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2019/9/11 19:45

独自技術を「これでもか」と投入! 「タテ型洗濯機ではシャープが抜けている」と実感させたスマホ連携モデルを詳しく解説

洗濯乾燥機には大きく分類してドラム式と縦型の2タイプがあり、日本国内では最新機能をドラム式に優先して搭載する傾向があります。そんななか、縦型洗濯乾燥機に独自技術をこれでもかと詰め込んでいるのがシャープ。そのシャープが9月19日にIoT対応の縦型プラズマクラスター洗濯乾燥機「ES-PW」シリーズを発売します。他の縦型洗濯乾燥機とはひと味ちがうES-PWを、発売前にチェックすることができました。

 

↑「ES-PW」シリーズのラインナップ。写真左から洗濯容量11kg/乾燥6kgの「ES-PW11D」(実売予想価格23万円前後・税抜)、洗濯容量10kg/乾燥5kgの「ES-PW10D」(同22万円前後)、そして洗濯容量8kg/乾燥4.5kgの「ES-PW8D」(同20万円前後)の3モデル

 

AIoTクラウドサービスに対応し、地域や季節に応じてアドバイスを行う

ES-PWシリーズは、同社縦型洗濯機としてははじめてWi-Fiに対応した縦型洗濯乾燥機です。AIoTクラウドサービス(※)「COCORO WASH」に対応し、スマートフォンと連携することで、外出先からも操作や洗濯の予約が可能。また、住んでいる地域などにあわせてオススメの洗濯をアドバイスする機能も搭載しています。洗濯機を起動したときに、天気や季節にあわせたアドバイスや、季節に合わせたダウンロードメニューのヒントなどを伝えてくれます。

※AIoT……シャープの造語。IoT(モノがインターネットに接続して、相互に情報をやりとりすること)とAI(人工知能)を組み合わせたもの

 

具体的には、雨や花粉が多いときは、外に干さずに乾燥機能の使用をオススメし、天気の良い日にはカーテンなどの大物洗濯、祭りの季節なら浴衣コースのダウンロードをすすめる、といった具合です。

 

洗濯コースはスマホで選べるので検索性が大きくアップ

洗濯コースは大幅に増え、スマートフォンから洗濯メニューを選べるようになったため、検索性が大きくアップしています。

↑スマートフォン用COCORO WASHアプリ。洗濯機がその日の天気などから「洗濯物の乾きやすさ」まで判断する時代になりました

 

スマートフォンからはカーテンやカーディガンといった「アイテムから選ぶ」メニューが選べるほか、汗じみ(黄ばみ)やファンデーションなどの「汚れから選ぶ」メニュー、そして柔軟剤の香りを楽しみたい、部屋干ししたいなどの「こだわりから選ぶ」の3つの方法から洗濯方法を選ぶことが可能。選んだコースは洗濯機に送信すればOKです。また、洗い方はクラウドから新たにダウンロードして増やすこともできます。このほか、洗剤の銘柄を登録することで「今の洗濯物に最適な洗剤の量」を知らせたり、洗濯結果を表示したりするなど、クラウドに連携させることでさまざまな機能が利用できるようになります。

↑スマートフォンから洗濯設定ができるようになったため、洗濯コースも大幅に増えました。「アイテムから選ぶ」ではなんと「ぬいぐるみ」や「ペット用品」といった項目も

 

↑洗濯機の本体には光センサーのほか、重量、水位、温度センサーを搭載。これらのセンサーを駆使して最適な洗い方を行います。洗濯後にスマートフォンで洗濯結果を確認することも可能

 

↑ちょっと面白いのが、スマートホームサービス「COCORO HOME」と連携し、冷蔵庫から洗濯終了通知をうけとる機能。冷蔵庫を開けたときに「洗濯が終わりました」と声をかけられるので洗濯したことを忘れません

 

カビ対策が万全で、節水効果が高い独自の「穴なし槽」を採用

IoT連携もうれしいポイントですが、シャープの縦型洗濯機といえば、従来から注目されている他社にはない独自機能でも人気です。なかでも特徴的といえるのが「穴なし槽」です。洗濯機は通常「外槽」と呼ばれる水を溜める槽のなかに、一回り小さな穴の開いた「内槽」がすっぽりと入っています。この内槽がグルグルと回転することで服の汚れを落とすのです。ただし、槽が2層になっていることで複数の問題も発生します。一番の問題がカビの発生。内槽の外側は目に見えないうえ、直接洗うことができません。このためカビが発生しやすく、しかも目に見えないのでカビに気付かず放置されることも。「洗濯したはずの服に、カビが付着していた」といった問題が発生するのはこのためです。その点、穴なし槽はカビが発生しにくいうえ、万が一カビが発生してもカビが洗濯槽内に侵入することはありません。

↑一般的な穴のある洗濯槽(写真左)とシャープの穴なし槽(写真右)を比較。穴なし槽は洗濯のたびに自動槽洗いで洗濯槽外側を洗浄するので、カビが発生しにくいというメリットがあります

 

もうひとつのメリットが節水効果。通常の外槽・内槽が2層になっている洗濯槽の場合、大きな外槽に合わせて水を注入します。一方、穴無し槽はひとまわり小さな内槽にあわせて水を注入。洗濯槽と外槽の間にあったムダな水が不要になるので、そのぶん節水が可能となるのです。

 

開く手間が不要で見た目にも美しい「内フタレス」を採用

シャープの縦型洗濯乾燥機でもうひとつ注目したいのが「内フタレス」です。一般的に乾燥機能搭載の縦型洗濯機は、本体のフタの中に、もうひとつ密閉性を高めるための「内フタ」があります。「ES-PW」シリーズは、この内フタのない「内フタレス」方式を採用している数少ない製品。内フタがないことで、洗濯物を出し入れするときに「内フタを開く」というひと手間が必要ないほか、スッキリとして見た目もキレイ。大物の洗濯物などを洗濯槽に入れやすいというメリットがあります。また、内フタがないことで洗濯の様子を直接チェックできるのもうれしいところ。

↑内フタがないのでフタを開いたときのデザインがスッキリ

 

洗いにくいものもプラズマクラスターで除菌・消臭できる

シャープの縦型洗濯乾燥機ならではの機能といえば「ハンガー乾燥」も外せません。これは衣類をハンガーにかけた状態で乾燥できる機能。一度に乾燥できる衣類量は少ないですが、タンブラー内で衣類が移動しないので、しわを抑えて素早く乾燥させることができます。ちなみに、シャープによると体操服の上下なら約15分で乾燥可能。また、服だけではなく靴の乾燥もできるとのこと。

 

また、シャープといえば除菌や消臭機能を持つ空気浄化技術「プラズマクラスター」が人気。このハンガー乾燥機能では、洗濯機では洗いにくいものをプラズマクラスターを吹き付けることで除菌・消臭することもできます。ES-PWシリーズの発表会の会場では、人の汗に近い成分の、色のついた液体をTシャツに吹き付けて「プラズマクラスター・ハンガー消臭」するデモンストレーションも行われ、プラズマクラスター使用後はピンク色の成分が魔法のように消えていました。毎日は洗えない背広や制服、ぬいぐるみやブーツなどの消臭・除菌などに便利そうです。

↑洗濯機の上ぶたにハンガーをひっかけるハンドルを配置。洗濯物をシワなく素早く乾燥させられるほか、プラズマクラスターを使った消臭・除菌もできます

 

↑脇の下にスプレーしたピンク色の疑似的な「ニオイのもと」が、プラズマクラスター・ハンガー消臭をすると消えてしまいました

 

予洗いに便利なペン型の洗濯ツール「超音波ウォッシャー」を搭載

また、ES-PWシリーズは本体に「超音波ウォッシャー」を搭載しているのも特徴です。「超音波ウォッシャー」は、超音波振動により汚れを弾き飛ばすペン型の洗濯ツールで、頑固なシミや汚れ、襟や袖口の汚れなどを予洗いするときに便利です。

↑毎秒約3万8000回の超音波振動で汚れを弾き飛ばす「超音波ウォッシャー」

 

↑超音波ウォッシャーは洗濯機の左上部に収納されています

 

↑超音波ウォッシャーで予洗い後、10分洗濯コースで洗濯したシャツ。コーヒーや皮脂汚れはもちろん、落ちにくい蛍光ペンなどの汚れもしっかり落ちています(シャツ右半分)

 

縦型洗濯乾燥機ではシャープが頭一つ抜けている

現在、高機能洗濯機というと「ドラム式」というイメージがある日本ですが、実は縦型洗濯機のほうがシェアが多いのが現状。縦型洗濯機はドラム式より比較的設置場所を選ばず、なによりも「たくさんの水でジャバジャバ洗濯する」という安心感があるのが理由のようです。とはいえ、各社ドラム式に力を入れているためか、どうしても縦型洗濯乾燥機は各メーカーが似た機能になりがち。そんななか、シャープは穴なし槽や内フタレス、ハンガー乾燥機能など、他社にはない突出した機能を搭載し、「縦型洗濯乾燥機」ジャンルで頭一つ抜け出ている印象です。そんなシャープの洗濯乾燥機が今回スマートフォン連携に対応してますます使いやすくなりました。自動洗剤投入機能が搭載されていないことを除けば、「さすがはシャープの縦型洗濯機」と思わせる、納得の性能でした。

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