【サリーさんの感動ポイント】

コンパクトなデザイン、気持ちが明るくなるサニーイエローのカラーに感動! 小回りの利く機動性やコードリール付きで収納性がいいところなど、取り回しの良さに納得しました。パワフルなスチームショットで、衣類スチーマーのように使えるのも本当に便利。軽くて手軽に使えるので、苦手だったアイロンがけが楽しくなり、腕前も上達した気分です。アイロン嫌いな人、衣類スチーマーだけでは足りず、プレスできるアイロンを探している人、アイロンのコードが邪魔だと思っている人などにオススメ。お手ごろ価格なので、友人やお世話になった方へのプレゼントにしてもいいですね。

↑スリムヘッド採用で細かい作業がしやすいです

 

4.「電動ノズルが付属し、『最強の掃除機』に。コードレススティック掃除機が不要になりました」

シャークニンジャ

EVOPOWER DX(エヴォパワー デラックス) WV517JST

実売価格3万4980円(税込)

初期モデル「EVOPOWER W35」との比較で吸引力が2.5倍にアップ。駆動時間が従来の35分から最大40分に延びたほか、ハンドルの角度を変え、フィンガーグリップ部分にゴム素材を採用するなどしてより扱いやすくなりました。前モデルの「EVOPOWER EX」よりLEDヘッドライト照射の幅を広くし、より多くのゴミを照らし出せるのも便利です。

↑より手にフィットしやすいよう、ハンドルの角度を変えました

 

【サリーさんの感動ポイント】

「EVOPOWER」シリーズはスタイリッシュなデザインとカラーが魅力ですが、特に本機のライトモカは上品な色合いでアトリエにも馴染んでいて大好きです。さらに、吸引力も駆動時間もアップしたうえ、カーペットやラグにも使えるフロア用電動ノズルが付属したことで「最強の掃除機」になりました。コードレススティック掃除機が不要になり、もはやロボット掃除機とこのEVOPOWER DXがあれば十分。一人暮らしや高齢の方のメイン機としてもオススメです。

↑フロア用電動ノズルを使えば、通常の掃除機として使えます

 

5.「『そう来たか!』と唸るデザイン。沸くまでの時間で、目でも耳でも癒してくれる」

バルミューダ

MoonKettle(ムーンケトル) KPT02JP

実売価格2万7500円(税込)

古くから使われ続けるやかんの機能美をとり入れ、現代の道具としてコンパクトにデザインされた電気ケトル。湯沸かしを待つ間、電源ベースが優しく発光し、サウンドが流れるのがユニーク。半月型のハンドルによるスムースな注ぎ心地も特徴です。湯温は50℃から100℃まで1℃単位で温度設定が可能。KEEPボタンを押すと、30分間温かい状態を保つことができます。容量は900mlで、カラバリはブラックとホワイトを用意。

↑50℃から100℃まで1℃単位で温度調整が可能です

 

【サリーさんの感動ポイント】

円を描いた取っ手が何とも味わい深く、道具としての美しさが光るデザインで、発表会で初めて見たときに「なんとまあ、そう来たか!」と唸ってしまいました。現在は、ホワイトモデルをアトリエのデスクからもっともよく見えるところに置いて、見るたびに「うふふ」とほほ笑んでいます。眺めているだけで幸せになるのです。

 

お湯を沸かし始めると、ケトルの下のLEDライトが光り、ゆらゆらと炎のようなゆらめきを見せて電化製品ではないような趣があります。カチコチという時を刻むようなサウンドも聞こえてきて、目でも耳でも癒してくれるのはさすがバルミューダ。お湯が沸くまでの時間まで楽しいものに変えてしまうなんて! 温度調節機能がついているので、いろいろな飲み物に応じた湯温で沸かしたい人にもいいですし、何より、デザイン性や世界観を大切にしたい人にオススメです。

↑沸かしている間、電源ベースが発光してサウンドが流れます

 

2025年の家電は「インテリアそのもの」と言える質感、デザインを実現してほしい

2024年はコンパクトで高級感のあるもの、機能性にもデザイン性にも優れた家電が増えてきたのはうれしいことです。コンセプトモデルの段階でしたが、5月には日立の冷蔵庫「Chiiil(チール)」とカリモク家具がコラボした「家電なのに家具」といったモデルが登場したのも興味深いことでした。

↑日立Chiiilとカリモク家具が共同開発したプロトタイプ

 

10月には、シャープが隈 研吾さんの事務所に監修をお願いした木製の空気清浄機が登場していますし、「家電の家具化」や、バルミューダのMoonKettleに見られるような「和のデザイン」はこれからも顕著になるのではないでしょうか。そして、それは日本の家電が世界へと羽ばたいていく証になると思います。

 

2025年は、「インテリア性が高い」のではなく、「インテリアそのもの」として存在できるような質感、デザインの家電を望みます。また、「思いがけない場所に置ける〇〇」「思いがけない形をした〇〇」…というように、私たちが「当たり前」だと思っていた暮らしを変えてしまうような、新しい提案ができる家電の登場にも期待しています。