室内のホコリやニオイなど、空気の汚れが気になる時に使いたい空気清浄機。空気が乾燥する秋~冬に使いたい加湿器。ジメジメと湿気が多い梅雨~夏や部屋干しで使いたい除湿器。室内の空気を常に適切に保ちたいと思ったら、これらを季節ごとに使い分ける必要がありますが、1台ずつ用意すると置き場所にも困ってしまうはず。
空気清浄・加湿・除湿の3つの機能を1台に搭載
国内メーカーの空気清浄機のなかには、加湿機能を搭載したタイプも多くありますが、なんとダイキンの除加湿ストリーマ空気清浄機「うるるとさらら空気清浄機 MCZ70W-T」(以降うるさら)は「うるるとさらら」の名を冠する通り、加湿機能も除湿機能も搭載! 1台に3つの機能を詰め込んでおり、あれこれ使い分ける必要がないのです。
この超ハイスペックな”全部盛り”モデルは実売価格11万6440円とお高いですが、3台分と考えればお安い……のか? 試してみないことにはわからない! というわけで、さっそく使ってみました。
「温度と湿度のバランスが重要」との哲学に基づいて加湿/除湿を切り替える
そもそも、なぜダイキンは空気清浄機に加湿だけでなく除湿機能もつけたのか。それはダイキンが「快適な室内環境をつくるためには『温度と湿度のバランス』が大切」と考えているからだそう。例えば湿度が20%変わると、人の体感温度は4℃変わるため、温度を変えなくても湿度を適切に保つだけで過ごしやすくなります。また、ダニやカビは温度が25~30℃、湿度が60~80%で栄養源がある条件下で繁殖しやすくなるため、湿度を上げすぎないことが重要。そのほか肌の乾燥や冬の結露も湿度が関係しています。
となると快適な室内環境を保ち、ダニやカビの繁殖を防ぐためには、温度に合わせてこまめな湿度コントロールが必要になってきます。ただ、何℃だったら湿度はどれくらいがいいのか覚えきれないし、そもそも管理しきれません。その点、「うるさら」は1台で必要に応じて加湿/除湿を切り替えてくれるわけですから、これは便利!
しかし3つも機能を詰め込むと、1つ1つの機能がおろそかになってしまうのでは? という心配もありますが、実際はどうなのでしょうか。1つずつ見ていきましょう。
「TAFUフィルター」と「ツインストリーマ」で空気清浄は万全
「うるるとさらら」は前面の下側と両サイドの3か所からパワフルに空気を吸引し、内部で汚れを除去したきれいな空気を上部から吹き出します。
フロント部分を開けると、まずはプレフィルター、そして清浄性能の決め手ともいえる集じんフィルター「TAFUフィルター」が取り付けられていました。こちらは0.3㎛の微細な粒子を99.97%除去できるほか、撥水・撥油効果が高いため汚れが広がりにくく、静電力が落ちにくいため、10年後の集じん効率が従来の50%から72%と大幅アップ。つまり10年間フィルター交換しなくても約70%の性能が期待できるということです。
さらにダイキンの空調機器に欠かせないのが、「ストリーマ」技術です。ストリーマとはプラズマ放電の一種で、約10万℃の熱エネルギーに相当する分解力を持ち、カビやダニのフン・死骸、花粉などのアレル物質やホルムアルデヒドなどの有害化学物質を除去し、浮遊ウイルス・付着ウイルス、浮遊カビ菌・付着菌の抑制効果も期待できるほか、脱臭効果も期待できるといいます。なかでも「うるさら」は、このストリーマを発生させるストリーマユニットを従来モデルの2倍搭載している(ツインストリーマ)ため、有毒ガスやニオイの分解スピードも2倍になりました。
加湿中も空気清浄機能が落ちないのが特徴
加湿機能にもこだわりがあります。一般的に加湿機能付き空気清浄機は、加湿機能を同時に使うと、空気清浄機能が落ちる傾向にあります。しかし「うるさら」は、空気清浄機能単独でも、加湿機能を併用しても、運用床面積は31畳と変わらないのが特徴。また加湿器の内部で細菌が繁殖すると、そのまま空気に菌が放出される可能性がありますが、先述の「ストリーマ」が除菌・抑制してくれるので安心です。
加えて、パワフルに除湿するコンプレッサー式の除湿機能も搭載。部屋の温度に合わせて自動で湿度をコントロールする「全自動しつどコントロール」(おまかせ運転)という唯一無二の機能を実現しています。
本体は大きいが、思ったほど違和感はナシ
これだけ多機能なので、やはり本体はデカい(笑)。質量も23㎏と重く、自宅に届いた日はどうやって玄関からリビングに持っていこうか……と途方にくれましたが、なんのことはなく、キャスターがついていたのでラクラク移動できました。また、落ち着いたブラウンのカラーリングによってインテリアになじみやすく、思ったほどの違和感はナシ。
この「うるさら」は、アプリをダウンロードしてスマートフォンと連携することで、部屋の空気状況の確認や運転オン/オフ、タイマー設定などの操作ができます。さっそく連携してみると、本体に表示される温度や湿度、ホコリ、PM2.5、ニオイの状況などがスマートフォンでも確認できました。
自動できめ細かく加湿/除湿を切り替えてくれるのがうれしい
せっかくなので、とりあえず「おまかせ運転」で使い続けてみました。使ったのが3月だったので「加湿空清」か「空清」単独運転がメインかと思いきや、雨の日などは部屋の湿度がグッと上がり、ふと気づくと「除湿空清」になっていることも。この時期でも除湿機能が必要というのも意外な発見でした。使用期間中、加湿タンクの水が空になったり、除湿タンクの水がいっぱいになったりした点を見ても、きめ細かく運転を切り替えてくれたことがわかります。
またセンサーの感度も高く、窓を開けると「PM2.5」センサーが、料理を作れば「ニオイ」センサーが素早く感知し、吸引力をパワーアップしてくれました。
衣類の乾燥や部屋の脱臭にも便利
こんな感じで普段は「おまかせ運転」で、きれいな空気と快適な湿度を保ってくれる「うるさら」ですが、ほかにもたくさんの機能を搭載しています。花粉や雨が気になる季節の部屋干しにうれしいのが「衣類乾燥」機能。こちらを利用したところ、厚手のパーカーは時間がかかったものの、ポリエステルなど乾きやすい服やタオルは3時間程度で乾きました。ただし、本体が大きいうえに吹き出し口が上にあり、洗濯物はさらにその上方に吊るさないと風が当たりにくいため、場所探しに難航します。筆者は洗濯物を浴室のポールに吊り下げ、「うるさら」を洗面室に置いたところ、ちょうどいい感じに。
ユニークな機能も見つけました。それが「水de(デ)脱臭」。これは、まず思いっきり加湿して壁紙やカーテンの繊維に染み付いたニオイ成分を浮き出させ、その後、除湿して空気中のニオイ成分を除去するというもの。スマホのアプリでは、湿度が上がってニオイ成分が放出され、ニオイがスッキリと取れて湿度が戻るまでの過程が見てとれます。
加湿フィルターのケアをはじめ、お手入れには少々手間がかかる
多機能なぶん、お手入れは少々面倒です。特に定期的にお手入れが必要なのは、約2週間に1回のプレフィルターのホコリ取りのほか、約1か月に1回の除湿タンク、加湿トレー、加湿フィルターユニットのお手入れなど。特に加湿フィルターユニットは、つけおきが必要なので手間がかかります。
これらのお手入れの手間を除けば、やはり1台3役の快適さは、ほかにはない大きな魅力。ダイキンならではの高性能フィルターやストリーマ技術で空気清浄の能力は信頼できますし、さらに、湿度を自動でコントロールしてくれるメリットは絶大! 湿度は健康やお肌の状態を左右する重要なものなので、この点を含めて考えると約12万円の価値は十分にあり! と感じました。
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