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2017/7/19 21:38

【掃除機9項目テストまとめ】「軽い」「使いやすい」だけじゃない! 東芝「トルネオ V コードレス」驚きの万能ぶりが判明

本サイトでは、最新コードレス掃除機のなかでも、特に人気の高い5機種を集め、9項目で徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、軽快な操作性が魅力の東芝「トルネオ V コードレス VC-CL1300」に注目し、そのテスト結果を振り返っていきます。

 

軽い力で掃除できゴミを掃き出す機能も搭載

20171406-s3 (13)

東芝

トルネオ V コードレス VC-CL1300

実売価格4万9650円

8気筒の気流で微細な粒子を分離、集じんしたゴミも圧縮する「バーティカルトルネードシステム」を搭載。グリップの形状と重心バランスの改良により、軽い力で自在に掃除できます。掃除機が使えない場所のゴミを強い風で掃き出す「エアブローノズル」を装備。●W224×D224×H1030mm/1.9kg

 

【テストその1 フローリングでの吸引力は?】

大きめのゴミは残るも粉ゴミは完全に集じん

今回のテストは、フローリング上の幅45cm×長さ90cmの範囲にタブレット100粒、重曹20g、長さ5cm×幅1〜2mmに細長く切った紙ゴミ2gを撒き、床面を1回走行。どれだけゴミが取れたかを検証しました。掃除方法は、まず中央を前進したあと、左側のゴミを後退しつつ集じん、最後に右側に移って前進しながら集じん。通常の掃除に比べてゴミの量が格段に多いため、掃除機には極めて負荷のかかるテストです。運転モードは、電源を入れたときにデフォルトとして設定されているモードを使用しました。

↑このような状態の床でテストします
↑このような状態の床でテストします

 

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自動モードでテスト。ヘッド前面と床の間の隙間が狭いせいで、紙ゴミもタブレットも前に押し出されてしまいます。一方、重曹はほぼ完璧に集じんしていました。

 

その後ヘッドを少し持ち上げたりしながら掃除しましたが、タブレットがかなり残ってしまいました。ダストボックスの集じん容積が0.2ℓと小さめなせいか、後半はヘッドを持ち上げても吸いきれないタブレットがありました。

 

【テストその2 カーペットでの吸引力は?】

丁寧に掃除機がけすればしっかり集じんできる

今回はカーペット上の幅45cm×長さ70cmの範囲に、タブレット100粒、重曹20g、長さ5cm×幅1~2mmに細長く切った紙ゴミ1gを撒き、カーペット上を走行。どれだけゴミが取れたかを調べました。

 

今回は、より過酷なカーペットでの掃除ということで、全体にゴミの取れ方が良くないことが予想されるため、フローリングに比べてより長い時間をかけてテストすることに。掃除方法は、まず中央を前進したあと、左側のゴミを後退しつつ集じん、最後に右側に移って前進しながら集じんしました。さらに、一度の走行で掃除を終えるのでなく、30秒間掃除を続けました。運転モードは、電源を入れたときにデフォルト設定されているモードを使いました。

↑カーペット上にこのようにゴミを撒いて、検証しました。使用するカーペットは毛足が短いものの、重曹は繊維の奥に沈み、紙ゴミも毛に絡まりがちです

自動モードでテストしました。本機もヘッドがカーペットに吸い付き、やや掃除しづらいです。タブレットの除去はまずまず。

 

↑最初の1ストローク。この時点で紙ゴミはかなり残っているものの、タブレットはそれなりに集じんできています
↑最初の1ストローク。この時点で紙ゴミはかなり残っているものの、タブレットはそれなりに集じんできています

 

全体を一回走行し終えた段階では、まだまだゴミ、特に紙ゴミが残っています。その後も30秒の制限時間まで掃除を続けたところ、約8割が集じんできた印象です。紙ゴミは一度の走行で取れるわけではなく、何度も掃除機がけして徐々に除去する、というイメージです。本機に関しては、タブレットはほぼ集じんでき、時間はかかりますが、紙ゴミの集じんもまずまず良好、といったところ。重曹は最初の掃除機がけで問題なく取れていました。

↑全体を一回走行したところ。この時点でタブレットの数はかなり少なくなってきています。紙ゴミの残りは多いが、その後も掃除を続けることで、着実にゴミが集じんできていました
↑全体を一回走行したところ。この時点でタブレットの数はかなり少なくなってきています。紙ゴミの残りは多いですが、その後も掃除を続けることで、着実にゴミが集じんできていました

 

↑これもシャープ同様、複数の種類のブラシがらせん状に並んでいます。ヘッド吸い込み口の幅は175mmと狭め。ブラシはモーター駆動です
↑ヘッドには複数の種類のブラシがらせん状に並んでいます。ヘッド吸い込み口の幅は175mmと狭め。ブラシはモーター駆動です

 

【テストその3 操作性は?】

本体が軽くラウンドハンドルも操作しやすい

本機はスティック掃除機として使うときの重さが1.9kgとかなり軽量。ブラシの回転が前への走行をサポートし、ハンドルを手に下げたまま軽くヘッドを前後に動かせます。ハンドルはラウンド構造でなおかつ大きめなので、掃除の動きによって握る場所を変えられるのが便利。左右へのヘッドの方向転換も快適です。

↑前後の掃除機がけは4本の指にハンドルをかけたまま軽く動かせます(写真上)。ハンドルの形状が緩やかなラウンド型なので、テーブルの脚周りの掃除や階段の掃除、ハンディとして使うときなど、用途によって手首に負担のかからない位置を選べるのも便利。ハンドルの内側に施された溝がグリッブ力を高めています(写真下)
↑前後の掃除機がけは4本の指にハンドルをかけたまま軽く動かせます。ハンドルの形状が緩やかなラウンド型なので、テーブルの脚周りの掃除や階段の掃除、ハンディとして使うときなど、用途によって手首に負担のかからない位置を選べるのも便利。ハンドルの内側に施された溝がグリッブ力を高めています

 

↑左右の首振りは、パナソニックやシャープよりさらに深い角度に可動します
↑左右の首振りはかなり深い角度に可動します

 

また、本体を捻りながら床に下ろすことで、ベタ付きしてもヘッドが浮かず、高さ6cm程度の隙間も掃除できます。なお、ハンディ機として使う場合、サイクロン機構などを丸ごと搭載した本機はやや重め。女性が片手で使うのは大変そうです。充電時間約5時間で、自動モードで約8分~約20分、強モードで約8分連続運転が可能。セーブモードなら約20~約25分連続運転できます。

 

【テストその4 ゴミ捨て・メンテのしやすさは?】

表示が丁寧なため取説なしでも分解・組み立てが簡単

この機種も小型軽量タイプということで、ダストカップ容量は0.2ℓと小さめ。小まめなゴミ捨てがオススメです。ハンドル部と集じん部の接続部のダストカップ着脱用ボタンを押してカップを取り外し、「ゴミ捨て」ボタンを押してフィルターケースを外してゴミ捨て。また、分離・集じん用の気流を使ってゴミを圧縮する機能を搭載していて、ゴミ捨ての際のホコリの舞い上がりを抑えられるのがメリットです。

↑ダストカップ根元の両サイドのボタンを押してカップを外します。両側を押す必要があるのは、やや面倒
↑ダストカップ根元の両サイドのボタンを押してカップを外します。両側を押す必要があるのは、やや手間

 

ダストカップ・集じん部のパーツは5つ。本機は微細なゴミも分離する8気筒のサイクロンを搭載していますが、このサイクロン部も含め、集じん部のパーツ全てを水洗いできます。また、ダストカップやダストカップカバーに「ゴミ捨て」「お手入れ」と書かれたボタンがあり、取扱説明書なしでも簡単に分解できました。分解する箇所は多いですが分解は簡単で、掃除機もまめにキレイにしたい人に最適です。

↑写真左からダストカップ、分離ネット、ダストカップカバー、排気清浄フィルター、上部カバー。サイクロン部も排気清浄フィルターも水洗い可能なのはうれしいです。また、ダストカップカバーに分解の仕方がプリントしてあります。一方ヘッドブラシはベルト駆動で、ベルトの取り外しと装着には苦労しました
↑写真左からダストカップ、分離ネット、ダストカップカバー、排気清浄フィルター、上部カバー。サイクロン部も排気清浄フィルターも水洗い可能なのはうれしいです。また、ダストカップカバーに分解の仕方がプリントしてあります。一方ヘッドブラシはベルト駆動で、ベルトの取り外しと装着には苦労しました

 

↑ブラシを駆動するベルトがかなり固めで、取り外しが大変。ブラシカバーもコインなどがないと開けられません
↑ブラシを駆動するベルトがかなり固めで、取り外しが大変。ブラシカバーもコインなどがないと開けられません

 

【テストその5 設置性・運転音は?】

ホルダーにセットと同時に充電できないのがやや残念

ネジ止め式の壁掛け用ホルダーが付属。ホルダーのフックを本体裏の穴に引っ掛けてセットする方式で、スムーズに収納できます。ただし、充電が本体をセットすると同時にできないのが、ややスマートさに欠けるでしょうか。ネジ止め式なので壁や家具に穴を開ける必要があり、ややユーザーを選びます。

↑写真ではやや見にくいですが、充電台上部にあるフックを掃除機台座に開けてある穴に差し込んで本体を固定させます
↑写真ではやや見にくいですが、充電台上部にあるフックを掃除機台座に開けてある穴に差し込んで本体を固定させます

 

↑本体を充電台に固定してから、充電プラグを差し込みます。見た目にも、スマートとはいえないのが残念
↑本体を充電台に固定してから、充電プラグを差し込みます。見た目にも、スマートとはいえないのが残念

 

運転音に関しては、「ゴミ残しまセンサー」を搭載しているため、ホコリを見つけると運転音が上がります。ただ、その場合の耳障りな音や、ノズルの回転で起きる音はやや小さく感じました。

 

【テストその6 独自性・汎用性は?】

排気を使ってすき間に溜まったゴミを吹き飛ばす独自機能を搭載

アタッチメントにエアブローノズルが付いているのが他機種にない特徴。同ノズルを吸込口の下に装着し、排気を使って窓のサッシのみぞに入ったゴミや玄関前の落ち葉などを吹き飛ばすことができます。

↑本体の下にエアブローノズルを装着。ノズルの角度は4段階で切り替えられます
↑本体の下にエアブローノズルを装着。ノズルの角度は4段階で切り替えられます

 

↑エアブローノズルを使い、窓のサッシの溝などのゴミを吹き飛ばし、その後それを集じんします。風の強さは2段階で切り替えられます
↑エアブローノズルを使い、窓のサッシの溝などのゴミを吹き飛ばし、その後それを集じんします。風の強さは2段階で切り替えられます

 

また、本機は東芝独自のバーティカルトルネードシステムを採用しており、サイクロン部のフィルターなしで吸引力を99%以上持続できます。これにより、フィルター掃除の手間が軽減できます。

 

5種類のアタッチメントを搭載し汎用性はトップクラス!

アタッチメントはすき間ノズル、丸ブラシ、エアブローノズル、ふとん用ブラシ、付属品用ホースの5個と豊富で、幅広い掃除ができます。前述のエアーノズルはもちろん、ふとん用ブラシでふとんの掃除ができるのもうれしいポイントです。

↑写真左から丸ブラシ、すき間ノズル、エアブローノズル、ふとん用ブラシ、付属品用ホース
↑写真左から丸ブラシ、すき間ノズル、エアブローノズル、ふとん用ブラシ、付属品用ホース

 

↑本体と延長パイプの間にホースを入れれば、エアコンの掃除にも使えます
↑本体と延長パイプの間にホースを入れれば、エアコンの掃除にも使えます

 

↑本体にふとん用ブラシを装着。セーブモードで掃除することで、シーツなどを吸い込むことなく掃除できます
↑本体にふとん用ブラシを装着。セーブモードで掃除することで、シーツなどを吸い込むことなく掃除できます

 

【結論 東芝 トルネオ V コードレス VC-CL1300はこんな人にオススメ 】

操作性と汎用性が高い! 一台で様々な場所を掃除したい人に

「吸引力」はフローリングではやや非力さを感じさせましたが、カーペット上では他機種と比べて、かなりバランスよく集じんできていました。フローリングで苦戦していたのは、ヘッド前面と床面の隙間が狭かったためで、フローリングでは少しヘッドを浮かせて掃除するなど丁寧に掃除機がけすれば、フローリング上でもカーペット上でも問題なく掃除できると思います。

 

「操作性」に関しては、スティック掃除機で使うときの重さが1.9kgと極めて軽量。ヘッドの首振り角度も大きく、ハンドルも手首に負担のかかりにくいラウンド形状も手伝って、室内をラクラク掃除できました。ゴミセンサーを搭載し、目に見えない微粒子ゴミや、視界が遮られて見えない場所での掃除でも、ホコリやゴミの有無を確認しながら掃除できるのもポイントです。

↑前後の掃除機がけは4本の指にハンドルをかけたまま軽く動かせます(写真上)。ハンドルの形状が緩やかなラウンド型なので、テーブルの脚周りの掃除や階段の掃除、ハンディとして使うときなど、用途によって手首に負担のかからない位置を選べるのも便利。ハンドルの内側に施された溝がグリッブ力を高めています(写真下)
↑前後の掃除機がけは4本の指にハンドルをかけたまま軽く動かせます。ハンドルの形状が緩やかなラウンド型なので、手首に負担のかからない位置が選べます

 

「ゴミ捨て」では、集じん容積0.2ℓと小さめなので、こまめにゴミ捨てする必要があります。ただし、ゴミ圧縮機能を搭載し、ゴミ捨て時のホコリの飛散を抑えられるのはうれしいポイント。「お手入れ」については、本格サイクロン搭載ながら、そのサイクロン部も水洗いできるのが魅力です。

 

「収納」は壁掛け式で、ホルダーを壁にネジ止めする必要があります。そこさえ問題なければ、設置性は十分。

 

ちなみに本機に関して、筆者が最も魅力に感じたのは、「エアブローノズル」や「ふとん用ブラシ」など、アタッチメントの豊富さです。排気を利用してゴミを吹き飛ばすエアブローノズルは、窓のサッシのすき間や玄関前の掃除に便利。延長ホースも付属し、高い場所や棚、クルマの中の掃除からふとん掃除まで多彩な場所を掃除でき、汎用性はトップクラスです。連続運転時間が自動モードで約8〜約20分と、家中を掃除するのにはややスタミナ不足ですが、1台ですべての掃除をまかないたい人にはオススメの機種です。

↑エアブローノズルを使い、窓のサッシの溝などのゴミを吹き飛ばし、その後それを集じんします。風の強さは2段階で切り替えられます
↑エアブローノズルを使い、窓のサッシの溝などのゴミを吹き飛ばすことが可能。風の強さは2段階で切り替えられます

 

 

協力:楽天市場