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2020/5/26 19:00

電気圧力鍋でもっとおいしく手軽に!管理栄養士に教わる、完全栄養食「玄米」の楽しみ方

“完全栄養食”と言われ、食物繊維やミネラルが豊富な玄米。普段の食事に取り入れることができれば、それだけで栄養バランスが整います。とはいえ、食感がイマイチだったり、炊き方や事前準備などに手間がかかったりと、どうも面倒なイメージがありますよね。

 

今回は、最近注目されている「電気圧力鍋」を使って、面倒なく玄米を食べられる方法を紹介。また、玄米のおいしさと栄養価についても、料理研究家で管理栄養士の鈴木あすなさんに解説していただきました。

 

「玄米」の栄養価と、健康効果とは?

「玄米」とは、お米のもみ殻だけを除去した状態のものをいいます。そこから胚芽や糠を取り除いたものが「白米」ですが、実はこの胚芽や糠の部分に栄養が。ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含み、人間が健康を保つために必要とされる栄養素のほとんどを、玄米から摂取することができます。

 

「玄米には、体を整える栄養分がすべて揃っていて、これだけで“おかずつきのごはん”と言われるほど。また、GI値が白米だと84と高いのに対して玄米は55と低く、食後の血糖値の上がり方がゆるやかです。血糖値が急激に上昇すると内臓に負担がかかり、糖尿病や肥満の原因にもなってしまうので、なるべく低GI値の食事をするのが健康によいと言われています」(管理栄養士・鈴木あすなさん、以下同)

「私は、おかかやごま、梅干しなどを混ぜた玄米おにぎりを、忙しい時のランチの定番にしています。時間がないときこそ、白米ではなく玄米をよく噛んでいただくだけで、栄養も整って、お腹も満たされるんですよ」

【玄米の基本について】
健康に良い”とは知っているけれど…医学博士が解説する「玄米」の真の実力とは?

 

玄米を食べる際に気を付けること

玄米は消化に時間がかかります。なるべく、代謝がよく消化に負担がかかりにくい昼の時間帯を選んで食べるといいのだそう。

 

「消化吸収力が落ちている朝や、寝ている間も消化にエネルギーを使ってしまう可能性のある夜より、お昼ごはんに食べるのが理想的です。なるべく消化器官に負担をかけないよう、よく噛んで食べましょう」

 

「玄米」が苦手なら雑穀感覚で混ぜてみる

胃腸に不安があったり、玄米だけでは食べづらいと感じたりするなら、白米に玄米を混ぜて炊くのがおすすめです。

 

「『白米2に対して玄米1』を混ぜて炊くと、玄米独特の香りも気にならず、栄養を摂ることができます。炊飯器の通常モードで炊くことができますが、白米だけで炊くときより浸水時間を長くしたいので、たとえば朝食べるものを夜からタイマーでセットして炊いたり、朝出かけるときに夕飯に食べる分を予約しておくなどしてください。また、玄米でなく“分づき米”といって、糠を全部とっていないお米を食べるのもいいでしょう。“3分づき米”は玄米から3割の糠を削ったお米なので、玄米に近い栄養を摂取できます。こちらも玄米を白米に混ぜたときと同じように、浸水時間を長くして炊きましょう」

 

玄米をおいしく炊く秘訣は「電気圧力鍋」

玄米は、その硬さゆえ、通常は炊く前に水に浸けておく必要があります。土鍋で炊く場合は、玄米を6〜8時間浸水させておいてからでないと、おいしく炊くことができません。

 

「お米の芯まで水分を行き届かせてから炊くことで、パサつきなく炊き上げることができます。ただ、忙しい毎日を送る方々には浸水時間を取るのが難しいので、電気圧力鍋で炊くのがおすすめです。炊き方は各メーカーによって違いますが、私が使っているアイリスオーヤマの電気圧力鍋だと、浸水時間は20分ほどで済みます。その後、蒸らし時間を入れても20分ほどで炊き上がりますよ」

 

電気圧力鍋を使った玄米のおいしい炊き方

では、電気圧力鍋を使った玄米の炊き方を見ていきましよう。

 

【使ったのはこちら】


アイリスオーヤマ「電気圧力鍋 KPC-MA2-B」
1万8800円+税
※希望小売価格で、アイリスプラザの価格とは異なります

玄米の自動モードが搭載されており、セットしてボタンを押すだけで、玄米をおいしく炊くことができます。蓋を開けて卓上に持って行けば、お鍋やおでんなども楽しめます。火加減を気にせずに調理できるのも、電気圧力鍋ならでは。

 

【炊き方】

1. 玄米を洗う


玄米は、白米のようにとぐ必要はありません。表面についたもみ殻や汚れをざっと洗い流す程度に洗いましょう。もみ殻がまだついている玄米が混じっているときは、もみ殻を外します。

 

2. 浸水させる


内釜に玄米と水をセットして20分浸水(アイリスオーヤマ「電気圧力鍋 KPC-MA2-B」の場合)させます。水加減は炊き上がりの好みや米の種類にもよりますが、玄米の量の1.5~2倍の水で炊きます。

 

3. 電気圧力鍋の玄米モードを押して炊く
(アイリスオーヤマ「電気圧力鍋 KPC-MA2-B」の場合)


炊き上がったら圧力が下がったことを確認し、そこから5分ほど蒸らして蓋を開けましょう。ほくほくと玄米の香ばしい湯気があがります。このモデルは、自動で蒸らしも行えます。

 

4. おひつに入れるとさらにおいしくなる


炊き上がった玄米は、おひつに入れておきましょう。余計な水分をおひつが吸収してくれるので、お米がべちゃっとせず、ちょうどいい水加減に調節してくれます。

 

玄米に限らず、お米は冷めると硬くなりやすいので、炊き上がりをすぐ食べないときはおひつに入れておき、蒸し直したりレンジで温めたりしてから食べましょう。また、保存するときは、冷めないうちに一膳分ずつラップに包み、保存袋に入れて冷凍してください。

 

また電気圧力鍋を使わずに、土鍋で炊く場合は、6~8時間浸水させ、沸騰したら30分ほど弱火で炊いてから10分蒸らしましょう。

 

次のページでは、玄米をおいしく炊ける電気圧力鍋・炊飯器や、より栄養価にこだわった玄米商品、お手軽なパックごはんなどを紹介します。



提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

ここでは電気圧力鍋に加えて、玄米をおいしく炊ける炊飯器や、電子レンジで温めて食べられる玄米など、玄米にまつわるアイテムを紹介します。

 

【編集部選】玄米を手軽においしく炊ける電気圧力鍋・炊飯器

1. 浸水なしでもモッチリ炊ける電気圧力鍋


パナソニック「電気圧力鍋SR-MP300」
オープン価格(3万円前後+税)

玄米の量によって蒸らし時間や圧力が上がるまでの時間が変わりますが、およそ70〜90分ほどで玄米が炊き上がる電気圧力鍋。4〜5人分のカレーが作れる容量ながらコンパクトで、小豆入りの玄米や炊き込みご飯、おこわも美味しく炊くことができます。

 

↑玄米を炊くだけでなく、魚を骨ごと煮たりプロック肉を柔らかく煮込んだり、料理の幅が広がります

 

2. 炊飯器なのに圧力をかけて玄米が炊ける


ZOJIRUSHI「圧力IH炊飯ジャー 炎舞炊き NW-ES07」
オープン価格(10万円前後+税)

ZOJIRUSHIの炊飯器はどれも玄米炊飯が可能ですが、なかでも圧力IHタイプは玄米に圧をかけてもっちり炊くことができます。「玄米ふつうモード」で炊くと、炊き上がりまで64~70分ほどかかるので、夕食の支度をしながら炊くといいでしょう。

 

↑4合炊きなのに3合炊き程度の大きさとコンパクト。玄米を一度に炊いておいて冷凍しておくのもおすすめです

 

3. 可変圧力で甘みのあるお米が炊ける


パナソニック「可変圧力IHジャー炊飯器 SR-JW058」
オープン価格(7万円前後+税)

玄米モードは「ごはん」と「やわらかごはん」の2種類の炊き方ができる炊飯器。「大火力おどり炊き」と「可変圧力おどり炊き」の、ふたつの炊き技でお米を激しくおどらせ、甘みともちもち感のあるふっくら美味しいごはんに炊き上げます。釜の上からの加熱できるよう、蓋にもIHを搭載しています。

 

【編集部選】もっと簡単に食べられる玄米商品

1. 電子レンジで2分温めればOK! の簡単玄米


結わえる「初めての方に!寝かせ玄米6個入りお試しセット」
1546円+税

東京・蔵前にある「結わえる」の“寝かせ玄米”は、小豆を入れて炊いた玄米を3〜4日間保温状態で寝かせたもの。そこにもち麦や黒米などをブレンドした6種類の寝かせ玄米パックは、レンジで温めるだけで食べられてお手軽です。もちもちでおいしく、オフィスや旅先などでも簡単に食べられるのが魅力的です。

 

2. 白米と同じように炊けて消化にいい玄米


東洋ライス「金芽ロウカット玄米」2kg
1750円(通販価格/税・送料込み)

玄米の硬い表面の部分だけを均等に除去し、白米と同じように炊くことができるように処理した金芽ロウカット玄米。玄米とほぼ同様の栄養価がありながら、食べ方が手軽なだけでなく、消化によいので胃腸の弱い方やちいさな子どもにも負担が少ない玄米です。

 

家で過ごす時間が長くなり、食べ過ぎや食生活の乱れが気になっている方もいるでしょう。玄米の炊き方をマスターすれば、おいしく栄養不足を補うことができそうです。

 

【プロフィール】

管理栄養士・料理研究家 / 鈴木あすな

愛知県名古屋市出身。大学卒業と同時に「管理栄養士」を取得し、世界中にたくさんの素敵な食卓=TABLEを作りたいという想いから、株式会社Table forを立ち上げる。現在はテレビ・ラジオ・雑誌のレギュラーを持ち、メディアを通じた情報発信を行う他、料理教室「Table for」の運営や企業とのレシピ開発、商品プロデュース、地域貢献など、より豊かな食卓が増えるよう幅広い活動をしている。著書に『美人をつくる! まいにちの簡単スムージー123』(学研パブリッシング)などがある。