料理研究家の土井善晴さんが提唱する「一汁一菜があれば充分」という考え方は、共働きの家庭やひとり暮らしで「きちんと料理を作らねば」と思っていた人にとってはありがたい提案です。また最近、書店には「一汁」を後押しするかのように有賀 薫さんのスープのレシピ本が多数並び、世間の「スープ作り」への関心の高さも見て取れます。
スープメーカー「スープリーズR」で身体に優しいスープを作る
とはいえ、帰宅後にスープをイチから作ることすら面倒に感じた経験がある人もいるはず。そんなとき、筆者はコンビニやスーパーで買った味噌汁やスープに手を伸ばすのですが、「そうじゃないんだよな……」と思う自分もいます。
ラクはしたいが、身体に優しいものが食べたい。そんな人に使ってみて欲しいのが、ゼンケンの「スープリーズR」というスープメーカーです。今回は実際にスープリーズRを使って、簡単なスープ作りに挑戦してみました。
火加減を一切気にしなくていいので料理初心者も安心
スープリーズRは、ポタージュが手軽に作れる「スープ」モード、具だくさんのスープが作れる「食べるスープ」モードに加え、「おかゆ」モード、「スムージー」モードを搭載した1台4役の調理家電です。ぱっと見はコーヒーメーカーのようですね。使い方はシンプルで、切った材料を容器に入れて本体にセットし、スイッチを押したら約30分でスープが完成します。
かき混ぜや火加減をメニューに応じてコントロールしてくれるので、スイッチをオンにしたら一切手をかけなくてOK。「スープ」モードと「食べるスープ」モードは「再加熱」と「保温(約2時間)」にも対応しており、一度作ったスープをいつでもアツアツの状態で楽しめるのも魅力です。
ミネストローネを作ってみたら、満足のいく仕上がりに
まずは付属のレシピ集を見ながら、「食べるスープ」モードで「ミネストローネ」を作ってみました。といっても、容器にカットした玉ねぎ、にんにく、トマトの缶詰、水、コンソメを入れるだけ。
待つこと30分、完成したのがこちらのスープ。具がゴロゴロ入っていて、手作りならではの仕上がりです。コンビニにもこういった類のスープは売られていますが、手作りなら自分が好きな野菜を入れられますし、なんといっても節約になる!
火を使わないので、30分放っておく間にほかの用事が済ませられますし、吹きこぼれたり焦がしたりする心配がないのはスープメーカーならではの利点。これぐらいのスープなら鍋で作るほうが早いと思っていましたが、やっぱり「ながら調理」ができるっていいですね。
ミキサーなしで完璧なポタージュが完成!
筆者が本機で一番気になっていたのが、ポタージュが作れるという点でした。ポタージュは作り方自体はそう難しくないのですが、最後にミキサーやフードプロセッサーにかけないと、あのとろりとしたスープにならないのです。さて、本機だとその点はどうなのか?
スイッチをオンにして完成を待っていると、途中で「ガリガリガリ」とカッターが回っている音がします。なるほど、少し加熱して野菜を柔らかくした状態で刻むのですね。これならミキサーやフードプロセッサーを使わなくていいのも納得です。
完成したキャロットスープは滑らかな舌触りで、完璧なポタージュです。人参にはとろみがないので冷やごはんでとろみを付けているのですが、米粒は一切残っていません。鍋で下ごしらえしたスープをミキサーにかけるひと手間が面倒で敬遠しがちだったポタージュも、スープリーズRがあれば頻繁に作りたくなりそうです。
余った野菜を使い切れるのがうれしい
もうひとつ、筆者が特にいいなと感じたのは、人参やじゃがいも、玉ねぎといった袋でまとめて買う野菜が残ってしまったときに、さっとスープにして使い切れることです。スープにすれば一度にたくさんの量の野菜が摂れますし、健康にも良いでしょう。また、今回は試しませんでしたが、スープリーズRは離乳食作りにも役立ちます。赤ちゃんやお年寄りのいる家庭なら、スープ作り以外でも出番が多くなるはず。
一方、筆者が気になったのは、タイマー機能がない点です。30分で完成するので食事の前に準備すればいいですし、あらかじめ作っておいたスープを再加熱するといったことも可能なのですが、朝食や夕食の時間に合わせてスープが完成していてくれれば、さらに便利ですよね。
スープリーズRの実売価格は3万9600円となっており、気軽に購入できる価格ではないかもしれません。しかし、機械まかせで手軽にスープができるので、自炊の満足度が上がること間違いなし。少しでも自炊の頻度を増やしたい、健康にいい食事をしたいと考えているなら、スープリーズRを使うという選択肢は大いにアリです。