試食を繰り返して銘柄の魅力を引き出すのが「ライスレディ」の仕事
とはいえ、その日の気分と料理にぴったりな銘柄のお米を準備しても、おいしく炊けなければ、これまた「もったいない」話になります。つまり、全国の数ある銘柄米をベストな状態で炊き上げるには、それぞれのお米に応じた「炊き分け」が必要になってきます。
そこでパナソニックでは、各銘柄米の特性を科学的に調査して、銘柄に合わせた炊き分けのプログラムを開発。その際に活躍したのがパナソニックが擁する炊飯科学のプロ集団「ライスレディ」の六人です。続いて、ライスレディの塚原知里さんがマイクを握りました。
塚原さんの所属する部署は、キッチンアプライアンス事業部 炊飯器事業 炊飯器技術部。そこで制御設計を担当しています。毎日、5~6台の炊飯器を使用して、それぞれ5回ほど炊飯して試食し、炊飯の研究をしているとのこと。
「700銘柄以上あるお米は、ひとつひとつ個性が違います。炊いては食べ、炊いては食べを繰り返し、プログラムを修正して、生産者の求めるおいしさを引き出す炊飯器に仕上げることが使命です」と塚原さん。
「Wおどり炊き」は業界最多の50銘柄の炊き分けに対応
塚原さんがまずアピールするのは、パナソニックの「Wおどり炊き」が、全国各地の6つの銘柄から推奨されているということ。6つの銘柄とは、北海道産「ゆめぴりか」、岩手県産「金色の風」、宮城県産「だて正夢」、秋田県産「あきたこまち」、新潟県産「新之助」、福井県産「いちほまれ」です。
さらに最新機種「SR-VSX8シリーズ」は、業界最多の50銘柄に対応する「銘柄炊き分けコンシェルジュ」を搭載。50種類の銘柄米の一つひとつの特徴に合わせて、Wおどり炊きが最適な火加減に調整しておいしさを引き出すようになっています。なお、SR-VSX8シリーズは、5.5合炊きの「SR-VSX108」(実売価格8万3490円)と1升炊きの「SR-VSX188」(実売価格9万9410円)の2機種があります。
塚原さんは、「Wおどり炊き」は、「昔ながらのかまどで炊いたごはん」を目指して開発しているといいます。IHコイルを切り替えて強力な泡の熱対流を生み出す「大火力おどり炊き」と、加圧と減圧で対流させてお米を芯まで加熱する「可変圧力おどり炊き」の2つの“おどり炊き”機能を一度の炊飯に採用。これにより、一粒一粒のお米をお釜の中でおどらせることができ、お米の持つ美味しさを引き出すとともに、甘くてもちもち、かつしゃっきりしたご飯に炊き上げます。