コードレススティック掃除機市場が拡大し続ける昨今。コード付きのキャニスター掃除機からの買い替えも加速し、昨年2018年にはついに販売台数でキャニスター掃除機を上回るなど、コードレス人気が拡大を続けています。パナソニックも昨年、吸込仕事率200Wを誇るコードレススティック掃除機のハイエンドモデル「パワーコードレス」を発売。この数値は、同社のキャニスター掃除機「プチサイクロン MC-SR560G」に匹敵し、まさにメイン掃除機にとって代わる吸引力を備えています。
パワー、スタミナは十分だった「パワーコードレス」シリーズに軽量モデルが登場
この「パワーコードレス」、本当によく吸うし、連続運転時間も長くて家じゅう掃除できる超優秀モデルなのですが、ちょっと大きくてゴツい。そしてちょっと重い……というのが、実際に使った筆者の感想です。せっかくのコードレス、もうちょっとスタイリッシュなデザインで、手軽に使えるのがあるといいな、と思っていたところ、この「パワーコードレス」から、まさにちょうどいい感じの軽量モデルが発売されることに! さっそくご紹介します。
その”ちょうどいい感じ”のコードレススティック掃除機とは、パナソニックから10月25日に発売されるパワーコードレスの軽量モデル「MC-SB30J」(実売予想価格4万5000円前後/税抜)です。モーターと電池、ノズルを小型化するなどして、1.6㎏という軽量化に成功。一方で、小型でありながらハイパワーな新小型モーターと直線的なレイアウトにより、吸込仕事率100Wの吸引力を実現しました 。運転時間もHIGHモードで約6分、通常モードで約20分/約25分(すき間ノズル使用時)を確保しています。
吸込仕事率100Wは2kg未満のコードレスのなかでトップクラス
ここで湧いてくるのが「吸込仕事率100Wって強いの?」という疑問です。従来の「パワーコードレス」が約200Wなら、半分しかないのでは? とも思いますが、同社の調査によると吸込仕事率100Wは、市場に出回っている2㎏未満のコードレスのなかではトップクラス。主要な商品のなかでは、100Wに達していた製品はなかったといいます。
ちなみに「吸込仕事率」とは、どれだけ空気を吸い込む力を持つかを表す、掃除機の性能を表す数値(単位はW〔ワット〕)で、測定方法は日本工業規格(JIS)によって規定されています。床ノズルを外した延長管の先で吸い込む風の量を測定するため、ノズルの性能は加味されておらず、実際のゴミ集じん力とは異なります。なかにはノズルをつけることで吸込仕事率が落ちる製品もありますが、同製品はノズルをつけても、吸込仕事率はほとんど落ちないそうです。
100Wの吸引力がいかにパワフルか、吸引力テストを行ったところ、3㎏もの重りが徐々に浮きはじめ、一番上まで登っていきました。これは確かにメイン機としても活躍できるパワーです。
動かしたときの腕の負担が全然違う!
また今回1.6㎏という軽量化を実現した、と言っていますが、他社の軽量モデルのなかには1.4㎏、1.5㎏のものもあり、”最軽量”というわけではありません。ただし、同社は実際の重さだけではなく、動かしたときに感じる負担に着目。握ったときに軽く感じ、動かすときも人が歩く時の腕の振りに近い動きで操作できるよう、ハンドルの形状や長さを最適化しています。
実際に掃除機を前後に動かしてみると、確かに腕をほとんど曲げることなく、自然な状態でかけられました。一方、少しでもハンドルの位置が違ったり、長すぎたりすると肘を不自然に引き上げることになり、意外と力が必要なことが分かりました。
出しっぱなしにしても空間になじむすっきりしたデザイン
またノズルには、昔ながらのほうきにならい、ブラシタイプを採用しました。硬い毛と柔らかい毛を組み合わせており、硬い毛が畳やじゅうたんからゴミをかき出し、柔らかい毛がフローリングを拭き掃除するように拭き上げます。またブラシ前方のカバーを薄くすることで、ブラシが壁際まで届き、ゴミをしっかりと捕集します。
そして注目はなんと言っても、デザイン性。シンプルですっきりしたデザインなので、出しっぱなしにしても存在感を主張しすぎず、空間になじみます。自立はせず、スタンドもありませんが、「壁ピタゴム」を採用しているので、壁に立てかけても倒れにくいのが特徴です。
軽量化とパワー&スタミナ向上を果たしたハイエンドモデルも登場済み
前述のハイエンドモデル「パワーコードレス」も進化し、新モデル「MC-SBU830J」(実売価格8万7402円)も8月に登場しています。こちらはモーターを小型化し、アルミ素材を採用し、モーターの質量が400gから235gと40%ダウンするなどして、製品質量の約100 gの軽量化を実現。回転数は7万6500回/分から10万回/分と約30%もアップ。その結果、吸込仕事率は205Wとなり、吸引力がアップしています。
また操作しやすさを追求し、延長管を従来より3.5㎝短くすることで、約10㎝持ち上げ時に手にかかる負担が約20%軽減。さらに大容量バッテリーの容量を約20%アップしたことで、運転時間は従来の最大約65分から、最大約90分に大幅に長くなっています。
ちなみに先ほど軽量モデルで行った吸引力テストを本製品で行ってみると、なんと3㎏の重りを2個、軽々と吸い上げました! ここまで吸引力が強いモデルはなかなかありません。
ダストボックスが丸洗いできるミドルクラスのモデルも
さらに6月20日には、フィルターレスサイクロンを搭載し、お手入れが簡単なパワーコードレス「MC-SBU530J」(実売価格4万9647円)も登場しています。吸込仕事率は140Wとなり、吸引力だけで見れば、ハイエンドモデルと軽量モデルのほぼ間に位置します。
一般的にサイクロン掃除機は、まずダストボックスの中で遠心分離を行い、そこを通過した微細なゴミをさらに奥の二次分離で分離しますが、二次分離機構がフィルターの場合、フィルターに付着した微細なゴミをお手入れする必要があります。
しかし同製品は、二次分離に8つの気筒を搭載した「8気筒遠心分離」を採用し、気筒で遠心分離するため、二次分離部のフィルターレスを実現。定期的なお手入れの手間が軽減し、必要に応じてダストボックスを丸ごと水洗いすればOKです。
吸引力と運転時間を重視するならハイパワーな「MC-SBU830J」、お手入れを楽にしたいならフィルターレスタイプの「MC-SBU530J」、そして手軽に使いたいなら軽量タイプの「MC-SB30J」と、3種類が出そろいました。みなさんのライフスタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
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