筆者は“コーヒーが苦手な人”です。飲めないわけではないものの、自分から積極的に飲むことはほぼありません。普段はコーヒーではなく紅茶や中国茶を飲むのですが、最近知って興味が湧いたのが「Cuzen Matcha(空禅抹茶)」という抹茶マシン。開発したのは日本人ながら、日本より先に海外で大評判になっているとか。これはぜひ試してみたい! というわけで、抹茶ビギナーの筆者が「Cuzen Matcha」を実際に使い、外国人もとりこにする魅力を探ってみました。
茶室をイメージしたスタイリッシュなデザインが好印象
我々が日常生活で出合う抹茶といえば、ラテやスイーツなど甘いものが多いでしょう。しかし、抹茶はただのスイーツの素材ではなく、ポリフェノールが多く含まれているのでアンチエイジングを期待できたり、旨味成分のテアニンにリラックス効果があったりと、海外では目下注目のスーパーフードなのだとか。
この抹茶に注目してCuzen Matcha を開発したのが、元サントリーの塚田英次郎氏。サントリー時代には新商品や新事業の開発を担当し、「伊右衛門 特茶」など多くのヒット商品を手掛け、サンフランシスコの抹茶カフェ「Stonemill Matcha」の立ち上げにも携わった人物です。
Cuzen Matcha は2020年10月にアメリカで先行発売され、 TIME誌が選ぶBest Inventions of 2020や世界三大デザイン賞のひとつiF Design Award 2021など、合計6つの賞を受賞。世界で高い評価を得て、現在では日本国内のホテルやレストランで導入され始めているようです。
Cuzen Matchaをひと目見て感じたのが、「とにかくデザインがいい」ということ。エスプレッソマシンは大きくてゴツゴツした印象のものが多いですが、Cuzen Matchaは非常にコンパクトで、これなら置き場所に困るということはなさそうです。ちなみに、特徴的な円は茶室の円窓をイメージしているのだとか。日本的なモチーフをうまく取り入れるあたりに、塚田氏のセンスを感じます。
操作はたった3ステップで超カンタン
抹茶マシンというと、抹茶の粉を入れるのかな? と思う方がいるかもしれませんが、本機は茶葉(リーフ)を抹茶にするところからスタート。内蔵する臼で「ひきたて」の抹茶が味わえるのが最大の魅力です。イチから抹茶を淹れるとなると、少し面倒なのでは……と不安があったのですが、実際はたったの3ステップ。まずはマシンの‟茶筒”部分に茶葉を入れ、専用カップに水を入れてセットします。なお、この収納部には専用リーフ20gパック1本分を保管できるようになっているので、別途、保管用の容器を用意する必要はありません。
続いて、抹茶の濃さを1〜3の3段階から選択したら、「START」ボタンを押すだけ。すると、専用カップ内のウィスク(泡立て器)が回転し、そこに本体の臼でひかれた、ひきたての粉が落ちていきます。
いままでの抹茶のイメージが吹き飛ぶうまさ
30秒ほど待つと、抹茶が完成。まずはストレートで飲んでみます。グラスに顔を近付けるだけで、ふわっと抹茶のいい香りが感じられますね。口に含むと、茶葉の苦味と甘みのバランスが絶妙! 「抹茶=苦い」というイメージがあったのですが、まったくそんなことはありません。抹茶がダマになることもなく、のどごしも良好です。ちなみに、 濃さがもっとも薄いレベル1と、中間のレベル2のものを飲み比べたところ、ストレートで飲むなら濃さレベル1が飲みやすく感じました。
ここまで香り高い抹茶が楽しめるとなると、さぞかし茶葉自体の香りもいいのでしょうね、と思ったのですが、茶葉の香りを嗅いでも、そこまで香りを感じません。パウダー状にすることで、これだけ香りが引き立つんですね。
意外とイケる炭酸割りをお試しあれ
Cuzen Matchaで作った抹茶は、十分な濃さがあるのでほかの飲み物と混ぜるのもオススメ。たとえば、氷を入れたグラスに冷たいミルクを注ぎ、濃さレベル2か3の抹茶ショットを注げば「抹茶ラテ」が完成!
ちなみに、アメリカで人気なのが「スパークリング抹茶」なのだとか。氷を入れたグラスに炭酸水を注ぎ、抹茶ショットを入れるだけの手軽なアレンジ。抹茶感は控えめなのですが、これがなんだかクセになるんです。お風呂上がりに飲むのがオススメですよ。とはいえ、多少好みが分かれる味かもしれませんが。
本製品にはこれらのアレンジが紹介されたレシピブックが付属しており、専用カップに水を入れなければ、抹茶パウダーも作れると書いてありました。せっかくなので抹茶塩でも作ろうか……とパウダーを作ってみたところ、かなり細かい粉末が出てきました。パウダーはラテにあしらったり、料理にふりかけたりといろいろな使い方ができそうですね。
使ったあとにゴミが出ないから手入れがしやすい
なお、コーヒーや紅茶は飲んだあとにはゴミが出るものですが、Cuzen Matchaは茶葉を本体内の臼でひくので、ゴミが一切出ません。日々の片付けは専用カップをすすぐだけなので、これならズボラな筆者でも安心して使えます。
本体の臼ユニット、実はシャープ独自の「セラミック製お茶うす」にまつわる技術提供を受けているのだとか。そういえば、以前シャープからはお茶メーカーの「お茶プレッソ」が発売されていましたが(現在は生産終了)、そのDNAを一部受け継いでいるということですね。
本体の価格は高いが満足度も高い
意外だったのが、Cuzen Matchaに使用する茶葉のコスパの良さです。Cuzen Matchaでは専用茶葉を用意する必要があるのですが、100%一番茶の「プレミアム」は20gパックが3000円(税込・以下同)、60gパックが7500円、「シグナチャ」は20gパックが2000円、60gパックが4500円です。20gパックが約20杯分、60gパックが約60杯分と考えると、プレミアムは1杯125円〜、シグナチャは1杯75円〜と、1杯あたりの価格はそう高くありません。また、毎月もしくは2か月に1度届く定期配送プランであれば、さらに15%オフで購入できます。
今回、ひととおりCuzen Matchaを使ってみて、デザイン、味、使い勝手といずれも満足度の高いアイテムだと感じました。ただ、1点悩ましいのが、税込3万3000円というなかなかの価格(ただし5000円分の茶葉とレシピブックを同梱)。抹茶のみに特化したマシンということを考えると、買う人を選ぶ印象です。
とはいえ、家にCuzen Matchaがあれば、来客があったときにも「それ何?」と注目を集めることは間違いなし。少人数のオフィスに置くのもアリですね。何より、ひきたての抹茶を使ったドリンクが飲めるのは最高の体験です。普段はなかなか飲むことのない抹茶の良さを、Cuzen Matchaを通して再発見してみてはいかがでしょうか。
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