シャープは、毎日を心地よく暮らすためのデザインキッチン家電「PLAINLY(プレーンリー)」シリーズを開発し、今秋から順次、市場投入を始めました。第1弾はIHジャー炊飯器 KS-HF10B(1~5.5合炊き/発売中・実売価格2万5080円)、KS-HF05B(0.5~3合炊き/実売予想価格2万3000円・税別)、ガラスドア冷蔵庫 SJ-GD14F(137L/同6万5000円)、単機能レンジ RE-TF17S(17L/発売中・実売価格1万5720万円)、オーブンレンジ RE-WF18A(18L/発売中・実売価格3万5310円)の5機種。その発表会には、炊飯器業界では有名な“炊飯器の神様”が登場すると聞き、興味津々で出席してきました。
空間になじむ、厳選した機能の家電シリーズ「PLAINLY」
PLAINLYシリーズ開発の背景として、同社は「外食を減らして自炊をするなど、家の中の時間を大切にする人が増加。一方で、生活空間がコンパクト化してキッチンがくつろぎの空間に近づいている。しかし、従来のキッチン家電は存在感が強く生活に溶け込まない。デザイン性の高い家電製品はあるが、高額でサイズも大きい」と説明します。
そこで、“空間になじむ、すっきりとした佇まい”“厳選された機能で使いやすい”をコンセプトに、手ごろな価格で発売したのが同シリーズ。それぞれブラックとホワイトの2色を用意し(炊飯器KS-HF10Bを除く)、統一感のあるデザインで揃えることができます。
「炊飯器の神様」の監修で、食感にこだわった炊飯器を開発
PLAINLYシリーズで特筆すべきはIHジャー炊飯器です。シャープによると、時に固体状の食品は食感が重要視され、ご飯の美味しさは味覚よりも食感に依るところが大きいとのこと。例えば、煎餅やポテトチップスの場合、湿気を吸って柔らかくなると、味自体は変質していないのにもかかわらず、美味しくないと感じてしまうといいます。
そこで、元三洋電機で業界初となる圧力IH炊飯器を開発し、“炊飯器の神様”“飯炊きおじさん”の異名を持つ下澤理如(しもざわ・まさゆき)氏の監修のもと、食感にこだわったモデルを開発しました。
↑“炊飯器の神様”こと下澤理如氏
下澤氏によると、米の内部は細胞を残して硬めに、外側は弾力のある網目構造にと、内外で食感を変えることで美味しさを感じるようになるとしています。吸水の温度と時間を変えることで、この食感を変化させることができるとのこと。炊き分けは、「ふっくら」「しゃっきり」「極上」の3つのメニューを搭載することとしました。
実際に食べてみたら、中級モデルに匹敵する味に驚いた
実際に食べてみると、「しゃっきり」モードで炊いたごはんで作ったおにぎりは硬めで、米粒の形を感じながら食べることができます。味はさっぱり系ですが、噛むとモチモチしています。
一方、「ふっくら」モードのご飯は柔らかめですが、べちゃっとはしておらず、米粒の食感はキープ。食感はつるつるしており、噛むほどに甘味が出てきます。「しゃっきり」とは明らかに味が異なり、甘いご飯が好きな人には「ふっくら」モードがオススメですね。
なお、価格を抑えるために圧力方式は非採用で、強い“もちもち”感のあるご飯は炊けませんが、この価格帯(3合炊きで実売予想価格2万3000円・税別/発売中の5.5合炊きで実売価格2万5080円)でこの食感・味は正直、驚きました。個人的な感想ですが、中級モデルにも引けを取らない食感・味だと感じます。
シャープではPLAINLYシリーズを一人暮らし用とは定義していませんが、冷蔵庫とレンジの容量的には単身または二人世帯にマッチしています。しかし、炊飯器は5.5合炊きモデルも用意されているので、ファミリーユーザーにもオススメできます。お手ごろ価格でご飯にこだわりたい、という人にはPLAINLYは注目です。
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