手を汚さずゴミが吸い取れる掃除機は、ほぼ一家に一台ある便利な存在。しかし、従来の掃除機は濡れたゴミが吸えないという問題がありました。とはいえ、ベタベタした食べこぼしやペットの粗相など「濡れゴミ」こそ手を使いたくないという人も多いでしょう。そんな「濡れゴミ」問題を解決してくれそうなのがシリウスから4月21日に発売する「水洗いクリーナーヘッド『switle(スイトル)』」(以下、スイトル)です。本製品は製品ジャンル名に「水洗い」とあるように、カーペットにこびり付いたシミも水洗いするように掃除できるといいます。そんなスイトルの実力は実際どのようなものなのか? 本製品を体験できるイベントに参加してきました。
掃除機のパイプの先に装着し水も固形物も吸い取る!
スイトルはハンディクリーナーのようなデザインですが、実は「クリーナーヘッド」。つまり、家にある掃除機のパイプの先に装着して使う「付属ブラシ」のような位置づけです。
使い方も簡単で、前準備はスイトルを掃除機に装着したあと、本体中央にある水タンクに水を最大500ml入れるだけ。あとは、つなげた掃除機を運転すると、ヘッド先からキレイな水が噴き出して床やソファーなどを「水洗い」してくれます。しかも、水を噴出すると同時に汚れた水を吸引するため、フローリングやカーペットなどを「水洗い」するにもかかわらず、濡れることはないそうです。
アクアサイクロン技術で水の逆流をシャットアウト
ちなみに、いままでも「水も吸える掃除機」はありました。ただし、今までの水を吸い込む掃除機は、本体内に「清水」と「汚水」を分離するための広いスペースが必要。このため、本体サイズが大きくなりがちで業務用として使われるケースがほとんどでした。しかも、同社によると、従来の製品は構造上、どうしても「汚水が染み出る」トラブルが発生しやすいといいます。
一方、スイトルは見てわかるように、家庭でも収納しやすいハンディクリーナーサイズ。これは、水と汚水を分離するためのコンパクトな「アクアサイクロン」技術を使っているためです。本体上部の空気吸引部には「逆噴射ターボファンユニット」と呼ばれるファンが内蔵されていて、掃除機が空気を吸い込む力でこのファンが高速回転します。この回転で本体上部に風の力による「空気の壁」を作り、空気だけを掃除機で吸引。ゴミを含んだ汚れた水を本体内のタンクに溜めていくのです。
ラーメンを落としても一瞬でキレイに!
今回行われた体験イベントでは、とにかく様々な汚れを落とすデモンストレーションが行われました。まず行われたのは「白いカーペットにコーヒーをこぼす」というデモ。最初に雑巾でゴシゴシと拭きますが、シミが少し薄くなるだけで、むしろカーペットに汚れを擦り付けているようにも見えます。ところが、シミの上をスイトルで通過すると、ほとんど目立たないくらいにコーヒーのシミがキレイになりました。
ちなみに、このスイトル。ノズルを少し浮かせると水を出さずに吸い込み、ノズルをしっかりと床に接地させると水を出して掃除します。このため、汚れた水分だけでなく固形物も掃除可能です。この機能を見せるために、会場ではなんと「カーペットにラーメンを落とす」というデモも行われました。ノズルを少し浮かせて麺や具材などの固形物を掃除したあと、ノズルを床に押し付ければ、カーペットに残ったスープも軽い力で掃除できます。
除菌水を使えばニオイも取れるため排泄物にも有効
世の中には「水だけでは落とせない」汚れもあります。特に問題になるのが油汚れや臭いです。この点も、最初に汚れを洗剤で予洗いし、その後スイトルで汚れと洗剤を「すすぐ」ことで解決できるといいます。イベントではカーペットにしみこんだソースを、予洗いして落とすデモも行われました。ただし、スイトルは「泡」には弱いため、このようなケースでは重曹などの「泡立たない洗剤」を使う必要があるそうです。
また、スイトルの水タンクに同社の「除菌水の素」を混ぜることで、ニオイの抑制もできるそう。会場では「4日間スルメを漬けておいた液体」を除菌水で掃除したところ、臭いがかなり薄くなっているのが確認できました。除菌水はペットの排泄物などにも有効ということなので、ペットの粗相や猫のリバース問題にも役立ちそうです。
掃除機本体の故障を防ぐ配慮もうれしいポイント
スイトルは、デモンストレーションを見る限り、「なんでも吸う」という驚きの製品でした。離乳食をまき散らす子育て世帯などには、かなり強い味方になってくれそうです。また、除菌水を使えばニオイや菌も抑制してくれるので、猫の朝リバースや犬の粗相など、ペットがいる家庭でも重宝しそうです。
ちなみに、スイトルは「掃除機の先にとりつける」製品のため、「本当に掃除機に水が入らないの?」と心配する人も多いと思います。この点は、前述した逆噴射ターボファンユニットや、「ノズルを浮かすと瞬時に水がカット」する機能でほぼ水の逆流は防げるそう。万が一スイトル本体が倒れても、水の逆流を防ぐ「鋼球弁パイプ」があるので安心です。ちなみに、通常の使い方をして万が一壊れた場合は、掃除機も保証対象とする準備も進めているとのこと。最近は掃除機も高価格化しているので、掃除機本体の故障を防ぐ配慮もうれしいポイントです。税抜1万9800円と価格はやや高いですが、ペットオーナーをはじめ、「濡れ汚れ」に悩まされることが多いなら、購入を検討すべきアイテムです。この便利さからすると、「一家に一台」となる日もそう遠くないかもしれません。