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2019/10/16 19:45

1万円台なのに「技のデパート」か! アイリスオーヤマ「電気圧力鍋」を使い倒して「驚きのコスパ」を実感

昨今の調理家電のトレンドともいえる「電気調理鍋」。共働きの家庭はもちろん、自炊の手間を少しでも減らしたい人にとっては心強い家電です。なかでもアイリスオーヤマから9月12日に発売された「電気圧力鍋 KPC-MA2」は、実売価格1万8480円のリーズナブルな価格が特徴。

↑電気圧力鍋 KPC-MA2。本体サイズは幅約282×奥行き約286×高さ約213mm、重さは3.6kg。5.5合炊きの炊飯器くらいのサイズ感だ。本体カラーはブラックのみとなっている

 

アイリスオーヤマといえばコスパの良さに定評のあるメーカーですが、「安かろう悪かろう」ではいけませんよね。というわけで、この電気圧力鍋の実力はいかほどのものなのか。実際に料理を作って使い勝手をチェックしてみました。

 

調理中に目を離してほかの用事ができるのがメリット

アイリスオーヤマの電気圧力鍋は、調理容量1.4Lとなっており、2〜3人分くらいの調理に使うのが最適。食べざかりの子どもがいるファミリー層には少し足りないかもしれません。

 

基本的な構造は一般的な圧力鍋と同じですが、この電気圧力鍋は温度センサー付きのマイコンヒーターが付いた本体に内なべをセットして使います。当然、火を使わずに調理でき、火加減を見る必要もないので、調理中に目を離してほかの用事ができるのはメリットです。

↑計量カップ、蒸しプレートのほか、65メニューが掲載されたレシピブックが付属する

 

↑内なべを外すと温度センサーが現れる。ほかの電気調理鍋と同様、本体は水洗い不可

 

自動メニューのかぼちゃの煮物に挑戦

まずは圧力調理を使う「かぼちゃの煮物」を作ってみました。一口大にカットしたかぼちゃとレシピブックに書かれた分量のだし汁、砂糖、しょうゆ、みりんを内なべに入れ、本体にセットします。

↑今回作った分量はレシピブックどおりの4人分。筆者はひとり暮らしなので2人分もあれば充分なのだが……

 

多くの電気調理鍋は、炊飯器のように本体とフタが外れないようになっていますが、アイリスオーヤマの電気圧力鍋は一般的な圧力鍋のようにフタが丸ごと外れます。丸洗いできるので、メンテナンスがしやすいのがうれしいところ。

↑フタの▼マークを本体の鍵マークに合わせ、左に回すとロックされる

 

操作は本体のつまみを回して項目を選択し、「決定ボタン」を押していく形。本体にはレシピブックと同じ65の自動メニューが搭載されており、メニュー番号を選ぶだけで適切な調理を行ってくれます。白米、カレー、豚角煮、おでんなどの一部メニューは予約調理にも対応。1〜12時間の範囲で30分単位で時間を設定できます。

↑本体で直接メニューを探せるが、手元にレシピブックがあるならレシピ番号を入力したほうが早い

 

まずは「1.自動メニュー」→「4.レシピ番号で選ぶ」を選択。かぼちゃの煮物のメニュー番号である「21」と入力したら「決定」ボタンを押し、「かぼちゃの煮物」が選択されているのを確認したら、「決定」ボタンを押します。あとはフタの弁が「密封」になっているのを確認して、さらに「決定」ボタンを押すと調理を開始します。

↑本体のつまみを回して操作メニューを選択する

 

↑圧力調理の場合はフタのレバーを「密封」に合わせればOK。圧力調理しない場合は「排気」に合わせる

 

加圧時間は料理によって異なり、何分加圧が必要で、何分後に完成するかがディスプレイに表示されます。こういった部分は通常の圧力鍋にはないメリットですね。

↑かぼちゃの煮物の場合、加圧時間は1分、出来上がり時間は41分となっている

 

なお、圧力がかかると、フタの「圧力表示ピン」がぴょこんと飛び出します。また、調圧弁から蒸気が吹き出し、おもりの効果で圧力が調整され、蒸気の量がコントロールされる仕組みです。

↑圧力表示ピンが下がったら調理は完了。下がらないうちに強制的に圧力を抜く場合は、おもりのレバーを排気側に回して蒸気を抜く

 

かぼちゃは型崩れなく、ほくほくに仕上がった

圧力調理を終えたかぼちゃの煮物はこちら。予約可能なメニューの場合は出来上がると自動的に最大12時間保温されます。

↑圧力鍋で煮物を作ると、型崩れなく食材をきちんと加熱できるのがいい

 

レシピではここで終わりではなく、「手動メニュー」の「鍋モード」の火力5で水分を飛ばして完成。これまでは長く火の番をするのが面倒でかぼちゃの煮物は数回しか作ったことがありませんでしたが、電気圧力鍋があれば作る際のハードルは下がりそうです。

↑完成したかぼちゃの煮物。ほくほくに仕上がっており、失敗知らずなのがうれしい

 

ちなみに、先述の「鍋モード」はふたを開け、圧力をかけずに加熱するモード。ふたを開けて卓上で鍋を楽しむのはもちろん、「焼き調理」も可能です。これができない電気調理鍋もあるので、ここをしっかりカバーしているのは大きな魅力といえるでしょう。

↑「鍋モード」で、グリル鍋としてすき焼きを調理した例

無水カレーは野菜の味が感じられ、とろとろの仕上がりに

続いて試してみたのは「無水カレー」作り。無水カレーとは、水を使わずに野菜の水分だけで作るカレーのこと。電気調理鍋では定番メニューのひとつです。

 

圧力調理にかかる時間は55分。普通の鍋で無水カレーを作るともう少し時間がかかるので、やはり圧力調理が時短につながっていることを実感できます。

↑一口大にカットした鶏もも肉と、みじん切りにしたトマト、玉ねぎ、セロリ、にんじんと、ローリエを内なべに入れ、自動メニューで調理。フタのレバーは「密封」にする

 

↑圧力調理が終了してピンが下がっているのを確認したら、ローリエを取り出して細かく刻んだカレールーを加えてかき混ぜたら完成

 

無水カレーはトマトや玉ねぎなどの野菜の味がしっかり感じられ、とろとろの仕上がりに。普通の鍋だと焦がす心配がありますが、これなら普段料理をしない人でも挑戦しやすいはず。カレーを作っている間にごはんを炊いて、おかずをもう1〜2品作るといったふうに、食事の準備を効率良くできそうです。

↑無水カレーはトマトの酸味が強め。ニンジンや玉ねぎもしっかり煮込まれていて、まるで2日目のカレーのように味が落ち着いている

 

低温調理でしっとり「とりハム」が完成

アイリスオーヤマの電気圧力鍋は「低温調理」にも対応しています。ガスやIHでは温度を一定に保ちながら調理をするのにテクニックが必要ですが、電気調理鍋ならセンサーで温度を感知して調整してくれるので、ほったらかしておくだけで構いません。

↑両面でフォークで穴を開けた鶏むね肉に、砂糖、塩、黒こしょうを振りかけて、ラップで密閉する。約30分常温の涼しい場所で寝かせたら、さらにもう1枚ラップで巻き、耐熱の密封袋へ。水を張った内なべに入れて加熱を開始する

 

低温調理の場合は圧力をかけないので、フタのレバーは「排気」にセットします。2時間10分の加熱を終えたら、氷水で急冷して粗熱を取り、カットすれば完成です。

↑しっとりしたとりハムが完成。おかずとしてはもちろん、お酒のおつまみにもなる

 

低温調理の自動調理メニューは、とりハムとローストビーフのみ。こう聞くとちょっと物足りない感じもしますが、手動調理が可能なので、それ以外の料理ももちろん作れます。

 

自動調理メニューがやや少ないものの、確実にコスパは高い

と、機能面では非常に充実した本機でしたが、ほかの電気調理鍋と比較すると、内蔵メニュー数はやや少なめ。そうなると、手動調理を上手く使いこなす必要があるので、どちらかといえば「普段から圧力鍋を使っている人向き」という印象も受けます。

 

また、自動調理の場合、何人分の料理を作るかが任意で設定できないのは不便に感じました。半量で作る際は手動調理を使うのですが、その場合の加圧時間などの情報がレシピブックにあるといいのに……。

 

とはいえ、今回紹介した圧力調理、グリル鍋、低温調理、保温以外にも、低温・発酵調理や蒸し調理、温度調理がこれ一台で完結します。2万円を切る価格帯でこれだけの機能が使えるとなると、確実にコスパは高い!

 

また、筆者は通常の圧力鍋を持っているものの、出したり片付けたりするのが面倒で、使うのを敬遠していました。しかし、アイリスオーヤマの電気圧力鍋なら、炊飯器と同様、出しっぱなしにしておいても違和感がありませんし、先述の多彩な機能のおかげで日常的に使えます。これは年末のボーナスを待つまでもなく、”買い”な家電といえるでしょう!

 

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