ここ数年、ドライヤーが目覚ましく進化しています。マイナスイオン搭載で髪をサラサラに乾かす、大風量で速乾する、2つの吹き出し口で速乾する、遠赤外線で髪の内側から乾かす、低温で髪を傷めない、センサーで温度や距離を測って適温に調節する……などなど。さて次はどんなドライヤーが出てくるのか楽しみにしていたところ、なんとコードレスのドライヤーが登場しました。韓国メーカー、SS shiny(ダブルエスシャイニー)の「The CORDLESS HAIR DRYER(ザ コードレス ヘアードライヤー)SDJ-001」(実売価格3万2780円)です。
ドライヤーがコードレスだったら、そりゃ便利にちがいない! と期待しつつ、風量は大丈夫? 何分使えるの? バッテリー搭載で重いんじゃ……? など、気になることが次々と頭に浮かんできてしまいます。そんな疑問を解消すべく、実際に使ってみました。以下でその使用感を紹介していきます。
弱冷風なら長時間使えて安全性能も高い
このコードレスドライヤーは、国内大手のクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にて、目標の1616%を達成したという注目度満点のドライヤー。日本での一般発売は今年2月からですが、第1世代モデルは2018年に香港、台湾などで2万台を販売しており、今回発売するのは第2世代モデルだといいます。最大の特徴はもちろんコードレス。コードレスながら風量は1.44立方メートル/分と一般的なドライヤーと同等です。
続いて使用可能時間について。4900mAhの大容量バッテリーを搭載しているため、もっとも長くて弱冷風で約170分。ただし強温風だと約15分なので、ふつうに髪を乾かそうと思ったら、そんなに長くは持たないと考えたほうがよさそうです。充電台が付属しているので、使い終わったら充電台に戻して即充電が基本。満充電までにかかる時間は約240分(4時間)です。
また同製品は安全面に配慮して、以下の機能が搭載されているといいます。
・過充電保護装置……完全充電完了時に充電を遮断
・過放電保護装置……放電がバッテリーの定電圧の8.5V以下になると電源を遮断
・バッテリーショート防止装置……過電流が発生すると電源が自動オフ
・バッテリー温度感知装置……本体内部のバッテリー温度が約50℃を超える場合、電源が自動オフ
つまり充電台に置きっぱなしにしても過充電にならず、使用後に本体が熱を持った状態で充電台に置いても、冷めるまで充電は開始しないということですね。
風が当たる範囲が小さく、風の勢いはやや弱い
ではさっそく使ってみましょう。髪を洗ったあとタオルドライした状態で、いつものように乾かしてみます。なお髪や頭皮からの距離は、5cm推奨とかなり近いですが、温風温度は70℃を超えない低温だというので、髪や頭皮へのダメージは少なそう。なおマイナスイオンなどイオンを放出する機能は搭載されていないようです。
まず、持った印象は、ずっしり重いです。重量は約650gだそうで、他社のモデルに比べても重い部類に入るでしょう。ただハンドルとなる部分が2本あるためか、重さの割には安定感はあるように感じます。
いよいよ温風ボタンを3回押し、強モードにして髪に当ててみたところ、なるほど確かにしっかりと風は感じます。髪から5cmとかなり近づけられるため、髪をかきわけ地肌も見えている状態に。しかし、強温風の割には勢いが感じられない……。そこで吹き出し口を改めて確認したところ、吹き出し口が小さい! 髪に当たる範囲も小さいせいか、風量がなかなか実感できませんでした。
とにかく根元から乾かしていこうと、まずは吹き出し口を地肌に重点的に当ててみました。これも風が熱くならないからできることですね。温度は、強温風で約57℃とのこと。体感としてはぬるいという感覚で、特に夏は快適に使えそう。とはいえ、かなり風がピンポイントであるため、髪をほぐしたり、ドライヤーを振ったり、いろいろと試しながら一生懸命乾かしました。乾燥にかかった時間は、約12分。私は髪が細く、速乾ドライヤーなら5~6分で乾かせるので、これは時間がかかったほうだと思います。
12分かかってしまうと、15分という使用可能時間をほとんど消費してしまうことに。また7~8分を過ぎてくると、本体が熱くなってくるのも気になる点です。