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2020/10/28 20:00

「ケルヒャーはデカいから」と諦めていた人へ! 2万円台前半の「日本向け高圧洗浄機」が魅力的

高圧洗浄機が欲しいけど、大きくて保管場所がない……。マンションのベランダやお風呂で使うにはホースが長すぎて取り回しが悪そう……なんて理由で購入をためらっていた人に朗報です。日本の住環境に合わせた高圧洗浄機「K MINI」(実売価格2万1780円)がケルヒャーから10月1日に発売されました。コンパクトで収納性が高く、取り回しも良い同機は、まさに日本人のための高圧洗浄機です。今回は、年末の大掃除需要に向けて「K MINI」ほか、スチームクリーナーと窓用バキュームクリーナーの新製品も紹介します。

↑コンパクトになった日本向け高圧洗浄機「K MINI」

 

日本人ユーザーの不満を解消する「JAPANプロジェクト」の第一弾が「K MINI」

マーケティングリサーチ企業のGfKによると、日本の高圧洗浄機ユーザーの約3割が、買ったはいいが思っていた以上に使用しなくなっているといいます。その理由として、「準備・片付けに時間がかかる」「箱/保管場所から出すのが面倒」「重い」という不満を挙げています。ケルヒャーでもこうしたユーザーの不満を以前から把握しており、日本人ユーザーの不満を解消したい、保有に喜びを感じられる製品を作りたいと強く感じていたといいます。

 

そこでケルヒャージャパンは2017年5月に「JAPANプロジェクト」を立ち上げ、日本市場に向けた製品開発をスタート。従来は、ドイツ本社で開発した製品を全世界に展開していくことがほとんどでしたが、今回は日本人のための日本オリジナルを作るという前代未聞のプロジェクトでした。その後、消費者インタビューを重ね、6つのプロトタイプを経て完成した「JAPANプロジェクト」の第1弾が「K MINI」というわけです。

 

K MINIのサイズは長さ280×幅159×高さ295mm(収納ケースなし)と、トートバック程度の大きさで、同社のコンパクトモデルであるK 2 クラシック(長さ393×幅171×高さ243mm)に比べてもコンパクトになっています。これは、モーターとポンプの配置を変更することで実現しました。従来はモーターとポンプは横並びに配列し、ギアとポールでダイレクトに接続していましたが、K MINIでは上下に並べ、ベルト駆動方式を採用しています。これにより、ほぼ正方形の形となり、持ち運びしやすく、収納もしやすくなりました。

↑従来(左)と違ってK MINIはモーターをポンプの上に配置し(右)、ベルト駆動にすることでコンパクト化を実現

 

コンパクトに収納できるようトリガーガンと高圧ホースを改良

特筆すべきは、収納時のコンパクトさです。高圧洗浄機はトリガーガンと高圧ホースが重要なパーツとなりますが、K MINIはその2つを収納できるボックスを付属し、本体背面に取り付けてコンパクトに収納できよう工夫したのです。この収納ボックスに収めるため、トリガーガンと高圧ホースも改良しました。トリガーガンは、従来より25%短くするとともに、従来モデルでは2分割だったものをK MINIでは3分割とすることで収納性を上げました。高圧ホースに関しては、業務用に使用している細く柔らかいプレミアムフレックス高圧ホースを採用し、素早く小さく巻き取れるようにしました。また、従来は収納場所がなかった電源コードも、本体下部に巻き取れるようになっています。

↑短くなったトリガーガンをさらに3分割することで収納ボックスに収められ、コンパクトに持ち運び・収納ができます。このサイズならば玄関の下駄箱にも入りそうです

 

↑プレミアムフレックス高圧ホースは細く柔らかいため巻き取りやすく、使用時にも取り回しがよいのが特徴。電源コードもスリム化して本体下部に巻き取れるようにしました

 

コンパクトになったトリガーガンと柔らかくしなやかなプレミアムフレックス高圧ホースにより、マンションのベランダや家と家の間の壁など、狭い空間でも取り回しが良くなっています。別売りの自吸用ホースを使えば、バケツやお風呂の残り湯からも水を吸い上げられるので、狭い風呂場や水道のない車庫でも利用できます。なお握り手も日本人の体格に合わせて小さくなっており、女性でも扱いやすくなりました。

↑マンションのベランダや風呂場などの狭い空間でも取り回しがよくなりました

 

コンパクトになっても、洗浄能力は十分。最大許容圧力は9Mpa、最大吐出水量は330L/Hで、ヒット商品のK 2 クラシックと同等レベルです。

↑ケルヒャー高圧洗浄機の比較表。K MINIはコンパクトになっても洗浄能力は十分。なお、騒音値が若干高いですが、ケルヒャーによると「耳障りにならないよう音質に気を配った」とのこと

 

30秒で使えて使用時間が120分と長いスチームクリーナーも発売

次に、スチームクリーナーの新製品を紹介していきましょう。スチームクリーナーは、水を100℃に沸騰させ、発生する高温の蒸気で汚れを落とすとともに、ウイルス除去とバクテリア除菌もできる掃除機です。その性能から現在、世界中で需要が増加しており、ここ日本でも今年1~7月の売り上げは前年比3倍以上にもなっています。ケルヒャーではこうした市場ニーズに応えるため、すでに欧州・中国で先行発売して人気となっているスチームクリーナー「SC 3」を10月1日に日本でも発売することにしました。

↑欧州・中国で先行発売して売れ行き好調な「SC 3 EasyFix」(左)と「SC 3 EasyFix プレミアム」(右)

 

SC 3の特徴は3つあります。1つめは、ヒートアップタイム。スチームクリーナーは掃除を始める前にまず、ボイラーの中の水を沸騰させて蒸気に変える必要があります。その蒸気になるまでの時間をヒートアップタイムというのですが、従来機種は180~360秒かかっていました。それが、SC 3はなんと30秒に短縮できたといいます。

↑SC 3のヒートアップタイムはケルヒャー史上最速の30秒

 

大幅に短縮できた理由は、従来のボイラー式からフローヒーター式に変更したためです。フローヒーター式とは、ヒーター内部のコイルに電流を流して熱を発生させ、コイルが最高180℃まで上昇したところで、近くを通る水管に水を通して熱湯を作る仕組みです。一度に少量ずつの水を熱湯に変えるこの仕組みにより、ヒートアップタイムが大幅に短縮できたのです。もちろん、従来のボイラー式同様、除菌能力を維持しています。

↑フローヒーターの内部構造

 

特徴2つめは連続使用時間が長いこと。1回の給水で可能なスチーム連続噴射時間は約30分ですが、最上位モデルのSC 4と同様に、追加給水することで120分の使用が可能です。SC 1の6分、SC 2の30分に比べると格段の長さです。120分あれば、居室の床、廊下、キッチン、風呂場と、一度に家中が掃除できますね。

↑SC 3は給水することで連続120分使用できるので、一度に家中が掃除できます

 

↑床からキッチン、風呂場、フローリングと、スチームクリーナーは家中の汚れを落とし、除菌できます。衣類のシワ伸ばしも

 

3つめは、メンテナンスが簡単なことです。従来機種はボイラーでお湯を沸かすため、ボイラー内に水道水のカルキが溜まってしまいます。そのため、10回に1回はボイラー内を水ですすぎ、50回に1回は専用洗剤で洗浄する必要がありました。新製品のSC 3はスケール除去カートリッジを新搭載し、カルキ成分を除去した水をヒーターに送るので、本体内部の洗浄が不要になりました。なお、カートリッジの寿命は、1か月間に合計4~5時間使用した場合、約1年6か月とのことです。

↑スケール除去カートリッジを新たに採用し、メンテナンスの手間を省きました

 

価格は、標準セットの「SC 3 EasyFix」が実売価格2万9480円、ブラシ・フロアノズル用クロス・ハンドブラシ用カバーがそれぞれ2つずつ付属し、スポットノズルが付属する「SC 3 EasyFix プレミアム」が同3万2780円。

↑SC 3の仕様および他モデルとの比較表

 

ワイプパッドが取り付けやすい窓用バキュームクリーナーが登場

最後は窓用バキュームクリーナーの新製品です。ケルヒャーの製品は、付属のスプレーボトルで洗浄液をガラスに吹きかけ、ワイプパッドで汚れを浮かせた後に、バキュームクリーナーで汚れた水滴を拭き取るものです。これにより、乾拭きが不要となり、水ダレや拭き跡を残すことなく素早く窓掃除ができます。新製品「WV 1 プラス LR」は、より使いやすくすべく、3点の改良が施されました。

↑窓用バキュームクリーナー新製品「WV 1 プラス LR」。右がバキュームクリーナー本体、左が付属のスプレーボトル

 

1つは稼働時間を20分から25分に延長したこと。5分あれば腰高窓1枚をクリーニングできるので、一度の充電で掃除できる窓の枚数が増えますね。2つめは、スプレーボトルのワイプパッドの取り付け方法を変更したこと。従来は両サイドをゴムで取り付けていましたが、新製品ではマジックテープに変更、素早く取り付け・素早く取り外しができます。3つめは、スプレーボトルの背を低く、底を広くしたこと。スプレーボトルを床などに一時的に置いておく際に、従来モデルは重心が高く底が狭いために倒れてしまうことがありました。新製品は重心を低く底を広くしたことで倒れにくくなっています。「WV 1 プラス LR」の価格は標準セットが7678円(同)、ワイプパッド2枚付属の「WV 1 プレミアム LR」が9878円となります。

↑新製品の変更点。ワイプパッドが取り付けやすくなったなどのマイナーチェンジですが、使い勝手がよくなっています

 

筆者は郊外の一戸建てで狭いながらも庭がありますが、それでも高圧洗浄機は置き場がなく、購入をためらっていました。ただ、玄関のアプローチやベランダの汚れはデッキブラシでは落ちないので、いつかは高圧洗浄機が欲しいと考えていたところです。「K MINI」ならば玄関の下駄箱の中を整理すれば収納できそうなので、購入を検討しています。また、スチームクリーナーも以前から欲しいと思っていた商品。キッチンの油汚れや風呂場の臭い落とし、さらに、猫が粗相したときの掃除と除菌と、家の至るところで活用できそうですから。その点、すぐに使えて長く使える「SC 3」も魅力的。ただ、こちらはもう少しコンパクトにだったらうれしいですね。