ここ数年、横型のキャニスター掃除機を超える勢いで人気が高まっているコードレススティック掃除機。今年も各メーカーから、高性能化に磨きをかけた新モデルが次々に登場し始めている。今回、5月下旬に発売されるシャープのコードレスサイクロン掃除機「パワーサイクロンFREED EC-SX520」(以下、FREED・実売価格9万1670円)をひと足早く使ってみたので、その使用感をレビューしたい。
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自動ですいすい進むから力いらずで掃除もスピーディ!
コードレススティック掃除機には、クリーナー本体が手元付近に設置された“手元重心タイプ”と、ヘッド付近に設置された“ヘッド重心タイプ”がある。手元重心タイプは、手でクリーナー本体の重さを支える必要があるため、長時間使うと疲れてしまうというデメリットがある。見てのとおり、このFREEDは手元重心タイプだ。しかし実際に使ってみると予想外の使用感に驚いた。
最初に一押ししただけで、すーっと進むこの感覚、オートマ車のクリープ現象に近い自然な感じだ。手はハンドルを支えているだけなので、本体の重さをほとんど感じさせないし、いつもよりスピーディに動かすことができる。
それを可能にしているのが、業界で初めて搭載したという電動パワーアシスト「e-ドライブ」。ヘッド中央には、電動モーター駆動の走行アシスト車輪を設置している。
この「e-ドライブ」のおかげで、フローリングはもちろん、畳もカーペットもすいすい掃除ができ、あっという間に家中(3 LDKマンション)の掃除機かけを済ませることができた。
特に便利に感じたのが、テーブルの下やベッド、ソファの下の掃除だ。こういった場所は、腰をかがめ、腕だけで押し込まないといけないため、結構面倒くさい。しかし、FREEDならすーっと入り込んでくれるため、ラクに掃除することができた。
ただし全然重くない、とはいい切れない。やはりちょっと持ち上げて移動したり、角度を大きく変えたりするときなどは、当然手首に負担がかかってくる。それでも、従来に比べたら格段に疲れにくくなったのは確かだろう。
吸引力のスゴさに圧倒! うちにこんなにゴミがあったとは……
驚いたのは、軽い力で掃除できることだけではない。とにかく吸引力がスゴいのだ。少なくとも、かけた部分の取りこぼしはないし、なんなら周囲のゴミまで吸い寄せてくれる。透明のダストカップ内に溜まった大量のゴミが、その吸引力を物語っている。
吸引力が高いというのは、体感として感じられたが、実際どれだけゴミを吸ってくれているのだろうか。床に重曹の粉末を撒いて、一度のアプローチでどれだけ吸引できるか試してみた。
やはり体感に違わぬ吸引力だ。なんでもヘッドの吸引部を狭くすることで内部の圧力を高め、前方のゴミも底面のゴミも強力に吸引することが可能になったらしい。その風速は、なんと時速約100km。前モデル(EC-SX310)の風速は時速約50kmだというから、数字だけで見れば威力は2倍。それは、取りこぼしも出ないわけだ。
FREEDは、一時的ではあるが自立させることができる。しかも立てると運転が自動でストップし、倒すとスタートするため、掃除中にちょっと別の作業をしたいときに便利だ。
とはいえ、このまま放っておくことは推奨されていない。手を伸ばしやすいリビングなどに設置する場合は、付属のスタンド用フックに立てかけるのだが、フックは壁に穴を開けて取り付ける必要がある。フックを固定してしまうと、気軽に収納場所を変えられないのが、少々残念なところだ。
しかし、それを差し引いても、新しいFREEDは全方位で満足度が高い。付属品も多いし、充電リチウムイオンバッテリーも2個付いているので、この1台があればキャニスター掃除機がなくてもいけるだろう。まずは店頭で、この「勝手に進んでくれる感覚」を体感してみてほしい。
シャープ
パワーサイクロンFREED EC-SX520
実売予想価格 9万1800円(5月下旬発売)
新構造「高圧吸引ノズル」の採用により吸引力を高めたスティックタイプのコードレスサイクロン掃除機。 業界初、モーター駆動の走行車輪を搭載した吸込口が走るパワーアシスト機能「e-ドライブ」を搭載する。
【SPEC】
サイズ/質量:W237×D212×H1038mm/2.4kg
連続使用時間:約30分(標準)/約20分(自動)/約8分(強)
集じん容量:0.2L
【URL】
ニュースリリース http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160422-a.html