新型コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が長くなり、今まで以上に家の状態が気になるようになった人も多いのではないでしょうか。筆者自身、菌やホコリ、生ごみやペットのニオイに敏感になり、せっせと掃除したり、テーブルやキッチンをアルコールで除菌したり、空間除菌スプレーをまく回数が増えました。
その一方で気になっていたのが、アルコールや空間除菌スプレーの消費量と安全性です。特にアルコールは肌荒れの原因になるというし、わが家には犬もいるので、注意しながら使わなくては……そう思っていたところ、ふと目にとまったのが、フジ医療器からオゾン水生成器「トレビ・クリアゼロFWO-3」が発売されるというニュース。水と電気だけで自宅で簡単に除菌・消臭ミストスプレーが作れるというのです。これなら安心してたっぷり使えそう! ぜひ使ってみたい! と思い、さっそくお借りして家中で試しました。
オゾンが細菌の細胞膜を破壊することで、除菌・消臭を行う
本製品は、薬品を使わず水道水を電気分解することで除菌・消臭効果のあるオゾン水を生成するというもの。水だけで短時間で作れるため、心おきなく使えます。それでいて自然由来のため手肌に触れても手荒れの心配がなく、赤ちゃんやペットにも安心だそう。
そもそもオゾンでなぜ除菌・消臭できるのでしょうか? メーカーの資料によると、「オゾン(O3)は強い酸化作用によって細菌の細胞膜を破壊し、細胞内の成分が漏れ出ることで殺菌」してくれるのだそう。オゾンはその後、水と酸素(O2)に変わって自然の空気に戻ります。
しかも、その除菌・消臭力がすごいとのこと。第三者機関による試験(一定条件による)によると、「トイレやキッチンクロスなどの菌」「まな板やシンク周りなどの菌」は15秒後に99.9%以上減少、「臭いの原因となるアンモニア(トイレ臭など)」は52%、「イソ吉草酸(足の臭い)」は87%、「酢酸(汗の臭いなど)」は86%減少。さらにウイルス不活化についても、エンベロープタイプ(膜状の構造があるもの)、ノンエンベロープタイプ(膜状の構造がないもの)ともに99%減少したそうです(すべてのウイルスに効果があるわけではありません)。
水道水を入れて通電台に乗せ、ボタンを押せばオゾン水ができる
さっそくオゾン水を作ってみました。見た目はデザインが美しいスプレーボトルですが、内側の底にオゾン発生器のようなものが見えます。水道水を既定のラインまで入れ、スプレーノズルを閉めたら、あとはボトルベース(通電台)に乗せ、ボタンを押すだけ。
生成ボタンを押すと、シュワシュワ~と細かい泡のようなものが発生してきました。これがオゾンなのでしょう。しばらくして紫色の光が点灯するとオゾン水が生成されたサイン。生成後、約10分間使えます。
スプレーが優秀で、細かいミストが広範囲に広がる
空気中に噴霧してみました。トリガーを引くと真っ白で細かい霧が、思った以上に大量に噴き出て、広範囲に広がりました。
ミストが非常に細かいので、広範囲にふわっと広がり、周囲がビショビショにならないのはうれしいところ。トリガーは少し硬めですが、一度引くと長く噴き出るなど、スプレーの構造自体も優秀だと感じました。
さらにオゾン水はニオイにも効果があるということで、玄関まわりやゴミ箱のほか、わが家では犬を飼っているので、犬のトイレまわりにも噴きかけたところ、確かにニオイが減りました! 特に生ごみを捨てたあと、空になったゴミ箱や、犬のトイレ後などは、ニオイ残りが早く消えると感じます。
ちなみにオゾン水は、生成直後がもっとも濃度が高く、徐々に薄まってしまいます。10~15分以内に使えればいいのですが、それ以上使うなら、いったんボトルベースに戻し、再び紫色の合図が出てから使う必要があるようです。
毎日たっぷり使えて家中まるごとスッキリ
こうして使い始めて数週間、慣れてくると、自宅で除菌水が作れるってなんて快適なんだろう、と感じるようになりました。まず必要なのは水道水だけなので、思う存分使えます。またアルコールやら空間除菌用やらを使い分ける必要がなく、家中これ1本でOKというのも便利。
自然由来という安心感も大きいです。特にキッチンまわりで使うとき。これまでまな板をアルコールで除菌したときなどは、このアルコールは食品に付いても大丈夫だろうか……と、いつも抵抗感を感じていましたが、オゾン水なら大丈夫かな、という気持ちになります。
さすがに菌やウイルスが減少したかどうかはわかりませんが、明確に変化を感じたものがあります。それはニオイ。1日1回、家中にまくようになってから、家に帰ってきたときの何ともいえない生活臭を感じにくくなったのです。
一方で気を付けるべきこともあります。まず布、革製品には、色落ちの可能性があるので使用しないこと。毛、綿、レーヨン、アセテート、キュプラなど、水に弱い繊維、水洗い不可の表示があるものも要注意です。一番気をつけたいと思ったのは、酸化作用があるため、錆びやすいものには使用してはいけないということでした。
こうした点以外に関しては非常に使いやすくて大満足。本体価格は税抜4万5000円と高いので、ふと「除菌スプレーが何本買えるだろうか……」と思ってしまいますが、思う存分使える点や、使い勝手の良さ、安心感を考えると、手に入れる価値はあると感じました。
また10月14日、本機のメーカーのフジ医療器は公立大学法人奈良県立医科大学及び一般社団法人MBTコンソーシアム協力のもと、電気分解法により生成したオゾン水ミストが、新型コロナウイルスの不活性化(感染力を失わせること)に効果があることを確認したと発表。その点でもタイムリーな製品なので、みなさんもぜひ注目してみてください。
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