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2019/9/3 11:00

タイガーの「おかずが同時調理できる炊飯器」って実際どう? ズボラ人間が試したら「単純な2つの課題」が見えてきた

夏場は台所に立って料理をするのがとにかく面倒。暑いので火を使う料理は極力避けたいところです。ひとり暮らしの筆者は、週の半分自炊すればいいほうなのですが、仕事が忙しいときほど「できたてのおいしいごはんとおかずが食べたい!」と思うことがあります。そんなズボラでわがままな筆者の望みを叶えてくれそうなのが、タイガー魔法瓶の「IH炊飯ジャー〈炊きたて〉JKT-J102」。なんと、この炊飯器にはクッキングプレートが付属していて、ごはんとおかずが同時に作れるんです。ひとり暮らしだけでなく、2〜3人の世帯でも便利に使えるこの炊飯機、以下で使い勝手をご紹介していきましょう!

 

内なべとクッキングプレートで炊飯と調理が同時にできる

タイガーでは以前から同時調理ができる炊飯機「tacook」(タクック)を発売していました。この同時調理機能を搭載したモデルは発売当初、1〜2人暮らしの世帯向けに作られた3合炊きだけだったのですが、今回紹介する「IH炊飯ジャー〈炊きたて〉JKT-J102」は5.5合炊きとなっています。

↑JKT-J102は5.5合炊きで、サイズは約幅26.0×奥行き35.4×高さ21.1cm、重さは4.2kg。このほか1升炊きモデル(JKT-J182)もある

 

同時調理の場合、5.5合炊きは1〜2合の「白米」メニューのみの使用となっており、1〜2人分のごはんとおかずを作るのにぴったりです。内なべでごはん、クッキングプレートでおかずを作る仕様で、炊飯キーを押せばあとは完成を待つだけというシンプルな使い勝手となっています。

↑オレンジ色のクッキングプレート(右下)でおかずを作る。このプレートが内なべの上にセットできる仕組みだ

 

まずは普段どおりに内なべにお米と水を入れます。ちなみにこの内なべはタイガー独自の土鍋素材がコーティングされており、銅を挟み込んだ3層構造となっています。また、お米の甘みを引き出す130℃の「剛火(つよび)IH」に対応しており、炊飯機能にもこだわった一台といえます。

↑内なべの厚さは1.5mm。土鍋素材をコーティングすることで、蓄熱性が高くなり、ふっくらした炊き上がりになるとのこと

 

レシピブックの「スウェーデン風ミートボール」に挑戦

今回は付属のレシピブックを見ながら、「スウェーデン風ミートボール」を作ってみました。ひき肉、玉ねぎ、パン粉、牛乳、塩コショウをしっかり混ぜ合わせ、直径3cm大に丸めて小麦粉をまぶし、クッキングプレートに並べます。あとは、生クリームとチキンスープの素、塩コショウを混ぜ合わせて、先ほどのミートボールにかければ準備はOK。

↑今回は玉ねぎの代わりに青ネギを使用。レシピブックにはこのように少し手の混んだメニューも出ている

 

今回は内なべに2合分のごはんを炊く準備をして、クッキングプレートを上に乗せたらフタをし、「白米」モードで「炊飯」ボタンを押します。

↑クッキングプレートは内なべの上に引っかかる。取っ手を左右に倒してからフタをしよう

 

↑ディズプレイが大きく、文字が見やすい。こうして見ると炊飯モードの種類は多い

 

ミートボールはしっかり煮込まれ、ごはんもふっくら。ニオイ移りもナシ

完成までにかかった時間は約50分。ごはんを普通のスピードで炊くときと同じです。完成したスウェーデン風ミートボールはしっかり煮込まれていますし、ごはんもふっくら炊きあがっています。

↑肉団子はきちんと火が通っているようだ。ごはんと一緒だと追加の加熱ができないので、具材は小さめにして加熱したほうがいい

 

同時調理で一番心配していたのが、ニオイ移り。ごはんにおかずの香りが移るのは嫌だなと思っていたのですが、その心配はなさそうです。とはいえ、カレーのような香りが強い料理の場合は多少ニオイが移りそうですね。

↑ごはんの香りを嗅いだときに、おかずの香りはほとんどしない。これなら普段使いできそうだ

 

完成した料理を味見してみると、ミートボールとクリームソースの相性は抜群! コンソメを入れているのでごはんと一緒に食べても違和感はありません。お好みでベリー系や柑橘系のジャムをトッピングすると、さらにスウェーデンらしさが増すでしょう。

↑ベースはコンソメと塩コショウなので、全体的に優しい味わい。ブルーベリーやマーマレードのジャムを添えることで、味にアクセントが生まれる

同時調理は思いのほか簡単なことがわかったので、続いて「親子丼」と「鮭のちゃんちゃん焼き」を作ってみました。いずれも付属のレシピブックに出ています。

 

親子丼は、溶き卵、玉ねぎ、鶏肉、合わせ調味料を入れるだけ。自分でもよく作る料理ではありますが、どれくらいふわとろになるのかが楽しみです。

↑玉ねぎを切らしてしまい、かなり少量しか入れなかった。これが後々思わぬ誤算を招く結果に……

 

 

火加減がコントロールできず、時間がかかるのが課題

完成した親子丼はこちら。卵は半熟を通り越し、かなりしっかり火が通ってしまった印象です。おそらくこうなった原因は、玉ねぎが切れていて少量しか入れられなかったため、水分が少なかったのが原因でしょう。鍋であれば作っている最中に火加減や加熱時間を調整できますが、一旦スイッチを入れると完成まで様子がわからないというのは、同時調理のデメリットかもしれません。

↑本機で作った親子丼。ふわとろにはならなかったが、味はおいしい。鍋で作るときよりも鶏肉がふわふわしていたのが印象的。じっくり蒸しているからこその食感だ

 

続いて作った鮭のちゃんちゃん焼きの場合は、野菜が多少クタっとしたほうがおいしいので、火加減の問題はありませんでした。むしろ、味噌が焦げないのでこの調理法はぴったりです。味噌が効いた濃いめの味付けなので白ごはんとの相性もバッチリでした。

↑本機で作った鮭のちゃんちゃん焼き

 

しかし、あらためて考えてみると、1品のおかずを作るのに1時間近くかかるってどうなの? …という思いも。鍋を使えば15分もあればできるようなおかずなので、料理を作り慣れている人には不要かもしれません。

 

放っておいておかずができ、炊飯メニューの充実でお手ごろ感アリ

とはいえ、同時調理は料理に慣れていない人には便利ですし、炊飯機で調理すれば鍋を洗う手間も省けます。ごはんとおかずを作っている間にほかのおかずを作ったり、別の用事をしたりといった時間の使い方も可能。今回は同時調理を中心に使ってみましたが、JKT-J102には1合のごはんを約17分で炊飯できる「少量高速」メニューや、冷凍用としてストックするごはんに最適な炊き方にする「冷凍ご飯」メニューなどもあります。内なべにごはんを入れずに水を入れて、おかずだけの調理にも対応。これならストックしておいた冷凍ごはんをレンジでチンしつつ、できたてのおかずを楽しむといったことも可能です。

 

本機の実売価格は2万8000円前後。これだけの機能があるのを見ると、この価格はかなりお手ごろ感があります。日々のごはんも炊けて、必要なときにはおかずも一緒に作れる一石二鳥の「IH炊飯ジャー〈炊きたて〉JKT-J102」。筆者のようなズボラな人にとっては、大きな味方になりそうです。